[2020_07_01_03]【風評の深層・処理水の行方】処理水...宙に浮く「国民的議論」(福島民友2020年7月1日)
 
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【風評の深層・処理水の行方】処理水...宙に浮く「国民的議論」

 「あなたはトリチウムについて知っていますか」。福島市に事務所を持つNPO法人アースウォーカーズが6月21日に開いた、東京電力福島第1原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水をテーマにした勉強会の一幕だ。最も基本的な質問に対し、県内外の高校生を含む36人の回答者のうち、約半数が「知らない」と答えた。
 アースウォーカーズは原発事故後、県内で被災地支援の活動を続けている団体だ。勉強会は、処理水に関する経済産業省の意見公募の期限が15日に迫る中、少しでも多くの人に理解を深めてもらおうとテレビ会議システムを使って開催した。
 呼び掛けに応じた参加者は、処理水の問題に比較的関心が高い人たちだ。ところが、政府の小委員会が「現実的な選択肢」とする、海洋と大気への放出を議論するための土台ともいえる、トリチウムの性質や放出した場合の影響などの基礎知識が共有されていないことが浮き彫りになった。
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