[2020_07_18_03]一般県民から初聴取 東電福島第一原発からの処理水放出 政府(福島民報2020年7月18日)
 
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一般県民から初聴取 東電福島第一原発からの処理水放出 政府

 東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方法の決定に向け、政府は十七日、福島市のザ・セレクトン福島で意見聴取会を開き、業界団体に属さない一般県民から初めて意見を聞いた。川俣、広野、楢葉、大熊の四町の住民のうち、二人が海洋放出に否定的な考えを示し、残る二人はトリチウムに関する丁寧な説明や風評対策を求めた。
 四人は県が設置する「県原子力発電所の廃炉に関する安全確保県民会議」のメンバー。大熊町の井戸川洋一さんは「トリチウムを取り除かない限り、海洋放出は非常に難しい」とした。川俣町の菅野良弘さんは「海洋放出に賛成する県民はほとんどいない。不安や不信を払拭(ふっしょく)する努力をしてほしい」と求めた。
 広野町の秋田英博さんは「全国的な問題として丁寧な説明が必要。処分方法には住民らの合意が欠かせない」と指摘した。楢葉町の猪狩光市さんは「若い世代にも議論してもらうのが大事。国と東電が責任を持って万全の風評対策に取り組むべき」と要請した。
 政府による意見聴取会は五回目。これまでの発言者は首長や農業、漁業、流通などの業界団体代表らに限られていた。今回は一般県民四人の他、県議会の太田光秋議長、県青果市場連合会の佐藤洋一会長、県水産市場連合会の石本朗会長が臨んだ。座長の松本洋平経済産業副大臣を前にそれぞれ意見を述べた。
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