[2022_12_14_03]三菱電機製変圧器の不適切事象について(北陸電力2022年12月14日) |
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04:00 2022年12月14日 三菱電機製変圧器の不適切事象について 北海道電力株式会社 中部電力株式会社 北陸電力株式会社 関西電力株式会社 中国電力株式会社 四国電力株式会社 九州電力株式会社 日本原子力発電株式会社 1.不適切事象の概要 <三菱電機プレス情報(抜粋):2022年4月21日> 三菱電機株式会社は、当社の系統変電システム製作所赤穂工場(兵庫県赤穂市)が製造する特別高圧以上の一部の変圧器において、お客様から要求を受けていた規格に準拠した受入試験の一部を規格と異なる要領で実施し、試験成績書へ不適切な記載を行っていたこと、および一部の製品で社内基準等と異なる設計を行っていたことが、当社が 2021年7月2日に設置した調査委員会の調査の過程で 2022年4月1日に判明したので、お知らせします。(以下略) 経緯・概要 月 日 内 容 2022年4月21日 ・赤穂工場で製作する一部の特別高圧用変圧器において、試験成績書へ不適切な記載を行っていた旨報告(HPで公表)あり。 ・経済産業省・電力安全課から事業者へ、本件に係る通知文書発行(具体的な報告方法は別途指示の位置付け)。 5月25日 本不適切行為について、更なる調査を行った結果、対象となる設備数が上方修正された旨追加報告(HPで公表)あり。 8月12日 電力安全課から事業者へ、特別点検の結果報告を求める指示文書発行(4/21に別途指示としていた文書)。 10月20日 調査委員会から三菱電機へ最終報告書提出(HPで公表)。 2.指示文書に基づく報告内容 経済産業省 電力安全課 指示文書(2022年8月12日) (中略) 報告対象 @ 交流耐電圧試験 【変圧器の電路の絶縁性能】 A 温度上昇試験 【変圧器の熱的強度】 B @,Aの対象変圧器の現時点での健全性確認 現地で実施した電技解釈に示す方法による試験結果を有する場合は@〜Bは対応不要 3.報告対象の不適切事象 「交流耐電圧試験」(1/2) @ 交流耐電圧試験の不適切行為 試験目的 変圧器巻線の交流電圧に対する絶縁性能を検証する。 試験内容 JEC(電気規格調査会標準規格)で規定される試験電圧を変圧器に加え、運転期間中の過電圧に対する絶縁強度を検証する。 不適切概要 規定された試験電圧値よりも低い電圧、規定の印加時間より短い時間で試験したにもかかわらず、試験成績書には規定の試験電圧値、試験方法を記載した。 <電技解釈要求> 1998年9月以前: 現地での絶縁性能試験(相電圧の1.1倍で10分間の電圧印加)が求められており、工場試験の有無に関わらず、電技解釈を満足することになる。 1998年9月以降: 現地での絶縁性能試験が求められており、現地での試験が実施されていれば、工場試験の有無にかかわらず、電技解釈を満足する。なお、工場試験において規定の条件で試験を実施することで、現地での絶縁性能試験を省略可能となった。 ※JESC E7001日本電気技術規格委員会規格「電路の絶縁耐力の確認方法」より 3.報告対象の不適切事象 「交流耐電圧試験」(2/2) @ 交流耐電圧試験の不適切行為 <リスク評価> 【印加電圧・時間の不正】 (中略) 工場試験で不正があった試験条件は、規格要求を満足しておらず、契約上の問題はあるが、電技解釈要求耐電圧は満足しており、通常の使用状態において、この不適切行為を起因とした絶縁破壊の発生はないと考える。 4.報告対象の不適切事象 「温度上昇試験」(1/2) A 温度上昇試験の不適切行為 試験目的 変圧器を定格電圧・定格容量で使用した際の巻線の周囲温度に対する温度上昇値を測定し、各規格で要求される温度上昇限度内であることを確認する。 試験内容 変圧器に定格の電力を流した時に、巻線と鉄心からの発熱によって温められた絶縁油と巻線の温度上昇を測定し、規格(JEC2200)で規定される温度上昇限度以下であることを確認する。 不適切概要 規格で規定された温度上昇値を超える実測値であったが、規格限度内の数値を成績書に記載した。 <電技解釈要求> (中略) 4.報告対象の不適切事象 「温度上昇試験」(2/2) A 温度上昇試験の不適切行為 <リスク評価> (中略) 5.現時点での変圧器の健全性確認(報告対象の変圧器) B 現時点での変圧器の健全性確認 (中略) 6.まとめ ◆ 三菱電機製の特別高圧以上の一部の変圧器において不適切行為が報告されており、原子力発電所へも納入されていることを確認している。 ◆ これら不適切行為のあった変圧器について、規格要求通りの試験が実施されておらず、契約上の問題があることが確認されているが、電技解釈が要求する技術的要件は満足していることを確認している。 ◆ また、これまでに、これら不適切行為が起因となった事故が発生していないことを確認している。 ◆ 現時点での健全性確認のため、経済産業省の指示文書に従い、健全性評価の報告対象となる変圧器については、不適切行為判明後に油中ガス分析等(令和3年度以降の分析結果がある場合はその結果の確認)を実施し、問題ないことを確認している。 ◆ 上記より、原子力発電所の安全性に影響はないと判断している。 |
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