[2024_04_25_10]福島第一原子力発電所 所内電源A系停止と負傷者発生について(続報)(東京電力2024年4月25日) |
参照元
04:00 < 参 考 資 料 > 2024年4月25日 東京電力ホールディングス株式会社 福島第一廃炉推進カンパニー 福島第一原子力発電所 所内電源A系停止と負傷者発生について(続報) ・4月24日午前10時43分頃、所内電源A系が停止しました。 ・各プラントの安定状態を維持する機能(原子炉注水、使用済燃料プール冷却、原子炉格納容器ガス管理設備等)は運転を継続しており、モニタリングポスト、敷地境界連続ダストモニタのパラメータについても有意な変動は確認されておりません。その後、所内電源については、当該事故点を除き、同日、午後4時3分頃に復旧を完了しております。 ・放出中のALPS処理水希釈放出設備については、所内電源A系の停止に伴い自動で放出を停止しましたが、ALPS処理水希釈放出設備に異常は確認されなかったことから、同日、午後5時16分にALPS処理水希釈放出設備の運転を再開しております。 ・所内電源A系が停止した同時刻に、構内の大型機器点検建屋西側において、掘削作業(コンクリート舗装面(表層)の剥がし作業)に従事していた協力企業作業員の負傷が確認されております。現場状況を確認したところ、当該掘削作業によりケーブルが損傷し、所内電源A系が停止したものです。 ・負傷者については意識があり、また、放射性物質による汚染はありません。発電所構内の入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受け、緊急搬送の必要があると診断されたことから、午前10時57分に救急車を要請し、医療機関へ搬送しました。診断の結果、「右頬部・右前腕2度熱傷」と診断されており、入院はせず帰宅しております。 <参考> ・4月24日午前10時43分頃に発生した所内電源A系の停止に伴い、免震重要棟M/C(メタクラ)の電圧がなくなったことから、午前10時43分に実施計画第1編第29条で定める運転上の制限「免震重要棟の維持に必要な交流高圧電源母線が受電されていること」の逸脱を判断しました。なお、免震重要棟電源については、午前10時43分に免震重要棟ガスタービン発電機が自動起動し、午前11時30分現場にて免震重要棟M/C母線電圧確立を確認したことから、運転上の制限逸脱からの復帰を判断しております。 ・同日午後2時23分頃、所内電源A系の電源復旧作業の過程において、免震重要棟の電源が喪失したことから、午後2時23分に実施計画第1編第29条で定める運転上の制限「免震重要棟の維持に必要な交流高圧電源母線が受電されていること」の逸脱を判断しました。なお、免震重要棟の電源については、午後2時43分に所内共通M/C5Aより免震重要棟M/Cを受電し母線電圧確立を確認したことから、午後2時43分運転上の制限逸脱からの復帰を判断しております。 1.工事概要 2.時系列 3月18日 ・当社の安全事前評価を実施 3月25日 ・元請企業の事前検討会と現場総点検 4月8日 ・準備作業含め当該箇所作業開始 4月24日 9:30頃 ・ハンドホールのコンクリート舗装面(表層)剥がし作業開始 10:43頃 ・所内共通M/CA系ケーブル損傷に伴う所内共通M/C1A停止 ※電源停止(免震重要棟M/C、M/C3A、5A、7A) ALPS処理水希釈放出設備(移送設備)停止 ・アークによる被災 11:34頃 ・入退域管理棟救急医療室から病院へ搬送 16:03頃 ・電源復旧完了 17:16頃 ・ALPS処理水放出再開 19:45頃 ・診断結果「右頬部、右前腕2度熱傷」入院なし 3.事実関係 【当日の作業状況】 ・当日は、コンクリート舗装面(表層)の剥がし作業を行う計画であり、作業班(作業班長1名、作業員3名の体制)は、要領書に従い実施していた。 ・当該剥がし箇所(ハンドホール近接部)は、コンクリート舗装面と、埋設管路とハンドホールを固定しているコンクリート部とが一体構造となっていた。 ・このため、当該作業班は、埋設管路とハンドホールを固定しているコンクリート部まで剥がし作業を継続した結果、埋設管路及びケーブルの損傷に至った。 ・当社及び当該元請企業は、事前の現場確認にて、埋設管路及び充電されたケーブルが布設されていることは認識していた。 ・当社は、当該工事全体としてはケーブル損傷リスクがあることは認識しており、当日の作業はコンクリート舗装面(表層)の剥がし作業であり、ケーブルを損傷させることはないと考えていた。したがって、作業班に対して具体的な注意喚起を徹底するよう、元請企業に指示していなかった。 ・当該元請企業も、当社と同様に考えていたため、作業班に対して具体的な注意喚起を徹底していなかった。 4.本事案の問題と対策について □当社の問題点 ・当社は、今回のコンクリート舗装面(表層)の剥がし作業において、ケーブルを損傷させることがないと考え、作業班に対して具体的な注意喚起を徹底するよう、元請企業に指示していなかった。 <対策> ・当社は、充電部近接作業(※)に関するリスク評価において、事前の現場確認を踏まえた作業班に対する具体的な注意喚起事項を抽出し、元請企業に対して作業班全員への周知徹底を指示する。 ・充電部近接作業については、その内容によらず、ケーブル損傷に至るリスクがあるという前提でリスク評価を行い、停電作業の要否や作業計画の見直しも含めて検討・実施する。 ・充電部近接作業については、作業前に現場確認を行った上で実施するとともに、たとえ今回のようなコンクリート舗装面(表層)の剥がし作業においても、当社が立ち会うこととする。 ・当社は、元請企業の対策の実施状況を確認する。 □当該元請企業の問題点 ・当該元請企業も、ケーブルを損傷させるリスクがあることを、作業班に対して具体的な注意喚起を徹底していなかった。 <対策> ・当社によるリスク評価や指示に基づき、当該元請企業は、事前の現場確認を踏まえて、日々の作業毎に具体的な注意喚起事項を決めるともに、作業班に対して、TBM-KY、現地KYを通じ、伝えることを徹底する。 (※)充電部近接作業:充電された高圧電路などの近くで行う作業のこと <参考>福島第一原子力発電所構内図 |
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