| [2025_11_04_01]米国防長官、韓国の原潜導入「積極的に支援」 30年代後半に進水計画(日経新聞2025年11月4日) |
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17:44 【ソウル=小林恵理香】韓国を訪問中のヘグセス米国防長官と韓国の安圭伯(アン・ギュベク)国防相は4日、ソウルで米韓定例安保協議を開いた。ヘグセス氏は協議終了後の記者会見で、韓国の原子力潜水艦導入を巡り「積極的に支援する」と述べた。 ヘグセス氏は「両国が善意を持って引き続き討論し、肯定的な結果を導くと確信する」と強調した。「米政府は(韓国と)潜水艦だけでなく水上艦、戦闘艦など多様な分野で協力を強化することを望んでいる」とも話した。 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は10月29日の米韓首脳会談で、北朝鮮と中国の潜水艦を追跡するため、原子力潜水艦の自国開発に理解を求めた。トランプ米大統領は承認すると表明した。韓国は現在、ディーゼル潜水艦しか持っていない。 韓国メディアの報道によると、政府は4日の国務会議(閣議)で米国との協議で原潜の燃料を確保できる場合、2030年代後半にも原潜の進水が可能だとの見方を示した。建造に向けて政府内にタスクフォースも設置する方針だ。 ヘグセス氏はトランプ氏が韓国の原潜建造を承認した理由について「韓国の自衛能力だけでなく、米韓同盟にも資するという確信を持ったのだろう」と語った。 米国の原潜は高濃縮ウランを燃料として使うが、韓国側には核燃料を巡る制約がある。米韓原子力協定は韓国にウラン濃縮や原子力発電所で出た使用済み核燃料の再処理を禁じる。米国との協議を条件として研究目的での再処理や20%未満の低濃縮ウランの生産は許されている。 高濃縮ウランや使用済み核燃料を再処理して得られるプルトニウムは核兵器の材料として軍事転用も可能となる。韓国は過去にも再処理の容認を米国に求めたことがあるが、北朝鮮や中国など周辺国の反発も予想され、議論は進まなかった。 在韓米軍の東アジア地域での役割拡大や国防費の増額、事実上米軍が握っている有事の際の韓国軍の作戦統制権についても協議の議題となったもようだ。米国は米韓同盟の機能を対北朝鮮だけでなく東アジア全体を視野入れて拡大したいとの意向を示す。 ヘグセス氏は米韓同盟に基づいた協力を推進するとしつつ、「域内のいかなる非常事態にも対処できる柔軟性の向上が必要な状況だ」と主張した。「対北朝鮮の防衛では韓国が主導的な役割を果たすことになる」とも言及した。 米韓定例安保協議は年に1度開き、今回で57回目を迎えた。ヘグセス氏は3日に安氏とともに韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店の共同警備区域を訪問した。4日には米韓連合軍司令部が所在する米軍基地キャンプ・ハンフリーを訪れる。 |
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