[2024_01_23_09]2024年能登半島地震〜対応の遅さは現政権の姿勢 2011年3月11日東日本大震災時の対応と比較して 政権がどれだけ国民の立場に立っているかの違いではないか 上岡直見(環境経済研究所代表)(たんぽぽ2024年1月23日)
 
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2024年能登半島地震〜対応の遅さは現政権の姿勢 2011年3月11日東日本大震災時の対応と比較して 政権がどれだけ国民の立場に立っているかの違いではないか 上岡直見(環境経済研究所代表)

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◎ 今回の能登半島地震に際して、原発の問題とは別に、救援が遅いという批判が寄せられている。
 これに対して地形の影響などさまざまに正当化する説明がネットなどで流されている。
 しかし今回と比べると、2011年3月11日、東日本大震災の時の民主党政権にも批判される点があったとしても、スピード感としてはるかに優れていたのではないか。

◎ 東日本大震災では、発災直後に大畠国交相(民主党政権)から東北地方整備局長に対して「省庁の枠、予算の枠は気にせず、必要なことは何でもやってよい。大臣にも次官にも相談の必要はない」と指示された。
 これを受けて整備局長は、自治体に対して「自分のことは整備局長と思わず、ヤミ屋のおやじと思ってくれ」という文書を送るなど、通常の業務の枠を越えた自治体に対する支援活動が記録されている。(※)
 今回の能登半島地震ではそういう動きがさっぱり聞こえてこない。

◎ その結果、東日本大震災では「くしの歯作戦」が迅速に実施された。東北地方を南北に縦貫する東北自動車道・国道四号線を「くしの柄」と見立て、これから東西方向に向かう各道路を「くしの歯」としてその啓開を目指したものである。
 「復旧」と言わず「啓開」というのは、もとに戻す「復旧」ではなく、ともかく片車線で緊急車両が通過できる程度の作業を優先するためである。

◎ 縦貫ルートについては、発災翌日の3月12日早朝までには緊急車両の通行が可能な程度までの仮復旧ができた。次に東西方向へは、3月12日までに東西方向の16ルートのうち11ルート、3月15日までには15ルートが啓開された。
 しかし福島県の一部ルート(国道114号, 288号, 459号)は、せっかく啓開したのに福島第一原発事故のため使えなくなった。

◎ 今回の能登半島地震は地理的条件など異なる部分があるとしても、スピード感に欠けることは否定できない。それは政権がどれだけ国民の立場に立っているかの違いではないだろうか。

(※)「[東日本大震災]の対応について」日本交通政策研究会
   日交研シリーズB-149, 2011年12月
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