[2024_01_21_09]「何とかなると…」 地震想定を見直さなかった石川県の「思い込み」(毎日新聞2024年1月21日)
 
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「何とかなると…」 地震想定を見直さなかった石川県の「思い込み」

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 能登半島地震で被災した石川県の津波と地震の被害想定が大きく食い違っていることが明らかになった。地震だけ見直しが見送られ続けてきたためだ。今回の地震を起こした海底活断層は長年、その存在が指摘されてきた。見送りにどんな事情があったのか。

<スクープ> 石川県、M7.0地震想定、四半世紀見直さず 津波は震災後に変更
 なぜ、石川県は地震想定を四半世紀見直さなかったのでしょうか。検証しました(全2回の1回、2回につづく)。

第1回・「何とかなると…」 地震想定を見直さなかった石川県の「思い込み」
第2回・能登半島は「空白地帯」 地震調査委、活断層評価が後手に
【図解】 能登半島の活断層 群発地震のイメージ

 「家が潰れたかと思った。ここまで大きい地震は想定外。『すぐ避難』以外に備えは考えていなかった。行政からの注意喚起みたいなものは印象にないし、学者さんも慎重な物言いが多い」
 輪島市の自宅で被災した、地域の町内会長を務める山崎達司さん(66)はこう漏らした。
 能登半島では、北部の珠洲市を中心に2020年12月から群発地震が起きていた。しかしこれほどの大地震は、多くの住民にとって想定外だったといえる。
 では、県はどう備えていたのか。23年5月に更新された県の地域防災計画に、こんな記述がある。
 「県は、平成7(1995)年度から3年計画で、地震災害を予測するため調査を実施した。成果を基礎資料として活用する」
 つまり95〜97年度に県が行った調査を、いまだに地震想定に使い続けているのだ。
 それによると、能登北方沖に想定した震源断層は長さ50キロ、地震規模はマグニチュード(M)7・0だ。今回の能登半島地震の震源断層(長さ約150キロ、M7・6)よりもさらに北へ離れており、エネルギーも約8分の1に過ぎない。(後略)

KEY_WORD:能登2024-石川県-揺れ想定-97年度から見直しせず_:NOTOHANTO-2024_: