[2024_01_10_02]令和6年能登半島地震における原子力施設等への影響及び対応(原子力規制庁2024年1月10日)
 
参照元
令和6年能登半島地震における原子力施設等への影響及び対応

 04:00
資料1

 令和6年能登半島地震における原子力施設等への影響及び対応

 令和6年1月10日
 原子力規制庁

1.趣旨
 本議題は、令和6年能登半島地震における原子力施設等への影響及び対応を報告するものである。

2.経緯等
 令和6年能登半島地震では、令和6年1月1日(月)及び6日(土)に原子力事業所の所在市町村である石川県志賀町において震度6弱以上が観測され警戒事態に至ったことから、原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同警戒本部(以下「警戒本部」という。)を設置し、北陸電力株式会社志賀原子力発電所(以下「志賀原子力発電所」という。)、東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所(以下「柏崎刈羽原子力発電所」という。)等を対象に情報収集や関係機関への情報共有、対外的な情報発信等の対応を行った。

 志賀原子力発電所に対する警戒本部の主な対応は以下のとおり。
 令和6年1月1日(月)
 16:10 石川県能登地方を震源とする地震発生(志賀町;震度7)
 16:19 志賀原子力発電所に係る原子力規制委員会・内閣府事故合同警戒本部を設置
 16:22 石川県能登において大津波警報を気象庁が発表
 16:26 志賀原子力発電所に係る原子力規制委員会・内閣府事故合同現地警戒本部を設置
 16:49 原子炉の「止める・冷やす・閉じ込める」の機能及び使用済燃料の「冷却」の状態に異常がないことを確認
 20:30 大津波警報を津波警報に気象庁が切り替え
 21:50 志賀原子力発電所に係る原子力規制委員会・内閣府事故合同警戒本部を廃止

 令和6年1月6日(土)
 23:20 石川県能登地方を震源とする地震発生(志賀町;震度6弱)
 23:41 志賀原子力発電所に係る原子力規制委員会・内閣府事故合同警戒本部を設置
 23:50 志賀原子力発電所に係る原子力規制委員会・内閣府事故合同現地警戒本部を設置

 令和6年1月7日(日)
 0:09 原子炉の「止める・冷やす・閉じ込める」の機能及び使用済燃料の「冷却」の状態に異常がないことを確認
 0:20 志賀原子力発電所に係る原子力規制委員会・内閣府事故合同警戒本部を廃止

 3.地震による原子力施設への主な影響(別紙1参照)

 (1)志賀原子力発電所(志賀町;震度7)
 【止める・冷やす・閉じ込める機能】
 @止める
 (1号機)定期検査により停止中
 (2号機)定期検査により停止中

 A冷やす
 (1号機)
  ○使用済燃料プール冷却浄化系ポンプが地震直後にトリップしたが、16 時49 分頃に再起動し使用済燃料プールの冷却を維持。
  ○使用済燃料プールのスロッシングにより溢水が発生したが、管理区域外への漏えいもなく、プールの水位及び冷却機能に異常なし。
 (2号機)
  ○使用済燃料プールのスロッシングにより溢水が発生したが、管理区域外への漏えいもなく、プールの水位及び冷却機能に異常なし。

 B閉じ込める
  ○排気筒モニタ及びモニタリングポストの値に異常なし。

 【電源】
 (1号機)
  ○外部電源を志賀原子力線(275kV)から受電していたところ、起動用変圧器からの油漏えいにより赤住線(66kV)に手動で切り替え、受電を維持
  ○非常用ディーゼル発電機3台が待機中。
  ○2号機予備電源変圧器を経由した275kV からの受電及び2号機からの電源融通のためのタイラインを点検実施済み。
 (2号機)
  ○外部電源を志賀中能登線(500kV)から受電していたところ、主変圧器の油漏えいにより志賀原子力線(275kV)に自動切り替え、受電を維持。
  ○非常用ディーゼル発電機2台が待機中(もう1台は点検中)。
  ○大容量電源車1台が待機中(もう1台は点検中)。
  ○1号機からの電源融通のためのタイラインを点検実施済み。
  ※北陸電力は、仮に電源が喪失した場合の使用済燃料プール水温については、65℃に到達するまで1号機では8日間、2号機では14 日間、100℃到達まで1号機では17 日間、2号機では29 日間それぞれ要すると推定している。

 【その他】
 @変圧器からの油漏れ
 (1号機)
  ○起動変圧器からの油漏れが確認されたが、漏れた絶縁油は堰内に収まっており、1月2日に全量を回収済み。
 (2号機)
  ○主変圧器からの油漏れが確認されたが、漏れた絶縁油は堰内に収まっており、1月5日に全量を回収済み。
  ○1月7 日の詳細点検において、主変圧器周辺の側溝及び道路並びに発電所敷地前面の海面上に油膜が浮いていることが確認され、中和剤による油膜の処理を実施済み。
  ○主変圧器については、当初、火災と報告されたが、その後の現場調査で火災ではなかったことを確認。

 A取水槽内の海水面の上昇
  ○2号機取水槽内の海水面が通常より約3メートル上昇していたことが確認された。当該海水面上昇は、海底トンネルの取水路を経た取水槽での水位上昇であり、実際の海表面での津波高さを測定したものではなく、現在詳細調査中。

 B発電所構内の状況
  ○物揚場コンクリート舗装部に沈下が確認されたため、今後詳細に調査、補修予定。
  ○1号機放水槽及び1号機補機冷却排水連絡槽防潮壁の基礎に沈下並びにこれに伴う防潮壁の傾きを確認。倒壊の恐れはないが今後補修予定。
  ○高圧電源車のアクセスルートに段差が確認されたため、今後補修予定。高圧電源車の運用に支障なし。

 【今後の対応】
  ○1 号機起動変圧器及び2号機主変圧器の油漏れについては、現在、北陸電力が原因調査中(復旧時期は未定。)
  ○非常用ディーゼル発電機等の長期間運転に備えた燃料の確保について準備中(現時点で7 日分保有)
  ○送電設備の点検の結果、1月5日に赤住線鉄塔のジャンパ線や碍子に損傷が確認されたことから、この点検のため、2号機予備電源変圧器を経由した志賀原子力線(275kV)からの受電に切り替えを、準備が出来次第実施予定

 (2)柏崎刈羽原子力発電所(柏崎市;震度5強)
 【止める・冷やす・閉じ込める機能】
 @止める
  ○1〜7号機定期検査により停止中
 A冷やす
  ○2〜4,6,7号機使用済燃料プールのスロッシングにより溢水が発生したが、管理区域外への漏えいもなく、全号機の使用済燃料プールの水位及び冷却機能に異常なし
 B閉じ込める
  ○排気筒モニタ及びモニタリングポストの値に異常なし

 4.原子力施設で観測された地震動(別紙2参照)
 (1)志賀原子力発電所
 北陸電力からの報告によると、観測された地震動の加速度応答スペクトルは、一部周期帯において、設計上考慮している加速度(*1)(Ss-1)をわずかに上回っていることを確認したとしている。ただし、該当周期帯に固有周期を持つ安全上重要な施設はないとしている。

 (2)柏崎刈羽原子力発電所
 東京電力ホールディングスからの報告によると、観測された地震動の加速度応答スペクトルは、すべての周期帯において、設計上考慮している加速度(*2)を下回っていることを確認したとしている。

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 (*1) 耐震バックチェック時の数値
 (*2) 1〜5号機については耐震バックチェック時の数値、6,7号機については新規制基準適合性審査における数値
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 5.原子力施設周辺のモニタリングポストの状況
 (1)志賀原子力発電所(別紙3参照)
 志賀原子力発電所周辺のモニタリングポスト116局のうち、一時期、主に発電所北側15km以遠の18 局が欠測した。その後、徐々に欠測箇所は減少し、令和6年1月9日18:00 時点で欠測しているポストは、7局であり、そのうち3局においては、可搬型モニタリングポストが設置済。現場確認の結果や通信の回復状況から、主に通信による不具合が欠測の原因と推測している。現在、石川県において、測定できているモニタリングポストも含めて、順次、現地確認、燃料補給等を継続しているところ。なお、原子力規制庁は、念のため航空機モニタリングについても準備をしている。

 (2)柏崎刈羽原子力発電所
 柏崎刈羽原子力発電所周辺のモニタリングポストについては、令和6年能登半島地震の影響により欠測しているポストはない。

 6.原子力規制庁の今後の対応
 (1)志賀原子力発電所
 北陸電力による施設の故障の原因究明や復旧作業について、原子力規制検査を通じて確認していく。また、新規制基準適合性審査においては、令和6年能登半島地震に関する知見の反映内容についても確認していく。
 (2)モニタリングポストの復旧等
 志賀原子力発電所周辺のモニタリングポストについては、石川県において、引き続き、道路状況を鑑みながら、欠測原因の把握や復旧等に取り組んでいるところであり、必要な支援や情報収集を行いつつ、得られた情報を踏まえ、通信の信頼性向上など今後の放射線監視体制の改善に取り組んでいく。

 <添付資料>
 別紙1:令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所の影響について(北陸電力株式会社面談資料の抜粋)
 別紙2:志賀原子力発電所及び柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較
 別紙3:志賀原子力発電所周辺のモニタリングポストの状況


 別紙1
 2024 年1 月4 日
 北陸電力株式会社

 石川県能登地方で発生した地震による志賀原子力発電所の影響について

 2024 年1 月1 日16 時10 分、石川県能登地方で震度7(マグニチュード7.6、震源深さ16 q)の地震が発生し、志賀町において震度7(1号機原子炉建屋地下2階震度5強、399.3 ガル)を観測した。
 志賀原子力発電所は、1、2号機とも定期検査により停止中であり、外部電源や必要な監視設備、冷却設備等については機能を確保しており、これまでの点検において、安全上問題となる被害は確認されていない。
 発電所に設置しているモニタリングポストの数値に変化はなく、外部への放射能の影響はない。

 本件についてこれまで以下の通り4回のプレス公表を実施している。
 第一報:2024 年1 月1 日20 時00 分 公表
 第二報:2024 年1 月2日11 時00 分 公表
 第三報:2024 年1 月2日20 時45 分 公表
 第四報:2024 年1 月3日20 時00 分 公表
 現在までに確認されている被害の主なものは以下の通り。

 1.主要なもの
 (1)1号機
 a.使用済燃料貯蔵プール水の飛散(添付資料1)(第一、二報)
地震に伴い、原子炉建屋4階において、使用済燃料貯蔵プール水の床面への飛散が発生した。それに伴い、一時的に燃料プール冷却浄化系ポンプが停止したが、1 月1 日16 時49 分に再起動した。なお、飛散したプール水のふき取りは完了している。
 ・飛散した量:約95 リットル
 ・放射能量 :約17,100Bq
 ・放射能量が3.7×106Bq 未満のため実用炉則第134 条第10 号に非該当

 b.起動変圧器からの油漏れ及び放圧板の動作、噴霧消火設備の起動(添付資料2、3)(第一、二報)
 ・当該変圧器からの油漏れがあることを確認したことから、1 月1 日19 時23 分に代替の予備電源変圧器への切り替え操作を実施した。
 ・当該変圧器の現場確認を行い、変圧器の絶縁油が約3,600 リットル漏れていると推定したが、絶縁油は堰内に収まっており、外部への影響はない。なお、漏えいした油のドラム缶への回収は完了しており(1月2日16 時47 分完了)、最終的な回収量は4,200 リットルとなった(雨水及び噴霧消火の水を含む)。

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 令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所の影響について
 [令和6年1月4日 北陸電力株式会社面談資料 抜粋]
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 ・なお、地震発生時に当該変圧器の放圧板の動作及び噴霧消火設備を手動起動したことを確認した。放圧板が動作した原因等は調査中である。また、火災の発生は確認されていない。
 ・原子力発電工作物に係る電気関係報告規則第3条第4号に該当

 c.主変圧器及び所内変圧器放圧板の動作
 ・主変圧器及び所内変圧器の放圧板の動作を確認したが、緊急時の使用には支障がないことを確認した。

 (2)2号機
 a.使用済燃料貯蔵プール水の飛散(添付資料4)(第二報)
 ・飛散した量:約326 リットル
 ・放射能量 :約4,600Bq
 ・放射能量が3.7×106Bq 未満のため実用炉則第134 条第10 号に非該当

 b.主変圧器からの油漏れ及び噴霧消火設備の起動、放圧板の動作(添付資料2、5)(第一、二報)
 ・当該変圧器の放圧板の動作及び噴霧消火設備の起動を確認した。またこれにより、自動的に予備電源変圧器へ切り替わった。
 ・当該変圧器の現場確認を行い、変圧器の絶縁油が漏れていることを確認したが、絶縁油は堰内に収まっており、外部への影響はないことを確認した。なお、当初は変圧器コンサベータ(油劣化防止装置)に設置されている油レベル計が0を示していたことから、漏えい量を約3,500 リットルと推定していたが、実際には冷却器配管及び変圧器本体上部の油も漏えいしていたことから、最終的には約20,000 リットルとなる見込み。
 ・噴霧消火設備の起動及び放圧板が動作した原因等は調査中であるが、油中ガス分析の結果アセチレンが検出されており、内部短絡が起きた可能性がある。なお、火災の発生は確認されていない。
 ・漏えいした油については現在ドラム缶への回収に着手している。
 ・原子力発電工作物に係る電気関係報告規則第3条第4号に該当

 2.その他
 (1)1号機
 〇管理区域内
 a.タービン補機冷却水系サージタンクの水位低下(添付資料6)(第二報)
原子炉建屋、タービン建屋の換気空調系の冷却コイルから冷却水が漏洩し、水位が低下していることを確認した。漏えい箇所を特定し、弁等を閉止することにより漏えいは停止した。

 〇管理区域外
 a.構内状況
 (a)物揚場コンクリート舗装部の段差発生
物揚場のコンクリート舗装部において、地震の影響により段差が発生していることを確認した。今後、詳細に状況を確認し補修する予定。
 (b) 放水槽防潮壁の傾き(添付資料7)(第三報)
放水槽の周囲(全周約108m)に津波対策として設置した鋼製の防潮壁(高さ4m)の南側壁が、地震の影響により数cm 程度傾いていることを確認したが、その他の側壁は健全であり、倒壊する恐れはない。
 (c) 高圧電源車アクセスルートの段差発生
高圧電源車のアクセスルートに3箇所段差の発生を確認したが、通行には支障なし。今後、詳細に状況を確認し補修する予定。

 b.1、2号機 廃棄物処理建屋エキスパンションジョイントシールカバ
ーの脱落(添付資料8)(第三報)
 1号機廃棄物処理建屋と2号機廃棄物処理建屋を接続するゴム製のシール部材(エキスパンション)を覆う金属製のカバーが脱落していることを確認した。シール部材自体に損傷がないことから、外部への放射能等の影響はない。

 c.純水タンク水位低下(第三報)
 発電所の冷却水の補給用に使用している純水を貯蔵するタンクにおいて、毎分7.3 リットル程度(438 リットル/時)の水位の低下があることを確認した。
 同タンクは補給用に使用するものであり、漏えい量は純水の製造能力(20,000 リットル/時)に比べてわずかであることから、発電所の冷却機能には影響はない。
 漏えい箇所については現在調査中。
 なお、使用済燃料貯蔵プールの補給等には他のタンクの水を使用しており、使用済燃料貯蔵プールの冷却機能に影響はない。

 (2)2号機
 〇管理区域内
 a.低圧タービンにおける「伸び差大」警報発生(添付資料9)(第二報)
 地震による揺れにより、「伸び差大」の警報が発生したものと想定される。スラスト軸受に過剰な力が加わりタービン翼が損傷した可能性が高いため、今後タービン内部の点検を実施予定である。

 b.使用済燃料貯蔵プール落下物(添付資料10)(第三報)
 使用済燃料貯蔵プール内に保管してあった原子炉冷却材再循環ポンプの検査装置の一部が使用済燃料貯蔵プールの底部に落下していることを確認した。
落下物については、再循環ポンプインペラ点検装置の一部であり、いずれも燃料から離れた位置(約4m)に落下していることから燃料貯蔵プール内の燃料に影響はない。

 〇管理区域外
 a.励磁電源変圧器※の油漏れ(添付資料2、11)(第四報)
当該変圧器の現場確認を行い、変圧器の絶縁油が約100 リットル(推定)漏れていることを確認した。また、絶縁油は堰内に収まっており、外部への影響はない。なお、漏れた油は、変圧器上部に設置された放圧弁の動作により導油管を通じて排出されたものと推定している。
※発電に必要な磁束を発生させる発電機のコイル(励磁装置)に電源を供給するための変圧器

 b.取水槽内の海水面の上昇(添付資料12)(第四報)
 1月1日の発電所のデータを改めて確認したところ、17 時45 分頃、取水槽内の海水面が通常より約3メートル上昇していたことを確認した。これは海底トンネルの取水路を経た取水槽での水位上昇であり、海表面での正確な津波高さを測定しているものではない。また、発電所の敷地高さ11 メートルの地点に高さ4メートルの防潮堤・防潮壁を設置しており、発電所の設備への影響はなかった。

 添付資料1 1号機 使用済燃料貯蔵プール水の飛散範囲
 添付資料2 1、2号機 単線結線図
 添付資料3 1号機 起動変圧器油漏れ概要図
 添付資料4 2号機 使用済燃料貯蔵プール水の飛散範囲
 添付資料5 2号機 主変圧器油漏れ概要図
 添付資料6 1号機 タービン補機冷却水系サージタンクの水位低下概要図
 添付資料7 1号機 放水槽防潮壁の傾き
 添付資料8 1、2号機 廃棄物処理建屋エキスパンションカバー脱落
 添付資料9 2号機 蒸気タービン概要図(低圧タービン伸び差大)
 添付資料10 2号機 使用済燃料貯蔵プール落下物
 添付資料11 2号機 励磁電源変圧器の油漏れ
 添付資料12 令和6年能登半島地震時に志賀原子力発電所で検出した取水槽での水位上昇について
 添付資料13 志賀原子力発電所における敷地内地盤の調査状況

   志賀原子力発電所における敷地内地盤の調査状況

 現時点で確認できている敷地内地盤の調査結果は,以下の通り

 物揚場コンクリート舗装部に最大約35 pの段差(迂回することで通行可)(別紙1)
 1号機防潮壁の基礎地盤に数pの空隙(別紙2)【既報】
 高圧電源車アクセスルート3か所に数pの段差(迂回することで通行可)(別紙3)
 1号機補機冷側連絡通路付近の道路に数pの空隙(別紙4)

 令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所の影響について(第5報)
 2024 年1 月5 日
 北陸電力株式会社

 添付資料1 2号機主変圧器 漏油量想定について
 添付資料2 1号機 所内変圧器の放圧板動作 概要図
 添付資料3 1号機 主変圧器の放圧板動作 概要図
 添付資料4 1、2号機 単線結線図
 添付資料5 物揚場埋立部の舗装コンクリート沈下 概要図
 添付資料6 1号機 放水槽及び1号機 補機冷却排水連絡槽防潮壁の基礎の沈下 概要図
 添付資料7 1号機 高圧電源車使用箇所付近の段差 概要図

 別紙1 これまでお知らせした点検内容

 別紙1 志賀原子力発電所外部電源被害状況概要図
 別紙2 志賀原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較
     柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(6号機)
     柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(1・5号機)
     柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(2・3号機)
     柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(4号機)

 図 放射線モニタリング情報共有・公表システム(RAMIS)1 月9日18:00 時点

以 上
 1号機_使用済燃料貯蔵プール水の飛散(添付資料1)(第一、二報)_P11  [TOP]
 
地震に伴い、原子炉建屋4階において、使用済燃料貯蔵プール水の床面への飛散が発生した。それに伴い、一時的に燃料プール冷却浄化系ポンプが停止したが、1 月1 日16 時49 分に再起動した。なお、飛散したプール水のふき取りは完了している。
 ・飛散した量:約95 リットル
 ・放射能量 :約17,100Bq
 ・放射能量が3.7×106Bq 未満のため実用炉則第134 条第10 号に非該当
 

 
 起動変圧器からの油漏れ及び放圧板の動作、噴霧消火設備の起動(添付資料2)(第一、二報)_P12  [TOP]
 
 ・当該変圧器からの油漏れがあることを確認したことから、1 月1 日19 時23 分に代替の予備電源変圧器への切り替え操作を実施した。
 ・当該変圧器の現場確認を行い、変圧器の絶縁油が約3,600 リットル漏れていると推定したが、絶縁油は堰内に収まっており、外部への影響はない。なお、漏えいした油のドラム缶への回収は完了しており(1月2日16 時47 分完了)、最終的な回収量は4,200 リットルとなった(雨水及び噴霧消火の水を含む)。
 ・なお、地震発生時に当該変圧器の放圧板の動作及び噴霧消火設備を手動起動したことを確認した。放圧板が動作した原因等は調査中である。また、火災の発生は確認されていない。
 ・原子力発電工作物に係る電気関係報告規則第3条第4号に該当
 

 
 1号機_起動変圧器油漏れ概要図(添付資料3)(第一、二報)_P13  [TOP]
 
 ・当該変圧器からの油漏れがあることを確認したことから、1 月1 日19 時23 分に代替の予備電源変圧器への切り替え操作を実施した。
 ・当該変圧器の現場確認を行い、変圧器の絶縁油が約3,600 リットル漏れていると推定したが、絶縁油は堰内に収まっており、外部への影響はない。なお、漏えいした油のドラム缶への回収は完了しており(1月2日16 時47 分完了)、最終的な回収量は4,200 リットルとなった(雨水及び噴霧消火の水を含む)。
 ・なお、地震発生時に当該変圧器の放圧板の動作及び噴霧消火設備を手動起動したことを確認した。放圧板が動作した原因等は調査中である。また、火災の発生は確認されていない。
 ・原子力発電工作物に係る電気関係報告規則第3条第4号に該当
 

 
 2号機_使用済燃料貯蔵プール水の飛散(添付資料4)(第二報)_P14  [TOP]
 
 a.使用済燃料貯蔵プール水の飛散(添付資料4)(第二報)
 ・飛散した量:約326 リットル
 ・放射能量 :約4,600Bq
 ・放射能量が3.7×106Bq 未満のため実用炉則第134 条第10 号に非該当
 

 
 2号機_主変圧器油漏れ概要図(添付資料5)(第一、二報)_P15  [TOP]
 
 ・当該変圧器の放圧板の動作及び噴霧消火設備の起動を確認した。またこれにより、自動的に予備電源変圧器へ切り替わった。
 ・当該変圧器の現場確認を行い、変圧器の絶縁油が漏れていることを確認したが、絶縁油は堰内に収まっており、外部への影響はないことを確認した。なお、当初は変圧器コンサベータ(油劣化防止装置)に設置されている油レベル計が0を示していたことから、漏えい量を約3,500 リットルと推定していたが、実際には冷却器配管及び変圧器本体上部の油も漏えいしていたことから、最終的には約20,000 リットルとなる見込み。
 ・噴霧消火設備の起動及び放圧板が動作した原因等は調査中であるが、油中ガス分析の結果アセチレンが検出されており、内部短絡が起きた可能性がある。なお、火災の発生は確認されていない。
 ・漏えいした油については現在ドラム缶への回収に着手している。
 ・原子力発電工作物に係る電気関係報告規則第3条第4号に該当
 

 
 1号機_タービン補機冷却水系サージタンクの水位低下(添付資料6)(第二報)_P16  [TOP]
 
原子炉建屋、タービン建屋の換気空調系の冷却コイルから冷却水が漏洩し、水位が低下していることを確認した。漏えい箇所を特定し、弁等を閉止することにより漏えいは停止した。
 

 
 1号機_放水槽防潮壁の傾き(添付資料7)(第三報)_P17  [TOP]
 
放水槽の周囲(全周約108m)に津波対策として設置した鋼製の防潮壁(高さ4m)の南側壁が、地震の影響により数cm 程度傾いていることを確認したが、その他の側壁は健全であり、倒壊する恐れはない。
 

 
 1、2号機 廃棄物処理建屋エキスパンションジョイントシールカバーの脱落(添付資料8)(第三報)_P18  [TOP]
 
1号機廃棄物処理建屋と2号機廃棄物処理建屋を接続するゴム製のシール部材(エキスパンション)を覆う金属製のカバーが脱落していることを確認した。シール部材自体に損傷がないことから、外部への放射能等の影響はない。
 

 
 2号機_低圧タービンにおける「伸び差大」警報発生(添付資料9)(第二報)_P19  [TOP]
 
 地震による揺れにより、「伸び差大」の警報が発生したものと想定される。スラスト軸受に過剰な力が加わりタービン翼が損傷した可能性が高いため、今後タービン内部の点検を実施予定である。
 

 
 2号機_使用済燃料貯蔵プール落下物(添付資料10)(第三報)_P20  [TOP]
 
 使用済燃料貯蔵プール内に保管してあった原子炉冷却材再循環ポンプの検査装置の一部が使用済燃料貯蔵プールの底部に落下していることを確認した。
落下物については、再循環ポンプインペラ点検装置の一部であり、いずれも燃料から離れた位置(約4m)に落下していることから燃料貯蔵プール内の燃料に影響はない。
 

 
 2号機_励磁電源変圧器※の油漏れ(添付資料11)(第四報)P21  [TOP]
 
当該変圧器の現場確認を行い、変圧器の絶縁油が約100 リットル(推定)漏れていることを確認した。また、絶縁油は堰内に収まっており、外部への影響はない。なお、漏れた油は、変圧器上部に設置された放圧弁の動作により導油管を通じて排出されたものと推定している。
※発電に必要な磁束を発生させる発電機のコイル(励磁装置)に電源を供給するための変圧器
 

 
 取水槽内の海水面の上昇(添付資料12)(第四報)_P22  [TOP]
 
 1月1日の発電所のデータを改めて確認したところ、17 時45 分頃、取水槽内の海水面が通常より約3メートル上昇していたことを確認した。これは海底トンネルの取水路を経た取水槽での水位上昇であり、海表面での正確な津波高さを測定しているものではない。また、発電所の敷地高さ11 メートルの地点に高さ4メートルの防潮堤・防潮壁を設置しており、発電所の設備への影響はなかった。
 

 
 添付資料13 志賀原子力発電所における敷地内地盤の調査状況(添付資料13)_P23  [TOP]
 
 
 

 
 物揚場コンクリート舗装部に最大約35 pの段差(迂回することで通行可)(別紙1)_P24  [TOP]
 
 
 

 
 1号機防潮壁の基礎地盤に数pの空隙(別紙2)【既報】_P25  [TOP]
 
 
 

 
 高圧電源車アクセスルート3か所に数pの段差(迂回することで通行可)(別紙3)_P26  [TOP]
 
 
 

 
 1号機補機冷側連絡通路付近の道路に数pの空隙(別紙4)_P27  [TOP]
 
 
 

 
 添付資料1 2号機主変圧器 漏油量想定について_P30  [TOP]
 
 
 

 
 1号機_主変圧器 漏油量想定について(参考)_P31  [TOP]
 
 
 

 
 添付資料2 1号機 所内変圧器の放圧板動作 概要図_P32  [TOP]
 
 
 

 
 添付資料3 1号機 主変圧器の放圧板動作 概要図_P33  [TOP]
 
 
 

 
 添付資料4 1、2号機 単線結線図_P34  [TOP]
 
 
 

 
 添付資料5 物揚場埋立部の舗装コンクリート沈下 概要図_P35  [TOP]
 
・地震の影響で、物揚場中央の埋立部の舗装コンクリートが沈下し、外側の護岸(岩着構造物)との間に最大35cmの段差が発生した。
 

 
 添付資料6 1号機 放水槽及び1号機 補機冷却排水連絡槽防潮壁の基礎の沈下 概要図_P36  [TOP]
 
 
 

 
 添付資料7 1号機 高圧電源車使用箇所付近の段差 概要図_P37  [TOP]
 
 
 

 
 1号機:66kVより受電,2号機:275kVより受電(現在の受電状態)_P42  [TOP]
 
 
 

 
 別紙1 志賀原子力発電所外部電源被害状況概要図_P45  [TOP]
 
 
 

 
 別紙2 志賀原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較_P46  [TOP]
 
 
 

 
 柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(7号機)_P47  [TOP]
 
 
 

 
 柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(6号機)_P48  [TOP]
 
 
 

 
 柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(1・5号機)_P49  [TOP]
 
 
 

 
 柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(2・3号機)_P50  [TOP]
 
 
 

 
 柏崎刈羽原子力発電所における加速度応答スペクトルの比較(4号機)_P51  [TOP]
 
 
 

 
 図 放射線モニタリング情報共有・公表システム(RAMIS)1 月9日18:00 時点_P53  [TOP]
 
 
 

 
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