[2024_01_18_01]動いた断層は想定をはるかに超える 志賀原発は現在も断層のリスクが! 今や地殻変動のまっただ中の原発 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2024年1月18日)
 
参照元
動いた断層は想定をはるかに超える 志賀原発は現在も断層のリスクが! 今や地殻変動のまっただ中の原発 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 04:00
 私は昨日発信の【TMM:No4955】で次のように書いた。

引用
「 さらに福浦断層と平行するように沖合4kmほどには兜岩沖断層が、原発から北には今回の地震でも揺れの強度が変化した境目にある富来川南岸断層が存在し、これら断層は一連の地震活動で動く可能性がある。…」 引用終了

◎ 動いた富来川南岸断層

 今後の地震活動で動くかも、といった趣旨だったのだが、今回の地震活動で動いた可能性を指摘したのが、鈴木康弘名古屋大教授のチームだ。
 共同通信の記事「内陸の活断層、ずれ確認 志賀原発の北9キロ、能登地震」(1月16日)に以下の記載がある。

 「震源に近い石川県志賀町で「富来川南岸断層」とみられる地表のずれやたわみが長さ3キロ以上続いているのが見つかった。」

 これは16日の日本地理学会災害対応チームの調査で分かったという。
 「現地は北陸電力志賀原発の北約9キロ。北陸電はこの活断層の存在を否定していたが、2021年5月に原子力規制委員会に修正を申告。活動性が否定できないとして長さ9キロの活断層としている」
 志賀原発からわずか9キロで断層が動いたとしたら、原発の地盤にも影響を与えた可能性がある。

 実は、富来川南岸断層は敷地内を走るS−1断層などと繋がっており、仮に原発内の断層が活断層ではないと結論づけたとしても、富来川南岸断層の活動に引きずられて動く「副断層」である可能性があるからだ。

 11年前にこの断層について「明らかに活断層」と指摘していたのは渡辺満久東洋大教授だ。
 2012年9月1日の朝日新聞は『富来川南岸断層は志賀原発の約9キロ北側に東西に延び、断層を挟んで南北で20メートルほどの地層のずれがある。渡辺教授らの研究グループは今年5月の学会で、原発の耐震安全性を考慮しなければならない13万〜12万年前以降に動いた断層だと指摘し、「耐震設計上考慮すべきだ」とアピールした。』と紹介している。

 ◎北陸電力は「動く可能性はないと否定した」断層

 このS−1断層を含む敷地内の断層について規制委が結論づけたのはつい最近だ。2023年3月3日の審査会合において志賀原発の敷地内にある断層が13万〜12万年前以降には活動していないとして「将来活動する可能性のある断層等」(「活断層等」)にはあたらないとする北陸電力の説明が了承された。
 この断層が活断層とされると原発は廃炉になるはずだったが、この審査会合で「命拾い」したというわけ。

 しかし2016年4月には「志賀原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」が13万〜12万年前以降の活動が否定できないとしていた。
 この有識者会議の結論と、反対の結論を出した規制委は、しかし有識者会議のメンバーに意見を聞くということはしなかった。
 ではいったい有識者会議とは何だったのか。
 志賀原発敷地内の断層がどうなっているのか、活動していたのか、屋外変圧器の破損は地盤変状との関係はないのか、そういったことを調べないと結論は出せない。
 昨年の審査会合の結論は無効になったとするべきであろう。
KEY_WORD:能登2024-志賀原発から9km-動いた富来川南岸断層_:NOTOHANTO-2024_:SIKA_: