[2024_01_08_01]避難計画の考え方の見直しが必要 (まさのあつこ2024年1月8日)
 
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避難計画の考え方の見直しが必要

 07:18
 元旦に規制庁が行ったブリーフィングに基づいて、志賀原発保有のモニタリングポストの値には異常がないが、原発から15〜30キロ圏内の自治体所有のモニタリングポスト13台が欠測しているが、原因は現在不明であることは書いた(既報)。全体で100台超のモニタリングポストがあると報道されているが、1月4日には以下のようにポストした。

  欠測したモニタリングポスト


  志賀原発構内と「5キロ圏内」は正常に動いていたこと も以下でポスト。

  県内全域 で見ると、1月7日現在、他にも作動していないポストがある。

 復旧できたモニタリングポストもあるが

 1月4日には13台が機能していなかった「輪島市・穴水町」で、1月7日現在、5カ所のモニタポストは復旧できたようだ。土砂崩れや地割れで道路が寸断され、人命救助や必需品運搬ができない状況では、モニタリングポストの復旧も困難を極めると推察する。
 しかし、これらのことから、「原子力災害対策指針」(最新は令和5年11月1日版)には見直しが必至だということが見えてくる。
 原子力規制委員会は2014年10月8日に「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI) の運用について」で基本的考え方をまとめた。
 基本的考え方には「放射性物質の放出後の緊急時における避難や一時移転等の緊急又は早期の防護措置の判断は、緊急時モニタリング(固定型のモニタリングポスト等)の実測値等に基づくこと」とした。

 崩れた前提

 しかし、東日本大震災で福島県のモニタリングポストで多数、測定できなかったものがあった教訓を経たあとの今回も、多数のモニタリングポスト使えなくなった。モニタリングの実測値で避難の判断をするという前提は崩れた。
 既に道路を使った避難も、屋内退避という前提にも、無理があることは書いた(既報「令和6年能登半島地震」から考えさせられる原発震災」)。
 それに加えて、SPEEDIなど拡散シミュレーションを使わずにモニタリングデータで避難判断するという前提も、避難よりも屋内退避をした方がいいという考え方も(既報「原発避難は「弊害」という考え方はどこから来る?」)それは安全神話に基づいたものに過ぎないということが証明されたのではないか。
 「原子力災害対策指針」の見直しが必要だ。
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