[2024_02_14_07]幻の珠洲原発は日本最大級の原発集中立地計画だった 珠洲原発を阻止した人びとが日本国を救った (その4)(了) 地震を止めることはできない、予知もできない、地震に対して危険な原発はやめるしかない 小坂正則(脱原発大分ネットワーク)(たんぽぽ2024年2月14日)
 
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幻の珠洲原発は日本最大級の原発集中立地計画だった 珠洲原発を阻止した人びとが日本国を救った (その4)(了) 地震を止めることはできない、予知もできない、地震に対して危険な原発はやめるしかない 小坂正則(脱原発大分ネットワーク)

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◎ 実際には「強震動予測」という計算式があります。1番有名な計算式は「入倉・三宅式」というものです。この予測式は活断層の長さや幅などから、その原発の周辺にある活断層から、もし周辺の活断層が動いたらどれだけの地震が起きる可能性があるかを予測するものです。それを予測するにはこれまでに起きた地震を近代的な地震計で測定したモデルから、パラメーター(変数とか係数)を求め、その係数を「入倉・三宅式」に当てはめて、その敷地で起きる最大の地震動を予測するものです。

◎ しかし、問題はそこに当てはめるモデルの地震が戦後最新の地震計で測定された加速度を当てはめて、そこで動いた活断層の長さや幅を測定してモデルにした係数なのですが、それがわずか20数例しかないのです。
 モデルの地震が千件や万件もあれば地震のモデルとして少しは信用できるかもしれませんが、そんなに少ないなら、それを超える地震が起きた場合は、「想定外」と言われてしまいかねません。
 そして最大の問題は計算式に入れる活断層がどれだけ正確に調べられるかという問題です。

◎ 今回の能登半島地震で動いた活断層は未知の活断層でした。
 志賀原発の耐震設計基準は超えなかったと北陸電力は話していますが、想定外の地震でしたので、こんな大きな地震が襲うとは想定してなかったはずです。
 つまり、強振動予測の測定式「入倉・三宅式」を使っても、見えない地下に潜んでいる活断層が揺れれば、間違いなく強振動予測を超える巨大な地震に見舞われる可能性は捨てきれないのです。

◎ 日本には活断層が2,000ほどあるそうです。「新編日本の活断層」という書籍があります。(東京大学出版:定価38,500円)。それには約2,000カ所の活断層が載っています。
 しかし、問題は日本列島の地下や海には見えない(海などは調べていない)活断層が、その2倍ほどあるそうです。
 つまり「強振動予測」がある程度可能なのは見える活断層だけに当てはまるものであって、見えない活断層や知れべていない海の活断層には当てはまらないのです。

◎ 次にもう1つの問題があります。
 「強振動予測」は見える活断層の長さや幅で地震の揺れをパラメーターで係数を入れるといいましたが、Aという活断層とBという活断層が同一緯度や経度で離れて走っている場合があります。その場合は、それぞれをAとBが別々に揺れると仮定します。
 しかし、そのAとBの活断層は地下でつながっていることなど普通に考えられるのです。
 そうすると10キロのAと20キロのBは100キロ離れていて、それが一緒に動いたら、130キロの活断層が一気に動いて巨大にな地震を引き起こすのです。
 今回の能登半島地震はそれぞればらばらの活断層が地下で繋がっていて、総延長150キロが一緒に、あるいは別々に動いたと言われているのです。

◎ 未知の活断層は必ずあるし、それはいつ動くかもしれないという可能性を最大限に予測して、「地震はこない」と過信するのではなく、「地震はいつ来るかも知れない」と、自然の力を恐れて、最大限の予防措置を取ることが大事なのです。
 私たちは地震を止めることはできませんし、いつ起きるかを予知することもできませんが、地震が来ても大きな災害にならないように、危険因子は排除することはできるのです。

◎ 家が壊れたらまた再建できます。原発が壊れたら放射能がばらまかれて、再建するには途方もないお金と時間がかかります。決して人間の時間軸では測れないほどの長い年月を要するのです。
 セシウム137の放射能が1/1,000にまで減るには300年間を要するのです。
 福島県の大熊町や浪江町や双葉町などは若い人はほとんど帰還していません。
 帰宅困難地域の人びとやその周辺の人たちは故郷を奪われてしまったままなのです。

◎ だから地震に対して危険因子の可能性のある原発はやめるしかないのです。しかも原発しか電気を作ることができないならいざ知らず、電気なんて簡単に太陽光パネル1枚あればできるのです。
 なぜ原発のような危険な化け物に依存するのですか。岸田首相も東電など電力会社の社長も。
 そこで働く社員も芳野友子連合会長もみんな、おかしいです。

  (『つゆくさ通信』182号、2024年1月20日 「脱原発大分ネットワーク」発行より了承を得て転載)
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