【記事41780】震度7級「大分でも」 断層、中央構造線の延長(大分合同新聞2016年4月16日)
 
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震度7級「大分でも」 断層、中央構造線の延長


 熊本県で最大震度7、大分県でも同4を観測した14日夜の熊本地震。阪神大震災後に熊本県の活断層調査委員会の委員を務めた経験がある岡村真(まこと)高知大学防災推進センター特任教授(地震地質学)は、紀伊半島中部から四国、豊予海峡、大分、熊本へと続く国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」の延長で起きたと指摘。「同じような地震は大分、愛媛などでも起きる可能性がある」として、日頃からの備えが大事と呼び掛ける。
 今回の震源付近には「布田川(ふたがわ)断層帯」と「日奈久断層帯」という二つの断層帯が接するようにして延びている。
 岡村特任教授は「九州では顕著な断層。布田川、日奈久が連動して動くとマグニチュード(M)8クラスまで起こるとされているが、一部だけが動いたのだろう。震源が約11キロと浅いため、(規模に比べて)強烈な揺れが起き、観測される揺れの回数も多くなっている」と説明する。
 中央構造線では、過去約7300年の間に少なくとも5回、大地震が起きているという。最も新しいのが、別府湾の海底を震源とした1596年の「慶長豊後地震」。大分では、島が沈んだ瓜生島伝説もある。また、中央構造線近くの伊予(現在の愛媛県)、伏見(同京都府)でも数日間のうちに地震が発生したという記録が残っている。
 今後、中央構造線が広範囲に連動し、大地震を起こす可能性はあるのか。岡村特任教授は「どこにどのくらいの力がたまっているか、今の科学では分からない。影響する、しないは言えない」と話した。
 「報道を見る限り、古い建物が倒壊しており、たんすが倒れてきた、と話す人も多い。どこでも地震は起きるし、南海トラフ地震の場合は津波が来る。だが、けがをすると逃げられないこともある。近い将来への想像力を働かせ、家具の固定をするなど日頃の備えが大切だ」とした。
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