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KEY_WORD:もんじゅ
 
参照元
平成24年度_原子力規制委員会_第15回会議_議事録

※PDF18ページ
※「(2)もんじゅにおける点検間隔等の変更に係る保守点検の不備について」を抜粋
(前略)
○田中委員長
よろしくお願いします。
それでは、本件についてはこれで終わりまして、次の議題に移りたいと思います。次の議題は「もんじゅにおける点検間隔等の変更に係る保守管理上の不備について」であります。市村安全規制管理官から報告をお願いします。
○市村安全規制管理官(PWR担当)安全規制管理官の市村でございます。
 それでは、資料2に基づきまして御説明を申し上げます。これはJAEA(独立行政法人日本原子力研究開発機構)のもんじゅに関する件でございまして、保守管理上の不備ということでございます。
 「経緯と概要」のところにございますけれども、この発電所では、保安規定に基づく計画として保全計画というのを定めておりまして、ここに個別の機器の点検の間隔であるとか、点検の方法であるとか、こういうものを記載して、これに従って保守点検を行うことにしているものでございます。これは機器管理のマスター台帳みたいになっていまして、これに基づいて実施をするということでございますけれども、今般、機器の点検間隔が現場等で変更されてございまして、このマスター台帳をしっかり変更していないということで、実質的にそれに従って管理がなされないために、点検時期を逸しているとか、超えているとかいうことが発見されたということでございまして、事業者から11月27日に報告がございましたけれども、この時点では9,679機器について、こういうことがあったということでございます。
 本件の経緯でございますけれども、本年度第2回の保安検査、本年9月でございますけ6れども、このときに点検間隔が不適切に処理されている案件が1件ございまして、こういうものを保安検査で指摘をしたところ、それを踏まえて、事業者の方で、全ての機器、3万9,000機器ほどということでございますけれども、これについてチェックをしたところ、今般、9,679機器について、そういう問題が見つかったということでございます。
 それから、もんじゅは今、建設中といいますか、使用前検査をしているところで、停止中でございますけれども、停止中でも要求をされている機器はもちろんございまして、今回、9,679機器という数字のうちの476機器については、停止中にも機能要求があるものであったということでございます。ただ、これらについては、点検間隔を変更するに当たって、必要な、適切性の評価というものは実施をしていたということでございます。ただ、ここにございます4機器については、そのような評価もせずに間隔が変更されていたと、こういうことでございます。それから、参考に書いてございますのは、このような保守管理の不備というのは本件が初ということではなくて、平成22年に中国電力島根原子力発電所でも同様のことが起こっております。この後、全国の発電所で確認をした結果、ほかの発電所でもいくつか同様の事例が発見をされておりまして、先般の東京電力の問題も同様の趣旨であろうかと思います。この中国電力の問題が発覚したときに、全国の発電所について確認をして、もんじゅについても同様の問題がないかという確認をしてございます。その当時は問題がないということで処理をされてございます。ただ、このときに確認をしたデータの期間というのは平成22年の話でございましたので、平成21年から22年の間のデータを確認をしたということで、今般のは、さらにその後に発生をした事例ということになります。
 2番目にあります「現在の状況」でありますけれども、現在、もんじゅでは、第3回の保安検査を実施中でございます。もともと今週の金曜日までを予定してございましたけれども、今回の事例がありましたので、若干保安検査の期間を延長して、今のところ、来週の火曜日まで延長することを考えてございます。いずれにしても、この保安検査の中で、今、本件の経緯を含めた事実関係、それから、安全性に与える影響等を確認をしているところでございます。昨日、現場から、保安検査官から来た連絡では、今回確認をされた点検間隔を超過して検査をしていなかったという機器の中には、いわゆるクラス1の機器もあるようでございまして、我々としても今、確認をしているところでございます。
 「今後の予定」でございますけれども、今、事業者が言っていることでも、全4万点余りの機器のうち、4分の1程度について、点検の不備があったものでございますし、特に4機器については、停止中の機能要求があるにもかかわらず、変更を評価もしていなかったということでございますので、重要な問題だと考えておりまして、いずれにしろ、原子炉等規制法37条の4項に保安規定遵守義務というのがございまして、これの違反に当たると考えてございます。したがって、現在の保安検査での確認も含めて、もう少し事実関係を確認をしまして、事業者への対応について、改めて、この原子力規制委員会でお諮りをしたいと考えてございます。
 以上でございます。
○田中委員長
 はいありがとうございました。
 かなり驚くような数字なのですけれども、委員から御意見ございませんでしょうか。お願いします。
○大島委員
 1万件近い機器の保守点検間隔が守られていなかったということで、事実関係がいずれこの委員会に対しても報告がなされると思いますので、その事実関係をよく踏まえた上で、また意見を述べたいと思いますけれども、とりあえず感じますのは、9,679機器とありますけれども、恐らく、この機器は、安全上非常に大事な機器、それから、それほどでもないものがいろいろ混ざっているのではないかと想像するのですね。ですから、そこら辺に対する考慮がなされた上で、今の点検のルールができているのか、その辺ももう一度、この機会に見直す必要があるのではないかという感じを持ちます。と申しますのは、例のトンネルの大事故が起きたわけで、あそこでもまさにこういう機器の点検というものの在り方が提起されているようなのですね。そういうこともありますので、かつ、これまでも、島根とか、そのほかでも、この種の事故が起きておりますので、不備が報告されているので、そういうことを踏まえて、ルールはルールで、そのまま行くということではなくて、このあたりでちょっと立ちどまって、必要があればきちっと検討し直すということが必要ではないかと思います。
 以上です。
○田中委員長
ありがとうございます。今、重要度分類で、クラス1というお話があったのですが、その意味を皆さんへ説明していただけますか。
○市村安全規制管理官
 これは、まさに大島先生御指摘のとおり、原子力発電所で使う各機器については、その安全性に与える重要度に応じてクラス分けをしてございまして、クラス1、2、3となっているわけでございます。1の機器は、直接安全性に大きな影響を及ぼすものということでございまして、昨日聞いた限りでは、今回、クラス1の機器が含まれていたというものの例は、非常用ディーゼル発電機に関連する部品があったということでございまして、当然、非常用ディーゼル発電機というのは非常に重要な機器ということで、クラス1分類をされていて、そこに使われている機器についての不備があったということを聞いてございます。
○田中委員長
ありがとうございます。ほかの委員からの御意見ございませんでしょうか。
 引き続き十分に調査していただきたいと思いますけれども、結局、量から質への転換という言葉がありますけれども、これだけ多くなるということは、組織的な面、それから、前回も東京電力に対して申し上げました組織文化というか、安全文化の面とか、そういったことについても相当問題視せざるを得ないと思うので、来週ぐらいまでには大体わかるのでしょうか。
○市村安全規制管理官
 今、その計画で作業しております。先ほど申し上げたように、保安検査を来週の火曜日まで延長して作業させていただきたいと思っておりまして、いずれにしろ、水曜日が委員会ですので、できるだけ間に合うように作業を進めたいと考えてございます。
○田中委員長
 急ぐだけではなくて、きちっと検査をしていただいて、またここで議論をして判断していきたいと思います

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