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原子力規制委員会記者会見録


原子力規制委員会記者会見録

●日時:平成28年5月18日(水)14:30〜
●場所:原子力規制委員会庁舎記者会見室
●対応:田中委員長

<質疑応答>
○司会 それでは、定刻になりましたので、ただいまから原子力規制委員会の定例会見を始めたいと思います。皆様からの質問をお受けしたいと思います。いつものとおり、所属とお名前をおっしゃってから質問の方をお願いします。それでは、質問のある方は手を挙げてください。
ヒガシヤマさん。
○記者 朝日新聞のヒガシヤマです。今日の委員会のことではなくて、もんじゅのことでお伺いします。3点ほど。
あさって20日に文科省の検討会が、有識者会合がこれまでの議論を取りまとめて、もんじゅの運転主体等に必要な要件をまとめるのだということを予定に入れていると聞いています。ちょっと改めてで恐縮なのですけれども、これまで田中委員長は看板のかけかえは駄目ですよというふうにおっしゃられていますし、一方で、なかなかナトリウム冷却炉の運転技術経験がある人というのは、今のもんじゅの関係者しかいませんよという状況が現実的にあると思います。今の人たちしかいないのに、一方で看板のかけかえはできないというのは、なかなか相反する要件のように思えるのですけれども、どこからどこが看板のかけかえではなくて、どこからどこがかけかえだよねと判断するのか、そのポイントみたいなものはありますでしょうか。
○田中委員長 「看板のかけかえ」という言い方よりは、あそこにも書いてありますけれども、もんじゅの出力運転をするならば、それを十分に安全を担保してできるような者を選んでくださいということを言っているのです。だから、ナトリウム技術を持っているのはそこしかないとか、そんなのは理由にならないのですよ、私の方から見たら。そういうことです。
○記者 では、別にもう今のメンバーが誰も入っていなくても、能力さえあればいいということになるのですか。
○田中委員長 繰り返しですけれども、もんじゅの出力運転をきちんとできるだけの能力があるかということを、どういうのが出てくるか分かりませんけれども、そのことが確認できればいいけれども、確認できなければ駄目ですよね。だから、勧告には2つの点が書いてありますから、そういうことを十分に踏まえていただく必要があると思います。
○ 記者まさに今おっしゃった点で、勧告1と勧告2がありますけれども、今の文科省の2検討状況を見ていると、勧告1に対することしかほとんど検討されていなくて、勧告2にあるリスクの低減策というのは、もうほとんど議論になっていないようなのですけれども、勧告1についての主体についての報告書だけが上がってきた場合、それで納得できないとなったら、勧告2にあるリスク低減策というのを具体的に検討するよう、追加の措置命令みたいなものを出す可能性はございますか。
○田中委員長 今はまだ何も出てきていませんから、何ともここでは申し上げられませんので、そういうふうに御理解ください。
○記者 済みません、もう一点お願いします。勧告はおおむね半年というふうに期限を切っているわけですけれども、実際、まだ出てくる気配はないのですけれども、どれぐらいまで待てますか。
○田中委員長 余り、元々半年をめどぐらいにということは、そう簡単にかわりの者が見つかるということもそう容易なことではないでしょうということで、そういうふうになっていますから、前にも申し上げましたけれども、今は冷温停止状態ですから、差し迫って緊急にリスクが高いということではないと思いますので、もちろんリスクがないわけではないですよ。でも、そういう状況ですので、どこかほどほどにというところではないでしょうか。いつまでということは、今、別に考えてはいませんけれども。
 でも、1年も2年もそういうことではないというふうには思いますけれどもね。
○記者 文科省は一応夏という季節の間にはと言っていますけれども、それであれば、秋でなければ全然オーケーぐらいですか。
○田中委員長 いや、そこは何とも言えないですね。
○記者 ありがとうございます。
○司会 ほかにございますでしょうか。では、そちらの方。
○記者 東洋経済のオカダです。今のもんじゅの件なのですけれども、先日、保安検査の実施状況について、もんじゅは5四半期ぶりに保安規定違反は認められなかったという結果になっているわけなのですけれども、これ自体は何か今後のもんじゅに対する対処においてプラスに働くということになるのか、あるいは今までの規制委員会の認識からしますと、多少改善したところでもう失格は失格ということで、もうそういう認識のようにも見えるのですけれども、どのように捉えておられますでしょうか。
○田中委員長 今回行った保安検査の中身というのは私は聞いていますけれども、そういうこともありますけれども、基本的な言い方をすれば、保安検査で何かまずいことが見つからなかったというのは当たり前のことであって、それが取り立てて何か免罪符になるとか、特別評価に値するとかということではないということです。
○記者 あと、委員長は、ナトリウム冷却型の高速増殖炉というのは、軽水炉と全く違った大きな潜在的リスクを持っているということをたびたびおっしゃっているわけなのですが、この軽水炉と全く違った大きな潜在リスクというのは、例えば具体的な事故とか、そういったもので考えたときには、どういうことがあり得るという御認識でございますでしょうか。
○田中委員長 いろいろありますけれども、それはこの先どうなるか分かりませんけれども、変更申請が出てきたらきちんと技術的な評価をすることになると思いますけれども、少なくともナトリウムと水は全く違うものですからね。そこを一つだけ考えても、皆さんでも想像はつくと思いますけれども。
○記者 原子炉が暴走するようなリスクということを言う人もいますけれども、そういうことも考えられるということですか。
○田中委員長 それはかなり専門的には、大型炉心になれば、プラスの反応度が、ボイド係数があるとか、そういうこともありますから、全部そういうことは、いずれきちんとした審査の段階ではそういうことが必要になります。
○記者 もう一つ、今の関係なのですけれども、先ほどの出力運転をした場合ということがポイントになるわけですけれども、出力運転をしない状態であれば、取りあえずJAEA、今の機構が今の状態で継続するということも、これも望ましいわけではないわけですよね。
○田中委員長 望ましいとか、望ましくないというよりも、長期に今の状態が続くようでしたら、より確実な安全対策をしてくださいというのが2番目の勧告内容ですから、そのことの対策が必要になると思います。
○記者 それは先日もおっしゃっていた燃料を抜くとか、そういうことも含めてということですか。
○田中委員長 それはどういうふうな対策をするかまでは、今、指示はしていません。
○記者 ありがとうございます。
○司会 ほかにございますでしょうか。アマノさん。
○記者 産経新聞のアマノでございます。大きく2点伺わせてください。1つは、今日の核物質管理センターの情報セキュリティの問題ですが、委員長のお言葉として、これを糧にして規制庁を含めて対策を考えなさいというようなお言葉がありましたけれども、実際にそもそも規制庁の中にサイバーセキュリティの専門家がいるのかどうかというところなのですが、もちろんセキュリティ対策というのは事業者がやることですけれども、その事業者を監督したり、指導できるだけの能力を持った規制庁の人材がいるかどうかというところはいかがですか。
○田中委員長 ある程度の専門家はいるけれども、アマノさんが言っているサイバーセキュリティの専門家というのはなかなか難しいですよね。だから、どのレベルのことをおっしゃっているのか。規制庁の中では、国の全体の行政機関としても相当注意深くやっていますけれども、そういう専門家の力も使いながら。
○記者 新規制基準の中でサイバーテロの問題も含まれているというのは存じ上げているのですけれども、その中では不正アクセスの防止ぐらいしか書いていなくて、実際の審査を見ると、制御システムに着目して複数のプログラムで機能を維持しなさいとかいう形で審査しているというのは承知はしておるのですけれども、例えばイランとか、韓国でも、実際にサイバーテロがあったように、そういった事例を分析した上で、実際の審査に反映されているかどうかというのは、いかがですか。
○田中委員長 余り細かいことは申し上げませんけれども、少なくとも、原子炉の制御系、中枢にかかわるところは、外と物理的に分離されているというか、隔離されているようなシステムというのは、要求しているはずです。はずですと言っておきます。
○記者 分かりました。あと1点は、熊本地震について、再度確認といいますか、1ヶ月が過ぎましたけれども、現状でも規制庁から1日2回、原子力施設に異常はありませんという形で、発信はされていますが、こういった非常事態体制というのが、いつまで続くのかというのは、いかがですか。
○田中委員長 当分はまだ解除するような状況ではないですけれども、国全体が、気象庁なり何なりに一種の区切りをつけていただければ、そういうことを踏まえて、判断したいと思います。
○記者 済みません、もう一点、確認させてください。きのうも、国会の方で、委員長が質問を受けられていましたけれども、川内原発を停止しなかったという判断は、正しかったという認識は、今も変わらないですか。
○田中委員長 正しいです。正しかったと思いますし、正しいと思います。
○記者 ありがとうございます。
○司会 ほかにございますでしょうか。ハナダさん、どうぞ。
○記者 NHKのハナダです。福島の関係で、2点伺わせてください。去年、委員長は、福島の首長の方々と意見交換をされてきて、その後、事務方も含めて、各省庁と、第一原発に限らず、様々な課題について、話し合いなどを持たれて、継続されていると思うのですけれども、その進捗、対策として何か具体化されているものが出てきていたら、お伺いしたいというのと、あと、ことし、また福島に行って、首長さんたちと意見交換をしてこられるようなお考えなどがあるかどうか、伺わせてください。
○田中委員長 昨年、回ったときに、各首長さんから出た大きな課題は、帰還困難区域に対する国の方針をきちっと示してくださいということで、そのことは、関係する何人かの担当大臣等にも伝えまして、総理の発言として、3月に、夏ぐらいをめどに、その方針を決めるという御発言があったと思います。それが、私が言っていることが直接関係しているかどうかは分かりません。元々そういう議論も進んでいましたので、ただ、そういう話はあります。それから、山林の除染についても、かなり強い要望があって、その後、関係大臣会合というものが開かれて、山林の除染については、各地方自治体の意見を聞きながらやるという方向にいったので、それはよかったと思っていますけれども、どうしてもいろんな問題がまだまだあります。ことし、行くかどうかは、まだ全然考えておりません。
○記者 分かりました。
○司会 ほかにございますでしょうか。シュゾウさん。
○記者 毎日のシュゾウです。もんじゅについて、また戻りますけれども、先週の会見で、勧告2のリスクを下げることとして、燃料を抜くということをたしかおっしゃっていたと思いますが、現状、リスクを下げる行為ということで、委員長はどういうものをお考えになっているのか、教えていただきたいです。
○田中委員長 1つの例としては、燃料を抜くということがあります。燃料が入っていなければ、原子炉としては安心ですから、そういうことはあると思いますが、具体的にどうするかは、まだ分かりません。燃料を入れたまま、ナトリウムを抜くというわけには、もんじゅの場合はいきませんので、そういうところもあると思いますので、具体的には向こうで考えていただくことだと思います。
○記者 一方で、勧告2には、あり方を抜本的に見直せという文言もあります。これを読むと、単なる燃料を抜くだけだと、また入れられます。要は抜本的に見直すというのは、例えば本当に役割を変えるとか、機能を変えるとか、構造を変えるとか、ある意味、不可逆的な措置みたいなものを想像するのですが、必ずしもそこまで求めていないということなのでしょうか。取りあえずリスクを下げれば、それがあり方の見直しにつながるという、そういうお考えなのでしょうか。
○田中委員長 要するに高速増殖炉なのかどうか。廃棄物の低減化だという話もあるし、いろんなお話を聞いていますけれども、そういったことは、私どもの関与するところではないので、まず安全上の問題として、きちっと対処していただくということです。その方法を含めて、そのためのあり方を見直してほしいということです。
○記者 それと、設置許可の取り消しということは、想定はなさっていないということでよろしいのでしょうか。要は勧告1が駄目なら、勧告2をやってくださいというたてつけだったと思うのですが、勧告1も駄目、勧告2も駄目だった場合に、さらなる強い措置を取り得る可能性というのは、今の段階であるのでしょうか。
○田中委員長 具体的には、今、そういうことは想定していません。設置許可の取り消しというのは、そう簡単なことではなくて、あと、誰がやるのか、始末をどうするかということにもなります。だから、そんな簡単なことではないということです。
○記者 済みません、もう一点、最後にしますが、勧告に対する報告を受け取ってから、委員長のスケジュール感として、どのぐらいの期間、どういう手続をとって、どういう判断をされるかという、今のスケジュール感というか、手続のお考えはありますか。
○田中委員長 あそこに書いてあるとおりで、何もないです。
○記者 勧告に対する報告を文科省から受け取ってから、規制委員会として、いついつまでに、どういう手続をとって、御判断されるかという質問です。
○田中委員長 それは受け取る内容によって、みんなでよく相談したいと思います。
○司会 ほかにございますでしょうか。タケオカさん。
○記者 共同通信のタケオカと申します。同じくもんじゅなのですけれども、冒頭の方で、1年、2年という話ではないというお話がありました。既に勧告が出てから半年たっていますけれども、そうすると、遅くともことしの11月までに、文科省が適切な運転主体を明示できなければ、勧告の2番目にある安全対策を求めるというお考えでしょうか。
○田中委員長 いついつまでということはないですけれども、勧告の2をつけたということは、1がそんなに簡単に決まらない場合には、2の対策をとってくださいということを申し上げているわけです。だから、いついつまでとか、いつまでということは、今の段階では考えておりません。
○記者 細かいことにこだわって恐縮なのですけれども、半年めどという言葉と、一方で、1年を超えてしまうと、半年めどというのは、難しいと思ったのですが、その辺はどうでしょうか。
○田中委員長 1年、2年とかかるのであれば、より安全が担保できるような状況にしてくださいということを申し上げているわけです。
○記者 そうすると、確認ですけれども、文科省が1年以内に規制委員会が納得できるような運営主体を明示できない場合には、2番目の安全対策をしっかりやってくださいということなのでしょうか。
○田中委員長 どちらかがどうだということではないと思いますけれども、その状況は、そのときに判断することになると思います。
○記者 それと、別件で、研究炉のことで1点だけ教えていただきたいのですけれども、政府としては、原発の比率を一定程度保つということで、また、福島第一とか、老朽原発の廃炉もあるので、今後も原子力の技術者というのは、必要になると思うのですが、一方で、委員長がいつもおっしゃっている、研究炉の老朽化であるとか、原子力を志望する学生が減っていたり、そもそも大学でその原子力を掲げるような学科専攻というのは少なくなってきていて、国として、今後その原子力の人材をどう確保していくのかというビジョンが見えにくいのですが、その点については、委員長はどのようにお考えでしょうか。
○田中委員長 申すまでもなく、非常に心配される状況ですよね。福島第一の事故が起こる前から、そういう状況があったわけです。当時は、今後ますます原子力発電所がもっとたくさん増えていくというような予測の中で、人を育てるとか、基本的な規律をきちんと確保するという取組が遅れているということで、私はここに来る前に学会の会長とか、いろいろなところで、そういうことについては随分それなりにやれることはやってきました。今の時点で見ると、実際には大学の原子力工学科というのは本当に壊滅状態ですよ。ただ、原子力という技術は原子力工学科だけで何かできるものではなくて、いろいろな分野の専門家、そういう若者が原子力を志すような雰囲気がないと駄目です。最低限その原子炉の技術とか知識を学ぶという意味では、研究炉みたいなものも含めて、少し研究インフラ的なものが必要だということです。ところが、国会でもこれは再三申し上げていますけれども、発電炉は40年を超すと皆さんは大騒ぎをしますけれども、研究炉、試験炉というものはみんな40年を超しています。50年を超しているものも多いです。ですから、そういうようなもので旧態依然たるもので、全く新しいものを作ろうとしないような状況で原子力をどこまで続けられるのだというのは、実際に極めて心配されます。そうした中で、規制庁として、規制委員会としてできることは、原子力人材育成事業というのをことしから公募で始めて、今17件ほど応募があって審査の最中です。それは一部ですので、本当はもっと戦略的に計画的に人材育成というのは図っていかないといけないと思います。
○司会 ほかにございますでしょうか。では、今、手を挙げている3名の方で終わりにしたいと思います。カミデさんから。
○記者 フリーランス記者のカミデです。今日、議題で年次報告などが出ておりまして、その中にも改めて原子力規制委員会のあり方について出ているので、何回も同じような質問をして恐縮ですが、お答えいただければ幸いです。何回か前の会見で委員長は、川内原発などを止めろという意見があるけれども、科学的根拠に基づいて、それはやらない。では、そういうのに反対が多いのはどうしてかということに関して、それは風潮ですねということをおっしゃって、その前後に、あくまでも原子力規制委員会は独立した機関であって、国民からも政治からも独立しているということを明言されております。この基本的な理念の中にも独立の意思というようなことを強調しているのですが、実際にこれは今までの流れを見ておりまして、一部それが後退しているのではないかと心配される方もいます。人事は結局、政権や与党が握っていて、その方が決めた人事で、人事の中が政府寄りになっているのではないかという声があったり、あとは2030年に原子力の構成比率を22%にすると。こういうのが決まっているので、結局はそれに沿って再稼働も進んでいくのではないかと。順番にいろいろなことを頑張っておられても、結局はそうなっていくのではないかという、こういう根強い指摘がございます。同じようなことを何回も答えていただいていますが、改めまして、そういう疑問を持っている方について、科学的根拠に基づいて独立した意思決定をして、やっていけるというか、やっていきますというようなことについての御説明をもう一度、改めて、していただければと思います。
○田中委員長 私は、国民から独立とは言っていなくて、政治からは独立していますよと申し上げたと思います。
○記者 左右されるものではないというような言い方を。
○田中委員長 そうです。世論というのは非常にフローティングなもので、よく分からないところがありますから、そういうことではなくて、確固たる科学的な知見に基づく判断をベースにやっていきますということを申し上げました。その独立性とか透明性とか中立性というのは、やはり規制委員会、規制庁の命綱ですから、これが崩れるようだったら、おそらく全てが先に進めなくなってくると思います。ですから、少なくともそういうことは、私を含めて、皆さんはそういう覚悟で取り組んでいるつもりです。ただ、率直に言って、だからと言って国民の大きな信頼が得られているかというと、それはないというのも事実です。それは客観的に多分そうでしょう。こういった状況の中で、1Fの状況とか、その影響というのはそう簡単に払拭できるものではないし、それでお考えが変わるということはないと思います。これは相当、歴史的に長期の大きなテーマだと思いますけれども、そういう認識でいます。ただ、その22%がどうのというのは、我々にとっては全く関係ない話です。新しい規制基準に基づいて、きちんとした評価をした上で、それが合格すればそうだし、合格しなければ駄目だということです。それだけです。それ以上でも、それ以外のこともありません。
○記者 あと、ちょっとつけ加えて質問させてください。それと少し関係があるのですが、今回の年次報告などにも余り触れてはいないのですが、議論として避難計画のことも、規制庁が主導してやっているときのですね。そういうのをもう少し手厚くやったらいいのではないかというあたりは、特に新たに何か盛り込まれることはないのですけれども、そういうことも含めた規制庁の信頼を厚くするというような、そういうお考えはないでしょうか。
○田中委員長 私は、避難というか、防災指針を作るときに相当議論をして、その指針に基づく避難計画というのも内閣府が中心になって、いろいろ地方自治体と相談をしながら作っているので、相当手厚くできていると思っています。ただ、それをどう受け取るかというのはいろいろと、国民、住民、マスコミを含めて、どう受け取るかなので、手厚くとか、決して手を抜いているつもりは全くないと思っています。
○司会 次に、ミヤジマさん。
○記者 ファクターのミヤジマです。来週、サミットです。都内では地下鉄も特別警戒態勢で、各地の原発も警戒強化しているわけですが、こちらの現地の事務所というのはオンサイトでやはり検査官というのがいるわけですけれども、そのサミットの間というのは、この規制庁、規制委員会もそういう警備という意味で何か連携して協力してやっておられると思うのですが、その辺はどうなっているのでしょうか。
○事務局 原子力発電所の警備強化については、2月に当方の原子力規制庁の方から、それぞれの原子力事業者に対して、文書で警備強化について発出しております。そういった意味での体制の強化というのは、しております。
○記者 それは存じ上げているのです。それで、やはり地元のオンサイトにおられる検査官を含めたこの人たちは、原子力の要するに各サイトでそれぞれ電力会社がやるわけですけれども、それに対して何か協力したり、そういう具体的に何かやっているのか。ただ紙だけを出して終わりなのか、そこを伺っているのです。
○事務局 当然、現地の保安検査官の方にその文書自体が行っておりますので、そういった中で体制強化をしていると思います。ただ、いずれにしても、こちらの方は原子力事業者と警備当局がメーンになると思いますので、そちらの方で対応をされているのだと認識しています。
○司会 それでは、最後にナガオさん。
○記者 共同通信のナガオです。今のサミット関連の話なのですけれども、サミットが行われる26日と27日に関しては、東京電力は作業を最低限のものに絞って、ほとんどの作業を休止するとしています。その理由を問うと、テロ対策ではないと。トラブルがあったときに、VIPの方が来ているような状況なので、速やかに関係各所に報告しなければいけないので作業を絞るのだという、ちょっと分かったようで分からないような説明をしておるのですけれども、東電自身で判断して、そういう決定をしているということなのですけれども、わざわざ作業を止める必要があると委員長はお考えでしょうか。
○田中委員長 それはあくまでも東電の判断だと思います。
○記者 貴重な2日間も作業を止めるというのは無駄という気もしないでもないのですけれども、テロ対策というのだったら理解できるところはあるかなと若干思うのですけれども、いまいちそこが。
○田中委員長 どうでしょうかね。よく分かりませんけれども、私からあれこれ申し上げられることではないと思います。
○司会 それでは、本日の会見はこれで終わりにしたいと思います。お疲れさまでした

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