[2022_03_17_03]脱線、恐怖の70秒「車体も体も宙に浮いた」 新幹線客振り返る(河北新報2022年3月17日)
 
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脱線、恐怖の70秒「車体も体も宙に浮いた」 新幹線客振り返る

 2022年3月17日 22:12 更新
 16日深夜の地震で脱線した東北新幹線やまびこ223号には、78人の乗員乗客がいた。突然の激しい振動に驚き、必死に座席にしがみつく乗客たち。恐怖の70秒間を振り返り「地震を甘く見ていた」「死を覚悟した」と口々に語った。
 やまびこ223号は午後9時44分、東京駅を出発。仙台駅に向かい順調に運行を続けていた。白石蔵王駅まで約2キロの地点で、乗客のスマートフォンから緊急地震速報が一斉に鳴りだした。
 6号車にいた京都府南丹市の会社員中川陽平さん(27)は速報から5秒後、体験したことのない激烈な縦揺れと横揺れに襲われた。頭上に収納していた120リットルのキャリーバッグが吹っ飛んだ。二つ前の席の女性は、反対側の座席まで飛ばされていた。
 自身も席から放り出されそうになり、必死にしがみついた。「怖かった。(人生が)終わったかと思った」
 仙台市太白区の会社社長駿河克亘さん(47)は5号車にいて、大きな揺れと同時に車体と体が宙に浮いたような感覚になった。直後、座席から通路に投げ出された。
 「あまりの出来事に死を覚悟した」。揺れは収まったが、停電して暖房が切れた車内で約4時間過ごした。
 大宮駅から乗車した神奈川県の大学4年生角岡瞭多さん(22)は待っている間、スマホで動画を見ていた。疲労しながらも「こんな経験はできない」と気丈に振る舞った。
 苦境を励まし合い、乗り切った乗客もいた。仙台市の50代女性は「非常灯は車両の前と後ろだけで、他の乗客のみなさんと明るい所に集まり、気持ちが暗くならないよう話していた。心細くはなかった。全員にけががなくてよかった」と笑顔を見せた。

 宮城・福島で震度6強 脱線した瞬間の新幹線車内[YOUTUBE](1分半)
 ※画面の揺れが激しいので閲覧注意です。
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