[2024_06_04_04]日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認に係る公開会合_令和6年06月04日_議事録(原子力規制委員会2024年6月4日)
 
参照元
日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認に係る公開会合_令和6年06月04日_議事録

 04:00
日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認に係る公開会合

第1回議事録

令和6年6月4日(火)
原子力規制庁

日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認に係る公開会合

第1回議事録

1.日 時:令和6年6月4日(火)13:30〜14:43
2.場 所:原子力規制委員会 13階 会議室B、C、D

3.出席者
 原子力規制委員会
 田中 知 委員長代理
 原子力規制庁
 古金谷 敏之 緊急事態対策監
 村田 真一 原子力規制部 核燃料施設等監視部門 安全規制管理官
 細野 行夫 原子力規制部 核燃料施設等監視部門 企画調査官
 奥山 茂 原子力規制部 核燃料施設等監視部門 上席監視指導官
 大塚 楓 技術基盤グループ 放射線・廃棄物研究部門 上席技術研究調査官
 入江 正明 技術基盤グループ 放射線・廃棄物研究部門 技術研究調査官
 真田 祐幸 原子力規制部 研究炉等審査部門 主任安全審査官
 日本原燃株式会社
 近江 正 埋設事業部長
 佐々木 泰 埋設事業部 副事業部長(埋設計画、開発設計、安全管理、カイゼン責任者) 兼 低レベル放射性廃棄物埋設センター長
 小澤 孝 埋設事業部 低レベル放射性廃棄物埋設センター 埋設運営部 評価技術課長
 太田 征志 埋設事業部 低レベル放射性廃棄物埋設センター 埋設建設部 建設課 チームリーダー
4.議 事
 (1)1号埋設地覆土の詳細設計について
 (2)その他

5.配付資料
  資料1 1号埋設地の覆土仕様および確認の進め方について(※)
 参考1 日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認の進め方(令和6年度第5回原子力規制委員会 資料3)
 (※)引用者注:資料1の1〜9ページ目をテキスト化したものを コチラ に作成しました。
6.議事録

YOUTUBE会議映像

○田中委員 それでは定刻になりましたので、ただいまから日本原燃株式会社廃棄物埋設施設確認申請に対する確認に係る公開会合を開催いたします。
 本日は、原子力規制庁から本確認を所管している核燃料施設等監視部門に加えて、廃棄物の処分、安全評価の技術的な事項を担当している放射線・廃棄物研究部門、また、本確認の前提となる令和3年7月の埋設事業変更許可処分の事務を担当した研究炉等審査部門からも出席しております。
 まず初めに、本会合の開催経緯について簡単に説明したいと考えます。昨年度に、日本原燃から廃棄物埋設地における覆土に使用するベントナイト混合土の材料について、事業変更許可申請に係る審査会合における説明とは異なるベントナイト配合率の仕様にしたいとの説明があり、規制庁は、日本原燃から面談等でヒアリングをいたしました。規制庁からは、事業変更許可における説明とは異なるものであり、許可における性能要求事項である難透水性覆土等の透水性能を満足できるのか等の確認が必要であること、また、日本におけるピット処分で初めての覆土の確認となることも踏まえて、透明性の高い公開会合で確認をすることについて、本年4月24日に行われました第5回の原子力規制委員会で了承してございます。具体の確認が必要な事項等については、本日の配付資料の参考1のとおりでございますが、参考資料は4月24日の規制委員会で示された資料でございまして、3ポツに確認が必要な事項として、(1)覆土の材料、混合割合、(2)として覆土性能の確認方法、二つについて示されているとおりでございます。
 それでは、早速ですが、議事に入りたいと思います。
 議題の1といたしまして、1号埋設地の覆土仕様および確認の進め方についてということになってございますが、これにつきまして、資料の1でしょうか、日本原燃のほうから説明をお願いいたします。

○近江埋設事業部長 日本原燃の近江でございます。
 本日の 資料 につきまして、担当のほうから御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

○太田チームリーダー 日本原燃の太田でございます。
 1号埋設地の覆土仕様および確認の進め方について御説明をさせていただきます。
 1ページ目をお願いします。本日はこちらの目次に沿って御説明をさせていただきます。

 1.はじめににおきまして、これまでの埋設事業、特に近年実施いたしました事業変更許可申請から現在に至るまでの経緯を整理したものについて御説明させていただきます。
 2.当社の対応方針といたしまして、これまでの経緯を踏まえた上での当社の今後の対応の方針について御説明をさせていただきます。
 3.礫を用いたベントナイト混合土を採用していた経緯につきましては、1号廃棄物埋設地の覆土工事におきまして、礫を用いたベントナイトを採用するに至った経緯について御説明をさせていただきます。
 次に、4.砂ベントナイト混合土と仕様および確認の進め方にて、今後用いるベントナイト混合土の仕様について御説明した後、今後の確認の進め方についてお示しをさせていただきます。
 最後に、5.今後の対応といたしまして、当社がこれまで考えていた覆土に関する施設確認の進め方の反省点と今後の対応について御説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 2ページ目をお願いいたします。当社は1992年より1号廃棄物埋設施設に廃棄体を受入れ操業を開始いたしました。
 その後、2018年に事業変更許可申請を行いまして、覆土の安全機能や、1,000年後の長期的な安全評価結果をお示しいたしまして、透水係数や密度といった覆土の仕様について許可を頂戴いたしました。
 以降、1号廃棄物埋設地内の状況、具体的には覆土工事とLLW定置の干渉、あるいは覆土工事と7・8群建設との干渉を回避することで作業安全を確保することなど、安全、品質および覆土完了の工期を考慮いたしまして覆土の材料・配合・施工方法を2023年4月に選定いたしました。
 なお、ここで括弧書きとしている部分について、後ほど改めて御説明をさせていただきますが、当社としては、適合性審査で許可された性能を満足することを前提に、審査の中で説明した材料・配合のほかにも使用できるものがあると考えてございました。この考え方を説明し、その是非を確認していなかったこと、これが今回の大きな反省点であると認識してございます。
 また、4ポツ目に記載のとおり、2023年6月より面談を実施いただきましたが、規制庁が要求している技術上の基準に適合していること、および性能の実現性について、特に密度、透水係数につきましては、事前の施工試験で取得したデータでこれまで説明し、今年度7月に予定しておりました実機プラントを用いた最終の施工試験結果と合わせて、これまでの規制庁からのほかの疑問点に対して回答することを考えてございました。そのため、速やかに回答できていなかったというところもございます。そして、先日の4月24日、規制委員会の開催に至ったというのがこれまでの流れであると理解してございます。

 3ページ目をお願いいたします。当社の今後の対応方針について御説明をさせていただきます。
 これまでの規制庁との面談の結果、当社は適合性審査の要求性能は満足していると考えておりましたが、審査で説明していない材料・配合を用いるということは、技術基準に適合していることを説明するために、性能に関するデータを拡充する必要があり、御説明に時間を要するということを理解いたしました。
 放射性廃棄物の埋設処分におきましては、早期に埋設設備を覆土するということが安全上重要であると考えてございますので、覆土開始に速やかに着手するということを重要視いたしまして、適合性審査の中で既に説明しておりました砂とベントナイトの混合土を採用することといたしました。
 採用するベントナイト混合土の施設確認におきまして、今後、丁寧に説明を行い、要求性能を担保する項目について定めてまいりたいと考えてございます。
 また、当社は、今後、長期間の周辺環境への安全確保を最優先に考えながら、砂とベントナイトの混合土を採用した施工計画を検討していく方針としてございます。

 4ページ目をお願いいたします。本ページから、礫を用いたベントナイト混合土を採用していた経緯について御説明させていただきます。
 事業許可の中で、1号廃棄物埋設地の1〜6群埋設設備、こちらの覆土完了予定時期につきましては2027年としておりまして、LLW定置を行う操業と7・8群建設に加えて覆土工事を同じ埋設地内で期限内に完了させる必要がございました。
 このため、事業変更許可申請にお示しした覆土仕様、具体的には透水係数、厚さ、密度に基づきまして、埋設地内の安全、品質および工期、これらを考慮した上で覆土材料・配合・施工方法を検討いたしました。結果といたしまして、耐降雨性があり、工事エリアとの干渉が少ない、礫を用いたベントナイト混合土を採用しております。
 なお、ベントナイト配合量を増やしますと、一般的には低透水性が向上いたしますが、配合量を増やし過ぎることで泥濘化しやすくなり、締め固め性能や耐降雨性が低下するということが分かってございまして、したがいまして、礫と砂のベントナイト混合土におきましては、ベントナイト12.5%の配合量が適しており、ベントナイト20%の砂を用いた砂ベントナイト混合土と長期性も含め、同等以上の低透水性を当時は確認していたというものでございます。
 検討に当たり、考慮しました事項と評価概要につきましては、下表のとおりとなってございます。
 安全に関する事項として、長期間の周辺環境への安全性はもちろんですが、埋設地内における作業安全も加味し、評価を行いました。
 中段の品質に関する事項として、長期評価を含めた低透水性、降雨・降雪による施工中の担保、また、低透水性の確認、評価手法の妥当性について評価をいたしました。工期に関する事項といたしまして、覆土完了予定時期までに1〜6群埋設設備の覆土完了ができる工程の成立性を評価いたしました。
 以上が礫を用いたベントナイト混合土を採用していた経緯となります。

 5ページ目をお願いいたします。こちらは前回面談時におけるコメント回答を含んでございます。
 まずは使用するベントナイト混合土について御説明いたします。
 難透水性覆土の材料・配合につきましては、適合性審査において代表的なベントナイト混合土として要求性能を満足することを説明させていただきましたCaベントナイト混合土及びNa型のベントナイト混合土、これらのうち、現時点で放射性廃棄物の処分分野において研究対象とされていた論文数が多く、施設確認においても信頼性の高い確認項目、確認方法を設定できると考えられますことから、Na型ベントナイト混合土を用いることといたしました。
 また、その工法については、適合性審査にて御説明いたしましたように、覆土材を敷き流し、転圧により締め固めるという方法を予定しております。
 なお、前ページで御説明いたしました表の考慮事項と評価概要につきましては、砂とベントナイトの混合土を採用した場合におきましても、透水係数等の性能については問題がないことを確認しております。今後、砂ベントナイト混合土及び降雨対策設備等を用いて施工する場合におきましても、埋設地内の作業調整により、安全に支障がないように努めてまいります。

 6ページ目をお願いいたします。次に、現在想定しております確認項目と確認方法の案について御説明をさせていただきます。
 これらの確認項目及び確認方法につきましては、施設確認申請書に記載している内容をベースとしてございまして、一つ目の確認項目として、巨視的透水係数がございます。ここに、本書に記載しております難透水性覆土の巨視的透水係数が1.0×10-10m/s以下であることは施設確認申請書の記載でございまして、それに続く矢印以降の部分が具体的な確認方法(案)として提示しているものです。この矢印以降の部分につきまして、より詳細に、例えば確認する物性値や基準値といった定性的な閾値を今後相談させていただきながら決めていきたいと考えてございます。
 なお、下に参考といたしまして、巨視的透水係数の確認方法例がございますが、三次元管理図について説明をさせていただいております。この管理図につきましては、平均・標準偏差・相関長によって巨視的透水係数を管理するものでございまして、現地にて得られたデータが、グラフの中の緑色で示している基準面よりも低い透水係数を示す位置にプロットされていること、こういったことを確認し、巨視的透水係数が満足することを管理する方法の一例となります。

 7ページ目をお願いいたします。前ページから引き続きまして、管理項目として、厚さ、密度、収着性について管理方法の案をお示ししてございます。
 厚さにつきましては、難透水性覆土の厚さが2m以上あることを測量によって確認したいと考えております。
 密度につきましては、密度が1,100kg/m3以上あることを、砂置換法あるいはRI測定によって確認をしたいと考えております。
 収着性につきましては、難透水性覆土が所定の収着性を有するベントナイト混合土であることを、覆土材料が記載のベントナイト混合土であることを確認することで確認をしてまいりたいと考えてございます。

 8ページ目をお願いいたします。今後の確認の進め方について御説明させていただきます。
 当社が現在考えております説明事項は下記のとおりとなっておりまして、まず最初に、全体計画の説明、具体的には主な議題の整理及びその議論を行うスケジュールについて、まずは速やかに整理、認識合わせをさせていただいた後に、順次、それらの課題について説明をさせていただきたく考えてございます。
 説明事項といたしましては、下に記載のとおりですが、これまでの面談等を踏まえまして、有効Mo湿潤密度と透水係数の相関式の妥当性、巨視的透水係数の相関図、先ほどの管理基準面の妥当性、有効Mo湿潤密度を代替指標とした際の巨視的透水係数の評価方法及び施設確認における具体的な確認方法、これらについて、まずは議論する必要があると考えておりますが、最初に実施いたします認識合わせの中で、項目ですとか、そういった内容について、すり合わせをさせていただきたいと考えている次第でございます。

○近江埋設事業部長 それでは、9ページの今後の対応について、日本原燃、近江のほうから御説明させていただきます。
 当社がこれまで考えておりました覆土に関します施設確認の進め方の反省点について御紹介させていただきます。
 埋設設備の施設確認の場合、構築完了後に当社による自主検査を踏まえて、規制検査を通じて内容の確認をいただいているということから、覆土においても同様のプロセスを考えてございました。
 覆土の性能、例えば透水係数等につきましては、施工試験にて確認していたことから、実施工を通じて取得した種々のデータを踏まえて自主検査を実施する予定でございました。当社は適合性審査で説明したものと異なる材料・配合を使うことについて、規制庁へ相談することもなく施設確認の段階に進めてしまったところに問題があると思っております。ここの辺りは反省事項として考えてございます。
 また、透水係数の試験・評価手法の検討の計画について、スケジュールの相談も含め、事前に規制庁殿へ説明することなく、当社が考えた確認方法を提示したことにも問題があったと考えております。
 したがいまして、これらの反省点に踏まえて、今後の対応として、放射性廃棄物埋設施設における覆土工事は、当社として初めて実施するものであり、安全および品質の面で規制庁の理解を得たうえで、確実な施工を実施してまいりたいと思います。このため、適合性審査の中で覆土の要求性能が満足していることを説明していました代表的な材料・配合を採用したいと考えてございます。
 施設確認申請書に記載しておりました覆土の確認方法についても、当社のほうから積極的なコミュニケーションを行いながら御理解を得た上で進めてまいる所存でございます。
 御説明は以上でございます。

○田中委員 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして、規制庁のほうから質問、確認等をお願いいたします。

○細野企画調査官 規制庁、細野です。
 説明、ありがとうございました。一言で言えば、昨年6月から御説明を受けていた礫を混ぜることで、その見かけ上、ベントナイト混合率を増加させるといった扱いから、その事業許可時に説明をしていた砂とベントナイトの混合土に変更するという理解を我々としてしています、この資料においてですね。我々は、その礫を混ぜることで何を心配していたかというと、様々な技術的特性やその評価が変わると、事業許可時から変わるということをすごく懸念をしていて、そういう意味では、今回、その事業許可に戻ったという形については非常に評価に値するのではないかなと思います。そういう意味では、今後の確認のときに、その覆土の仕様を適合性審査時の説明に戻すという方針については我々として了解をしましたので、必要な資料を整えていただきたいというふうに思います。
 その上で、実際に用いるベントナイトの諸物性、これから新たに取得していくんだと思います。その中で、実際にまた事業許可でその説明した内容と異なるものがある場合は、またこういった公開会合を開いて、その真偽を明らかにしたいというふうに我々としては考えてございますので、その点、御留意いただきながら説明をお願いしたいというふうに思います。その説明は面談で結構ですので、面談の中で改めてこういう場が必要だと、こういう公開の場が必要だというのであれば、いつでも我々としては受けて立つという感じです。
 以上です。

○近江埋設事業部長 日本原燃の近江でございます。
 ありがとうございます。私どもも日本で初めて覆土という工事を進めてまいりますので、今後、実施試験の中で新たな知見が出てくることもあるかと思いますし、思ったとおりの性能が出てこないこともあるかと思います。こういった場合、速やかに御相談して、どのような対策を取ればいいのか、進め方、それから工事・工法、こういったものも御相談しながら慎重に進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。

○田中委員 あと、ございますか。

○細野企画調査官 規制庁、細野です。
 今、事業部長がおっしゃったように、まさしく9ページに書いてあるとおり、積極的なコミュニケーションを規制側と被規制側で行えればというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。

○田中委員 あと、いかがですか。

○入江技術研究調査官 原子力規制庁技術グループの入江でございます。
 施設確認について、少しコメントさせていただきます。今回の資料は難透水性覆土について、概念設計時の見通しに関する資料を示されているというふうに我々は認識をしています。今回必要なのは施設確認、後続規制の確認するに当たってどうすべきかというデータもしくは仕様を出していただかなきゃいけないということで、そこが少し認識がずれているんじゃないかなというふうに見ております。したがいまして、確認に必要な情報を今後出していただかないといけないという形になります。

 具体的には、例えば四つほどありますが、一つ目は、必要な性能は覆土に何を求めているか、これは大前提として許可時にも出されているものです。

 Aとして、その性能に対して、その性能が有することを確認するための品質管理項目といいますか、を出していただかないと何をやっているかがよく分からない。

 三つ目、この1番、2番、いわゆる性能と性能を示す品質管理項目の関係性をちゃんと説明してもらわなきゃいけないんですが、ここに示されているような概念的な見通しではなくて、実際、性能が出ているということを示していただかなければいけませんので、その示し方は幾つかあるかと思いますが、実装データといいますか、実験データといいますか、実際のデータといいますか、そういうものできっちり説明していただかないと、見通しだけでは判断が我々はできないということになります。

 四つ目、品質管理項目は、当然、今言ったように示していただくんですが、じゃあ、管理基準としてはどういう管理基準を持って、その判定基準、何をもって合格だという、そういう指標を、具体的な数値指標も含めて説明していただかないといけないということでございます。

 あと、今回の資料の9ページ目の最後のところに今後の対応という部分がございます。ここに「適合性審査の中で覆土の要求性能が満足することを説明している材料・配合を採用する」というような文言が書いてあります。いわゆる先ほど議論がありましたように、元へ戻すということなんですが、じゃあ、元に戻すというのは何を具体的に言うのかというところが全然示されていない。例えばNa、20%というような、一般的な言い方としてはこれで構わないと思うんですが、化学特性とか、いろんな性能の審査をしていますので、Na、20%だけでは我々としても特定できないので、もう少し具体的なものを示していただかないといけないと。
 審査時の説明は、Ca型、30%で実は行われているわけですよね。確かに特性の異なるベントナイトの等価透水係数の確認は一部示されていて、Na型、20%でも同等であるというような文言が確かに一部入ってございますが、全ての要求性能に対して示されているわけではないので、元へ戻すということになればCa型、30%ではないかというふうに我々は想像をしているところなんですが、先ほどNa型、20ですという宣言をされたので、そこの不整合なのかどうかという問題はこれから発生してくるということですので、きっちり性能を確認するための性能を示すデータをちゃんと出していただかないといけないというふうに考えています。

 それともう1点、適合性審査の中では安全機能を持たせる覆土ということで、下部覆土、難透水性覆土に、プラス下部覆土も安全機能を持たせる対象となっていますが、今回の資料では、下部覆土に関する情報というのは一切示されておりませんので、今後は確認をするに当たって、難透水性覆土と同等の性能といいますか、仕様をちゃんと示していただくということが必要になってきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○太田チームリーダー 日本原燃の太田でございます。
 コメントについて承知いたしました。繰り返しになってしまいますけれども、まず大きな一つ目といたしましては、性能は何であるのかというところ、また、それを管理するための項目はどのように設定するのか、それら二つについて関係性を説明するとともに、管理基準について実際のデータ等を用いてお示しする必要があるということを認識いたしました。

 また、二つ目といたしまして、実際のベントナイトの性状につきまして、Na、20ということだけではなく、もう少し具体的な説明、あるいはCaとNaについての説明の違いといったところ、審査時のときとの、仮に不足していた部分があったとして、そこの説明を追加するといったところも加えて説明しなければならないというところも認識いたしました。
 最後、下部覆土ですね。難透水性覆土だけではなく、もちろん要求性能を求められている下部覆土につきましても説明をさせていただきたいと考えておりますので、こういった、どんなことを整理しなきゃいけないのかといったところ、8ページにも説明してございますが、速やかに項目出しをして、洗い出しをして、今後のスケジュール感を立てていきたいと考えております。

○入江技術研究調査官 規制庁の入江でございます。
 今のことをよろしくお願いします。
 それと、一つだけ確認なんですが、今日も提出していただいている6ページ目に、巨視的透水係数の確認方法の例ということで、こういう方法を使って今後説明をされるということかと思いますが、こういう手法というのは今回の覆土に対して、適用できるということをまず示していただいた上で進めるというのが基本的な考え方でございますので、透水係数を示していることを確認するということではなくて、この手法そのものが今回の覆土の性能を評価する上で十分妥当であるという前提があって、この手法を採用できるわけですので、そういう観点でも含めて見ていただければと思います。
 以上です。

○太田チームリーダー 日本原燃の太田でございます。
 今ほどの6ページ、巨視的透水係数に関する御説明につきましても、論点、理解いたしました。この手法自体そのものが適用できるかといったところを踏まえまして、繰り返しになってしまうんですけども、8ページで言うところの下から二つ目、有効Mo密度、あるいは透水係数になることもなるかと思いますが、巨視的透水係数の評価方法というところで項目をお出しさせていただいております。こういったところも今後整理していきたいと考えておりますので、引き続き御相談をよろしくお願いいたします。

○田中委員 いいですか。

○真田主任安全審査官 研究炉等審査部門の真田でございます。
 ちょっとスライド6ページ目を開いてもらっていいですかね。私からは、巨視的透水係数と、あと施工関係について、6点、コメントしたいと思います。
 おさらいなんですけど、4月24日に規制委員会で諮ったときに、確認が必要な事項としてその二つを挙げられて、一つは許可との関係はどうなんですかという話があって、これは先ほど説明があったとおりかと思います。もう1点は、その巨視的透水係数というのをどう定めるのか。委員会の資料によると、この係数を算出する標準的な算定方法がないということなので、じゃあ、具体的に現場で巨視的透水係数というのをどうやって測るのか、どうやって求めるのかというのが技術的な論点として挙げられましたので、ちょっとその巨視的透水係数を中心に6点、お話ししておきたいと思います。

 1点目なんですけど、ちょっと今回、その巨視的透水係数、具体的にどう出すのかというのは資料としてないので、恐らくこの6ページ目を見ると、この下に管理基準断面というのがあって、X軸が相関長、Y軸が平均値で、上に標準偏差というのがあるので、恐らく統計的なパラメータを取って管理基準断面を作ると。実際の施工、要するにモックアップの覆土で管理基準断面を作って、現場でも測って、管理基準に収まっているのかというようなことをしようとしているんだろうなと思うんですけど、そうなんだとすると、実際に現場でどうサンプルを取るのかとか、その統計パラメータですね、このスライドに書いている平均とか標準偏差とか相関長とかというのはどうやって出すんですかとか、恐らく地盤のモデルも作ったりとか、浸透流解析したりとかというのもあると思うんですね。最終的にその透水係数というものを出すと思うんですけど、ちょっと先ほどもコメントがありましたけど、そういう標準的な算定方法がない中で巨視的透水係数を出すという、この一連のフロー、その既往の技術開発の実績と、あとその妥当性というのをしっかり説明してもらいたいと思いますというのが1点目でございます。

 2点目なんですけど、この巨視的透水係数を求める全体のフローというのが恐らくあるはずなんですね。Aという行為をして、Bという行為をして、Cという行為をして、最終的に巨視的透水係数を出すという手順があると思いますので、それぞれのフローの各段階において具体的に何をするのか。それは具体的にどう技術的に妥当なのかというようなことが分かる分かりやすい資料を作ってもらって面談で説明してください。

 3点目です。施設確認という行為を今後するんですけど、その施設確認というのはまさに許可を得て、事業変更許可を得て建設した施設が許可どおりになっているのかというのを確認するものでありますけれども、恐らくこの覆土についてはモックアップ試験、つまり現場と違うところで作ったデータ施設で求めた相関長などの統計量に基づいて、いわゆる管理基準面を作ると。実際の現場で得られたデータを基に、適宜必要であればこの管理基準面も変えたりとか、いわゆるイタレーションみたいなものをやると。管理基準、要は現場の覆土とモックアップ試験の覆土でパラメータは変わりませんよねということであれば管理基準面はそのままでいいんですけど、場合によっては管理基準面を変えたほうがいいんじゃないのということになれば適宜修正するというようなことも論理的にはあると思うんですけど、したがって、実際の現場、実際の覆土とモックアップ施設で、当然その物性は異なりますよね。したがって、実際の覆土と、あと管理基準面を定めるために作ったモックアップ施設で得られたデータの双方をどう活用するのか。要は双方の関係性ですね。それをちゃんと十分に説明する必要があると思います。つまり分かりやすい例を言うと、実際の覆土というのと、そのモックアップ施設での大きさは同じなんですかとか、施工方法は同じなんですかとか、材料とか品質管理は同じなんですかとか、それらに起因する透水係数がばらつくと思うので、そこも同じと考えてよいのか否かというのをしっかり整理して、モックアップ試験と、あと現場の覆土の関係性を技術的にしっかり整理してもらいたいと思います。これは3点目です。

 4点目なんですけど、今回説明がなかったんですけれども、当然、上の覆土だけじゃなくて横の覆土、側部の覆土も恐らくやるんだと思います。今回、一切言及なかったんですけど、側部の覆土というのも安全評価上、重要だと思います。要するに、上の覆土は降雨に対しての関係で重要ですけど、この横の覆土というのは、地下水は横に流れますよね。したがって、その側部の覆土も一体どう施工するのか、ちゃんと性能は保たれるのかと言って、側部だとスペースもあんまりありませんよねというのがありますので、しっかりその上の覆土の話だけじゃなくて、側部の覆土についてもしっかり説明してください。

 5点目ですね。これは先ほどと重複しますけど、難透水性覆土及び下部覆土のベントナイト混合土層については、それらの仕様が許可時と同じものであることを前提として、施工方法等についても事業化時の要求性能を満足することの見通しを得た上で、モックアップで初期の性能があることをデータ取得して説明してもらうという理解でよいでしょうかというのが5点目ですね。

 最後の6点目なんですけど、今回、そもそも事業許可のものと違って、礫とベントナイトを使うというのを当初考えましたと。その理由はなぜかというと、施工中の降雨とか降水とかの対策とか、あと埋設地の安全、操業・建設との干渉とか、そういうのを回避したいというのを考えると、礫ベントナイトのほうがいいんじゃないかというようなことだったと思うんですけど、今回、砂ベントナイトの施工にしたことで、もうちゃんと当初懸念していた施工中の降雨・降水対策であるとか、その埋設地の安全、操業と建設との干渉があって何かトラブル等が起きないのかというのはしっかり検討してもらって、この事業許可時の施工方法であっても、順調に工事が行われるようにと、安全上も問題ないような形で対応してもらいたいと思います。

 かつ、覆土の施工期限の話があったと思います。ちょっと施工期限についておさらいしておきますと、当初この事業変更許可をしたときに、平成30年8月1日付で受けた当初申請では、この覆土の完了時期というのを後ろ倒しにしますと、10数年後ろ倒しにしますとしていたんだけれども、その審査の中で議論をして、覆土をするまでの間の放射性廃棄物による被ばく線量が比較的高いというのもあって、結果として後ろ倒しにしないで、その覆土期限を厳守しましょうという形になったという経緯があります。したがって、覆土期限、現行の許可ですと2020数年という形で、まだ時間もありますので、しっかり許可どおりの施工期限内で覆土が完了するように、そういうお約束ですから工程管理をしっかりして、今後の手続も規制庁と密にコミュニケーションを取ってもらって、許可どおり、しっかり覆土が完了されるようにハンドリングしてもらいたいと思います。
 私からは以上です。

○佐々木副事業部長 日本原燃の佐々木でございます。
 今、6点、プラス最後、工期の話がございましたけれども、最初のほうの3点目までですかね、巨視的透水係数の確認の方法、考え方、今、御指摘のありました点、まさに私どものほうでそういうことを順序立てて御説明をこれからさせていただこうというふうに考えておりましたところですので、この後、速やかに進め方の協議をさせていただく中で、今のお話があったようなことを全て網羅して説明を進めてまいる予定でございます。詳しくは、またそのときに御説明をさせていただきたいと思います。
 それから、側部についても御心配を受けましたけれども、上部も側部も同じように品質管理をしていくということで考えておりますので、そこは特に差別なくやるというつもりでございます。この辺も具体の御説明は今後させていただきます。
 それから、モックアップの試験をして難透水と下部覆土ですね、それも含めて性能の確認をしていくということの御確認がございました。基本的に今までも室内試験をスタートに現地での施工性試験というのもやって、施工の見通し、室内で性能が出るというだけではなくて、現地でも性能が出るということを確認して進めてまいりましたので、今回も同じように現場の施工性試験というのを踏まえて、最終的には進めていくというふうに考えてございます。
 それから、礫を混ぜたベントナイトを選んだ理由の中に耐降雨性とかというのがありましたけど、今回、砂とベントナイトを混ぜたものに戻して、その点が大丈夫かという御質問もございました。私どもは施工方法を工夫することによって、少し手間ですとか、そういうところはかかるかもしれませんけれども、手法としては砂とベントナイトであっても降雨の影響を受けないような施工方法というのは取り得ると考えておりますので、今回、方法を変えたことによって性能に影響を来さないような方法をきちっと決めてやってまいりたいと思います。
 最後に、覆土の期限のことでございますけれども、今お話がありましたように、前の事業変更許可のときに当初の施工期限を守るということで一度許可をいただいております。ちょっと今回のこの件で、私どもは施工計画を今からもう一回練り直す必要がございますので、施工の計画については少し精査は必要でございますけれども、もともとの目標を目指して頑張って進めるということに関しては、その方針でございますので、改めて今から施工方法等を詰めてまいりますので、またそれが具体的になった段階でこの件に関しては御確認、御相談をさせていただきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

○真田主任安全審査官 規制庁、真田でございます。
 お返事を聞いている限り、指摘自体はちゃんとキャッチアップされたと思いますので、しっかり資料等を準備して、今後、面談で説明してもらいたいと思います。
 私からは以上です。

○近江埋設事業部長 日本原燃の近江でございます。
 今し方頂いた6点の御質問などにつきましても、私どもから覆土の実際の試験などを実施してデータをお示しし出したところでこれだけ議論が深まったものだと思っております。したがいまして、我々が考えていたところで足らないところ、具体的にまだ規制庁さんの理解が得られてないところ、そういったものがこれまでの検討の中で、より具体的になってきたと思いますので、一つ一つ、今日出された疑問点に応えてまいりたいと思います。それから、今日、コメントいただきました内容については非常に多岐にわたっているとも思いますので、それぞれの項目一つ一つ、しっかり確認して合意を得て進めてまいりたいと思います。したがいまして、覆土の完了につきましては、これからの議論の中で具体的に施工計画が決まってくるものと思っておりますので、その都度御相談しながら進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中委員 あと、ありますか。

○大塚上席技術研究調査官 放射線・廃棄物研究部門の大塚でございます。
 今日御提出いただいた資料の中で、覆土の具体的な仕様についてはお書きいただいているかと思うんですけれども、これは5月22日のヒアリングにおいて、その覆土の具体的な仕様を示すように規制庁のほうから伝えたもの、それを反映されてのことと理解してございます。なぜ我々が具体的な仕様が重要であると考えるのか、その趣旨について少しお話しさせていただきますと、今の議論は、性能の見通しではなくて、先ほどの議論にもありましたとおり、確認の段階に入っておりますので、確かに許可時に想定した性能を発揮することを確認しないといけない。そのためには、具体的な仕様に基づいて取得したデータを確認する必要があると考えております。本日の資料の5ページ目に20wt%のNa型ベントナイト混同土を用いるとあるんですけれども、これに関して技術的な点で今後4点確認したいと考えてございます。
 まず1点目は、ベントナイト混合土に使用する各材料の仕様になります。低透水性の観点から言いますと、ベントナイト中のモンモリロナイト含有率と随伴鉱物、これが重要なパラメータになってくると考えてございます。ベントナイトというのは、御存じのとおり一般名称ですので、例えば金属材料であればSUS304と言えば主成分も微量成分もある範囲できちんと決まるんですけれども、ベントナイトの場合にはそういう規定はありません、ないと理解しています。したがって、一言でベントナイトといっても、そこにどれだけの低透水性に寄与するモンモリロナイトが入っているのかというのは、産地ですとかロットによって変わってくると考えてございまして、特に原燃の施設の安全性において重要なのは、線量評価の前提となっている長期の低透水性がきちんと担保できるのかというところだと思っています。そういった観点からいきますと、例えばモンモリロナイトの量が少なくなると長期的には化学的劣化に対する抵抗性は弱まってくるというようなことも懸念されます。したがいまして、単に20%、Na型ベントナイト混合土だけではなくて、そこに使う材料の仕様を具体的に特定して性能を発揮することを示していただく必要があると考えております。先ほどの御説明の中で、データが十分に取られているベントナイトを使うというような御説明をされていたかと思いますけれども、我が国において、特にそのデータが十分に取られているというのはクニゲルV1というベントナイトと思っておりますけれども、それを使うのか、またはほかのものを使うのか、これによって実際の確認のときに、そのデータのばらつきとか、そういったものをどこまで見るのかというのは大分変わってきますので、今後、その点、明らかにしていただきたいと考えております。

 2点目は、巨視的透水係数になります。これは先ほど真田からの指摘にもありましたけれども、今回の覆土に使用する材料の仕様、配合を踏まえて、どのようなデータを取り、また、当然、実験にはばらつきが伴いますので、そのデータの不確かさ、ばらつきをどのように扱って、最終的な巨視的透水係数の算出まで持っていくのか。これについては6ページのところで、今後、具体的なフローとともにお示しいただけるという御説明があったかと思いますけれども、そこについてもよろしくお願いいたします。

 3点目は、施工時の密度管理になります。資料の7ページに「難透水性覆土の密度が1,100kg/m3以上であること」とありまして、それを「施設確認においては、砂置換法およびRI測定によって所定の密度が確保されていることを確認する」というふうにあります。ここで20%のNa型ベントナイト混合土で、密度1,100kg/m3だとすると、事業変更許可時の審査資料からひもといていきますと、想定される透水係数は10-6〜10-7m/sぐらいだというふうに理解しておりまして、10-10をこの密度1,100だけで担保するということはできないのではないかと考えております。ですので、実際の施設確認を行う際の密度の管理目標値をどのような値で設定するつもりなのか、そこを今後データとともに示していただきたいと考えてございます。

 4点目は、収着性(分配係数)に関してです。事業変更許可時の審査の際には、Na型ベントナイトが将来、Ca型化していくわけなんですけれども、それがどこまで進むのか、不確かさが大きいということで、あらかじめCa型ベントナイトを用いて各種データを取得してきたものと理解しています。今回、資料の7ページに、収着性が「(1)、(2)のいずれか又は同等」であることとされています。ここで(1)というのは、Ca型ベントナイト、30%と同等であること、これは分かるんですけれども、(2)、これが「Na型ベントナイトが15wt%、20wt%又は30wt%」というふうになっておりまして、この(2)と同等であればよいとする理由というのがちょっと分からないので、これについてはまた今後、その理由とともに御説明いただきたいと考えてございます。

 以上4点、今後の面談等において確認させていただきたいと考えてございます。

○小澤評価技術課長 日本原燃の小澤でございます。
 今頂いた4点については承知いたしました。特に長期の性能変化を評価する上では、やはり材料の仕様というのを細かく設定して、解析自体も、許可の際の説明の際にも細かい物性等を設定して評価しておりますので、今後、実際、覆土するに当たって、その得られたデータを踏まえて必要に応じて事業計画のときに説明した内容と異なる場合は、また改めて再評価をして御説明させていただきたいというふうに思います。
 あとは、具体的にどういった材料を使うかにもよりますけれども、細かいデータをお示しするというのと、あとは、最後にあった収着性に関しましても、許可のときに説明したときは、やはり代表的な材料ということで御説明していますので、こちらについても今後、具体的に用いる材料での試験データ等をお示しして、妥当性のほうを確認していきたいというふうに思います。
 以上でございます。

○佐々木副事業部長 日本原燃の佐々木でございます。
 1点追加で、最初の御質問の使うベントナイトの材料でございますけれども、今お話がございましたように、クニゲルV1に関するデータが現状たくさん充実しているというふうに思っておりますので、私どもが現在、クニゲルV1を使って御説明をしていこうというふうにも考えてございます。

○大塚上席技術研究調査官 放射線・廃棄物研究部門の大塚でございます。
 今後のデータの提示についてはよろしくお願いいたします。
 また、今おっしゃられたクニゲルV1を使って今後御説明いただくという方針である旨、承知いたしました。よろしくお願いいたします。

○田中委員 あと、ありますか。

○奥山上席監視指導官 核燃料施設等監視部門の奥山でございます。
 私のほうからは、一連の対応についての原燃さんの認識の確認を1点と、対応の改善ということで原因について当方の現状の理解について端的にお伝えしようと思います。今回、一切説明がございませんでしたけども、これまで面談にて説明を受けた参考資料というのが後ろについております。この参考資料に記載されているベントナイト混合土につきましても、原燃の新提案につきましては、これまで面談や透水試験の現場確認ということも、調査ということもやってまいりましたけども、規制庁から事業変更許可時の性能を満足することが本当にできるのかということについて多くの質問を投げかけ、また規制庁から説明が必要な事項というのもお伝えしてはおりましたけれども、科学的論拠に基づく納得感のある回答とか、データ等に基づく説明が残念ながらなかったということでございます。それにもかかわらず、5月22日の面談のときには、これまでは覆土のモックアップ試験をやって試験データを取得して説明するというふうに聞いておりましたけれども、一変して、実機、すなわち1号埋設の北側で覆土施工後に事業許可時の性能を満足することを説明する予定だということを示されたわけでございます。ここでちょっと原燃の認識の確認なんですけども、この一連の原燃の説明、私たちは安全活動というふうに捉えますけども、原子力規制検査の対象になっているという原燃の認識でいいかということをまず確認しておきたいと思います。

 二つ目でございますけども、先ほど原因についての当方の理解でありますけども、先ほど説明がありました資料1の9ページ目に今後の対応というのが5ポツにありまして、三つ目のポツのところに、規制庁に相談することなく施設確認の段階に進めてしまったところに問題があったと。また、六つ目のポツのところに、覆土の確認項目の具体的な確認についても、積極的なコミュニケーションを進めながらやっていくというふうに記載がありますし、説明もいただきましたけども、単にコミュニケーションの問題だけじゃなくて、設計管理の問題とか、今回、恐らく事業許可のときから変更しているので設計変更というようなこともかけているのではないかと思いますけども、この辺にも問題があったのではないかというふうに考えております。
 また、現地の事務所の検査官から情報が入っておりまして、今回の事案は原燃の埋設部の5月28日のCAP会議で、CRが上がっているということは情報を入手していますので、CRを上げて速やかに改善を進めようとしているということはよい点だと思いますけども、まず改善するということは原因究明がしっかりできているということが前提でございますので、ややちょっと事実誤認の部分があるのではないかということでお伝えいたします。それは、このCRの中では、規制庁は覆土の仕様を許可要件と考えているということで理解を得るのに時間がかかるので、覆土の仕様を許可時の仕様に戻すんだというような記載があると聞いておりますけども、規制庁は、原燃が、この新しい覆土の仕様が許可基準規則に適合しているということを科学的論拠に基づいて説明できないというところに問題があるのではないかというふうに捉えております。
 取りあえず、ここまでにしておきます。

○佐々木副事業部長 日本原燃の佐々木でございます。
 幾つかの御指摘を受けておりますけれども、まず、私どもの施設確認に関わる活動に関しては、これは当然のことながら規制検査の対象であるという認識を当然して進めてございます。そこは間違いございません。
 ちょっと先ほどの中で私どもの御説明が言葉足らずだったりしたところもひょっとしたらあったかと思うんですけども、今までの御説明で、私どもは、モックアップだったり、実機だったり、ちょっとそこの言葉の定義が必ずしもきちんとしないまま議論していたところもあったかと思いまして、その辺でこちらの思いと少し合わなかったところがあったかと思いますけれども、私どもは、今までは事業許可までは室内試験、それからその当時の施工性試験、いわゆるそれをモックアップと言うのですかね、実際の現場での施工機械を使った施工性試験のデータ、そういうものも踏まえて、事業許可の段階で一旦、性能の見通しについての御説明をして許可を頂いておりました。
 その後、実際に、今回で言いますと、礫を混ぜたベントナイトを昨年の春の段階で決めた後につきましては、改めて今回作ろうとしていた覆土の配合に基づいて現場での施工性試験、いわゆるモックアップ試験、これを昨年秋に行って、その後、そこから取ったサンプルで室内試験なども行って、いわゆるモックアップ試験というのを、一連のものを昨年から今年にかけて行っておりました。
 その後、今年の7月を目標に、今、実際に覆土を施工するためのプラントを建設中でございますけども、プラントができますので、そのプラントを使って、最終的にもう一度、それを実機を用いたという試験ということなのですけど、実機を用いた試験で、これは確認の方法の具体、例えばそこには試験の方法もありますし、どの程度サンプルを取ったらいいかという数量的な問題もありますし、そういったようなところを最終的に決めるための試験、これが実際のプラントで練らないと多少その結果が変わる可能性がありますので、そういう意味で実際のプラントができた後、実機によって施工性の試験をして、その結果を用いて確認の方法等を決めて、規制庁さんのほうに御説明をした上で実施をしたいというふうに考えてございました。そういう意味で、それを、その実機を用いた施工性試験の御確認、それを踏まえた我々の確認方法の説明の御確認をいただいた上でやろうと思っておりましたので、そこを規制庁さんに断りなく勝手に進めるというふうに予定したわけではございませんでして、ちょっとこの辺の御説明がきちんとできてなくて少し誤解を与えていたとしたら大変申し訳ございません。実態としてはそういうことでございます。
 今後につきましては、改めて、また砂とベントナイトを混合した覆土に変更いたしましたので、同様に砂とベントナイトの混合した覆土に関して、最終的には実機による施設確認のための試験まで行って御説明した上で本番の施工には入ってまいりたいというふうに今は考えてございます。
 それから、CRの変更等について最後ちょっとお話がございましたけれども、今、御指摘いただいたように、私どもは、許可基準規則に礫を混ぜたベントナイトというのが適合しているというふうに、ある意味でそう考えて進めてしまったというところが問題点であるという認識はそのように思っておりますので、ちょっとCRの記載が少しそこからずれてという御指摘だったかと思いますけれども、私どもの認識は、22日の面談のときも、今日の資料でも書いてありますとおり、認識としては許可適合性評価のところで適合しているというところに、礫とベントナイトを混ぜたものがそれに当たらないということであったという認識をしておりますので、今後、今回の事象が起こった対応策等を検討する上では、そこはそういう認識の下で進めてまいる予定ではございます。
 以上でございます。

○奥山上席監視指導官 核燃料施設等監視部門、奥山でございます。
 回答、ありがとうございます。一つ目の、やっぱりモックアップ試験の件につきましては、ちょっと、やはり随分ずれているんだなということを思いました。このモックアップ試験は、やはりちゃんとそこでデータを取ったら実機でそれを適用していいぐらいの、ちゃんとデータを示していただかないと、とても実施工というところに行けないだろうというのが、通常そう考えるんだと思いますけども、どうも原燃のほうで考えていたステップと何か随分違うというような認識ですので、今後、これは確認の中で進めるということで、許可時の仕様に戻したものでもう一回スタートだということなので、よくその辺の認識も合わせた上で御説明いただきたいと思います。
 また、CRの件では、どうも事実と違う記載があったという御認識だということなんですけど、それであれば、設計管理、設計の変更管理というようなところ、しっかり設計したものをレビューして、ちゃんと検証してというようなプロセスがちゃんと出来上がってないと、これまた調子が悪いんじゃないかと思いますので、その辺も含めて原因究明と改善ということをお願いしたいと思います。この辺は、規制検査の中で、日常検査の中でもフォローを予定しております。

○近江埋設事業部長 日本原燃の近江でございます。
 今、たくさんコメントを頂いたところがありますが、総じて私ども、今回、具体的な施工方法、手順、それから材料について具体的な説明をさせていただいたところでたくさん御議論が出てきたし、疑問点もたくさん頂いたと思っております。こういった経緯を踏まえると、私ども、もっと早い段階から私たちの考えていること、進める方向について御説明しながら進めていくべきだったというのが反省点でございます。今日頂いたコメント、懸念事項ということでたくさん頂きましたので、今日頂いたコメントをしっかり対応して進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○入江技術研究調査官 規制庁、入江でございます。
 今、佐々木さんのほうから、予備試験とか実施プラント等の御説明があったんですが、ずっと先ほどから面談も含めて聞いていると、データはもう実は全部そろっているんだよというのが大前提にあると。先ほど、モックアップ等は定義といいますか、そこの見方がちょっと違ったんじゃないかなというお話があったんですが、そうすると、事前に今までやられていたものは予備的な実験で、これから本格的な実装といいますか、そこをやろうとしていた時期だと、そういう説明があったかと思います。そうすると、元へ戻ったわけですから、データも莫大にあって、あとは実装のところだけをやればいいわけですので、実装はそもそも今からやろうとしていたわけですから、工程管理上は申請どおりが確保できるということで、これから実装のプラントを造ってやろうという予定だったわけですから、元へ戻ったこと、それとデータもいっぱいあったということですので、これで工程が延びるというふうにはならないと思うんですが、そういう意識でよろしいでしょうか。

○佐々木副事業部長 日本原燃の佐々木でございます。
 今おっしゃられたように、元に戻すということで、かなりの部分は既にある情報が使えると思っております。それに基づきまして、これから計画を今から、今、立てようとしている状況でございますので、工程につきましては、施工計画、これから立てた上になりますので、ちょっと今日の時点では具体にどうなるかはまだ手元には情報がないんですけれども、もともとの工程を目指して取りあえず進めていくと。ちょっと今日の段階ではそういうような形でお答えをさせていただいて、また検討が具体的になりました時点で状況を御説明していきたいというふうに考えております。

○入江技術研究調査官 規制庁、入江でございます。
 また面談でその辺はいろいろと御説明いただきたいと思いますが、どう見てもデータが全部あるということと、実際、礫であろうが砂であろうが、これから実施プラントを造って実際の工程どおりやろうとしているのに、工程が延びるという要点が全然見えてこないんですが、そこはちゃんと面談で示していただければというふうに思います。
 以上です。

○近江埋設事業部長 工程に関して、日本原燃の近江でございます。
 私ども、今回頂いたコメント一つ一つ丁寧に回答して御理解をいただいた上で実際の工程に進めてまいりたいと思います。期限ありきで進めるということではなく、一つ一つのステップにおいて、今日頂いたコメントをクリアした上で次のステップに進めてまいりたいと思いますので、その辺り、また面談で御説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○田中委員 はい。

○村田安全規制管理官 核燃料監視部門、村田でございます。
 私から最後1点だけ、もうたくさん質問を出させていただいたので、それについてお答えいただくということは当然だとは思っているんですけれども、これまでも何回も面談なり、その現場を見させていただくとか行ってきましたけれども、なかなかその回答が、皆さん、データをお持ちですというお話をされて、我々の質問に対しての回答がなかなか来ないという状態が去年から続いていたということを聞いていますので、そうすると今日、しっかり答えさせていただきますというふうに言ってはいただけるんですけれども、それがいつ出てくるのか、この先どういう感じで進んでいくのかというのがちょっと見えない状態が、去年あったということで、少しそこについての信頼性というのは我々の中でも皆さんに対してはなくなってきているというのが現状ですので、そこで今後どういう感じでやっていくのかというところは、ちょっと定期的に我々と面談をさせていただくような形にしないと、またずるずると延びていってしまうと、皆さんも困るかもしれませんし、私たちも本件について労力をかけないといけないものですから、そこについてはしっかり定期的に今後検討というか、その検討内容を我々のほうに面談で確認させていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

○近江埋設事業部長 日本原燃、近江でございます。
 御提案いただいたとおり、私どもが適切なタイミングで回答できていなかったというのが、我々の思いとデータをそろえてからという辺りの時間軸と規制庁さん側の心配事のあれが合ってなかったというのは事実だと思っております。今御提案いただいたとおり、定期的に我々の進捗状況を御説明する場を設けながらしっかり進めてまいりたいということに、御提案については賛同いたしますので、ぜひ我々もそのような形で進めさせていただければと思います。今後とも定期的な面談していただけるよう、よろしくお願いいたします。

○古金谷緊急事態対策監 すみません、規制庁の古金谷です。
 これは今後の取組の中で、ちょっと規制庁の皆さんにもお願いしたい話があるんですけど、要はいろんなデータをもうお持ちだと言った場合に、こういう加工したデータは、むしろ要らないと思っています。むしろ生のデータを持ってきていただいて見せてもらう。それを多少説明する資料というのは用意してもらってもいいかもしれませんけれども、それだけデータがある、データがあると言ってるんだったら、加工する時間なんかは省いてもらって、ポイントだけ説明資料に書いてもらって、あとはこれが生のデータですという形で見せてもらったほうがよっぽど信頼性があると思いますので、そのほうが迅速にもなると思います。かなり膨大なデータであれば面談を現地でしてもらっても僕は構わないと思って、ちょっとそういう形で生のデータも見に行ってもらっても我々職員はいいと思いますから、そういう形で、データがあると言うのだったら、ありのまんまのデータも必ず見せていただきたいなと思います。
 以上です。

○田中委員 議題の1関係はよろしいですか。
 じゃあ、次に、議題の2として、その他というのがあるんですけども、これは何か。

○細野企画調査官 規制庁、細野でございます。
 本日の説明で、その覆土の使用については、許可時のものに戻すということもありましたので、これからは具体の確認の方法に入っていくわけですが、これについては通常の検査と同様に面談の場でその整理をしていきたいと。当然、一番冒頭で申し上げたとおり、ちょっとおかしな点が認められるのであれば、公開の会合でまた問題を明らかにしたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○田中委員 あと、全体を通してございますか。
 では、私のほうから一言、二言。これは御存じのとおり、実用炉とか再処理工場、MOXと違って、第2次埋設、1もそうですけども、その地下のところについては設工認がないんですね。設工認がないときに、我々規制庁として、規制委員会としても、審査のときに約束されたことをどう見ていくのかというのは大変重要なことでございます。ということで、やっぱり途中途中で規制庁としても、どういうふうになっているのかということを説明しないといけないですし、やっぱり設工認がないということを理解していただいて、事業者のほうからも、こうこう、こうするんですよということをこちらから要求しなくても説明してもらうことが大事かと思います。そういうことで、定期的に面談をし、必要があれば公開の場で意見交換があってもいいかと思います。
 また、この問題について、昨年の国際アドバイザーとの意見交換のときに議論がありまして、結論的には規制庁としても、実際に審査した審査部門の人と実際に検査とか監視している監視部門が情報公開をよくしながら見ていかなくちゃいけないんだというふうなことも言われました。ということもあって、本日は審査部門も監視部門も来ていただいているし、また、この辺の処分の専門的な知識を持っている放射線・廃棄物の研究部門の人にも来ていただいて、やっぱり規制庁としても総合的にこれから見ていこうと思いますので、今後もよろしくお願いします。
 また、特にいろんなことで途中、途中で確認が必要ですので、面談とか等々やっていきたいと思います。よろしくお願いします。
 あと、よろしいですか。
 じゃあ、なければ、これをもちまして、本日の会合を終了いたします。ありがとうございました。
 
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●資料1の1〜9ページ目のテキスト化(引用者作成)
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資料1

     1号埋設地の覆土仕様および確認の進め方について


           2024年6月4日
          日本原燃株式会社

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目次
 1.はじめに
 2.当社の対応方針
 3.礫を用いたベントナイト混合土を採用していた経緯
 4.砂ベントナイト混合土の仕様および確認の進め方
 5.今後の対応

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1.はじめに

・当社は1992年より1号廃棄物埋設施設に廃棄体を受入れ操業開始。
・2018年8月に事業変更許可申請。
・2021年7月の事業変更許可を踏まえ、1号7・8群埋設設備[ 注1 ]の建設を開始し、現在、1〜6群の覆土完了に向けて準備工事を実施中。
・当社は、1号埋設地内では操業(LLW[ 注2 ]の定置など)、7・8群建設、覆土を同時に進める必要があり、安全(操業・建設との干渉回避)、品質および工期を考慮して覆土の材料・配合・施工方法を2023年4月に選定。
 〔適合性審査で許可された性能を満足することを前提に、審査の中で説明した材材料・配合の他にも使用できるものがあると考えていた。〕
・2023年6月21日、12月1日に面談を実施したが、規制庁が要求している技術上の基準に適合していること、および性能の実現性について、当社は規制庁の疑問点に対して速やかに回答できていなかった。
・2024年4月24日に規制委員会が開催。
「事業変更許可時の説明と異なるベントナイト[ 注3 ]混合率の仕様(12.5%)の覆土を用いるとしている。このため、事業変更許可時の説明の性能の実現可能性について確認する必要がある。」
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[ 注1:引用者作成 ]日本原燃のHPに1号廃棄物埋設地の がある
以下のアイコンをクリックすると原寸大の図が表示される

日本原燃の HP によれば1号廃棄物に埋設する廃棄体は「原子力発電所の運転に伴い発生した低レベル放射性廃棄物で、濃縮廃液、使用済樹脂、焼却灰などをセメント、アスファルト、プラスチックを用いてドラム缶に固型化したものです。」

[ 注2 引用者作成 ]LLWとは
東北電力の 「原子力 気になるワード」 によれば
LLW=Low Level Wasteの略、低レベル放射性廃棄物のことを指す。

[ 注3 引用者作成 ]ベントナイトとは
日本原燃のHPの覆土の 説明 に以下のように記載されています。
埋設設備に点検路を取り付け、側面は水を通しにくいベントナイト(粘土の一種)混合土で覆い、その上部に土砂等を被せ、植生を施します。

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2.当社の対応方針

・これまでの規制庁との面談の結果、当社は適合性審査の要求性能は満足していると考えていたが、審査で説明していない材料・配合を用いることは、技術基準に適合していることを説明するために、性能に関するデータを拡充する必要力があり、時間を要することがわかった。
・早期に埋設設備を覆土することが安全上重要と考えているため、覆土開始に速やかに着手すべく、適合性審査の中で既に説明していた材料・配合(砂とベントナイトの混合土)を採用する。
・採用する材料・配合の施設確認においては、要求性能を担保する確認項目に関して、丁寧に説明を行い、定めていく。
・当社は、長期間の周辺環境への安全確保を最優先に覆土を進めていくが、砂とベントナイトの混合土の採用を踏まえた、施工計画を検討していく。

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3.礫を用いたベントナイト混合土を採用していた経緯

・2021年7月の許可で覆土完了予定時期(6群)は2027年としていることから、操業と7・8群建設に加えて覆土工事を同じ埋設地内で期限内に完了させる必要がある。
・このため、事業変更許可申請書に示した覆土仕様(透水係数、厚さ、密度)に基づき、埋設地内の安全(操業・建設との干渉回避)、品質および工期を考慮して覆土材料・配合・施工方法を検討し、耐降雨性があり、工事エリアとの干渉が少ない、礫を用いたベントナイト混合土を採用していた。

            考慮事項と評価概要
┌────┬─────────────────────────────────────┐
│考慮事項│         評価概要                         │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│ 安全 │・長期間の周辺環境への安全性を前提に、LLWの輸送車両、各工事における    │
│    │ 建設資機材の搬入車両、覆土工事用車両の錯綜の回避および作業エリアの分離 │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│ 品質 │・低透水性等の要求性能(長期評価を含む)                 │
│    │・施工中の降雨・降雪対策                         │
│    │・透水係数の性能確認方法                         │
│    │・覆土全体での透水係数の評価手法                     │
├────┼─────────────────────────────────────┤
│ 工期 │・2027年12月までに6群覆土完了させる工程確保の成立性            │
└────┴─────────────────────────────────────┘

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4.砂ベントナイト混合土の仕様および確認の進め方
4.1 使用するベントナイト混合土
 難透水性覆土の材料・配合は、適合性審査においで性能※を満足すると説明したNa型ベントナイト混合土(混合率20wt%)を用いることとする。
 施工方法については、敷均し、転圧により締め固める。

※巨視的透水係数1.0×10-10m/S以下、厚さ2m以上、密度1,100kg/m3以上


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4.砂ベントナイト混合土の仕様および確認の進め方
4.2 確認項目と確認方法(案)

<巨視的透水係数>
難透水性覆土の巨視的透水係数が1.0×10-10m/S以下であること。
ー>施設確認においては、三次元管理図を用い、平均・標準偏差・相聞長によって巨視的透水係数を評価した結果を管理する。

(参考)巨視的透水係数の確認方法例
 三次元管理図において、要求性能を満足する管理基準面より低い透水係数を示していることを確認する。

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4.砂ベントナイト混合土の仕様および確認の進め方
4.2 確認項目と確認方法(案)

<厚さ>
 難透水性覆土の厚さが2m以上であること。
=>施設確認においては、測量によって所定の厚さが確保されていることを確認する。

<密度>
 難透水性覆土の密度が1,100kg/m3以上であること。
=>施設確認においては、砂置換法およびRI測定によって所定の密度が確保されていることを確認する。

<収着性>
 難透水性覆土が(1)、(2)のいずれか又は同等の収着性(分配係数)を有するベントナイト混合土であること。
(1)Ca型ベントナイトが30wt%配合のベントナイト混合土であること
(2)Na型ベントナイトが15wt%、20wt%又は30wt%配合のベントナイト混合土であること
=>施設確認においては、今回採用する材料・配合(Na型ベントナイト20wt%が、(1)、(2)のいずれか又は同等の収着性(分配係数)を有するベントナイト混合土であることを確認する。

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4.砂ベントナイト混合土の仕様および確認の進め方
4.3 確認の進め方

・当社が現在考えている説明事項を以下に示す。
・全体計画の説明(主な議題の整理、スケジュール)を先に行った後に、順次説明を行いたい。
・最終的な施設確認方法については、規制庁の合意を得た後、覆土工事を行う。

 <説明事項>
  全体計画(主な議題の整理、スケジュール)
  有効Mo湿潤密度と透水係数の相関式
  巨視的透水係数の相関図(管理基準面)
  有効Mo湿潤密度による巨視的透水係数の評価方法
  施設確認における具体的な確認方法※
  ※巨視的透水係数、厚さ、密度および収着性の確認方法

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5.今後の対応

<当社がこれまで考えていた覆土に関する施設確認の進め方の反省点について>
・埋設設備の施設確認申請の場合、構築完了後に行う当社による自主検査を踏まえ、規制検査を通じて内容の確認をいただいていたことから、覆土においても同様のプロセスを考えていた。
・覆土の性能(透水係数等)については、施工試験にて確認していたことから、実施工を通じて取得した種々のデータを踏まえ自主検査を実施する予定であった。
・当社は適合性審査で説明したものと異なる材料・配合を使うことについて、規制庁へ相談することなく施設確認の段階に進めてしまったところに問題があった(材料・配合が異なっていても性能を満足すれば十分と考えていた)。
・透水係数の試験・評価手法検討の計画について、スケジュールの相談を含め、事前に規制庁へ説明することなく、当社が考えた施設確認方法を提示したことにも問題があった。

<今後の対応>
・放射性廃棄物埋設施設における覆土工事は、当社として初めての実施であり、安全および品質の面で規制庁の理解を得たうえで、確実な施工を実施するため、適合性審査の中で覆土の要求性能が満足することを説明している材料・配合を採用する。
・施設確認申請書に記載した覆土の確認の方法についても、積極的なコミュニケーションを行いながら進めていく。

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