[2024_11_18_02]2024年8月19-20日能登半島地震調査(日本記者クラブ_石渡明(前原子力規制委員会委員)_会見2024年11月18日)
 
[会見動画頭出し]
2024年8月19-20日能登半島地震調査

 15:30


【石渡】
 例えばこれはよくご存知の、輪島市鹿磯(かいそ)漁港、門前町のところにある漁港の岩壁が4m隆起した所です。白くなっている海岸は珠洲市の北側の海岸ですけれども、こういう風に、ここは隆起は2mぐらいですけれども、この隆起したところが、真っ白くなっております。あと断層が珠洲市の若山川沿いで出たり、これ断層からは20km近く離れているんです。けれども、こういう2mぐらいのズレを持つ断層が出現した。
 こちらは液状化、内灘町でひどい液状化が起きた。非常に大きな被害がございました。で、こういう風に日本はやはり非常に自然災害、自然ハザードですね、これが非常に起きやすいところです。

※以下は編集者の注である。
 輪島市鹿磯(かいそ)漁港の ストリートビュー (2024年5月)を以下に示す。


 珠洲市若山川沿いの地震断層については、産総研の「第九報 2024年能登半島地震の緊急調査報告(陸域に出現した地表変状の現地調査)」が詳しい。以下に抜粋する。

 珠洲市若山町では、地震前後の数値表層モデルや航空レーザデータの解析から、若山川に沿って全長約4 km、幅100〜200 mの隆起帯が認められ(国際航業株式会社、2024;吉田、2024)、隆起帯の中央の若山町中での現地調査結果が白濱ほか(2024)により報告されています。筆者らはこれらの既往報告を参照しながら、珠洲市若山町延武から上黒丸までの範囲を踏査しました。このなかで最も大きな落差が認められた珠洲市若山町中では、水田や道路を切断して並走、雁行する複数の地表変状が認められました(図2、3)。これらの地表変状は、東西から東北東―西南西方向に分布し、主に南側上がりの撓曲崖状の断面形態を示すともに、隆起側(南側)に顕著な逆傾斜を伴うことから、南北方向の短縮変形によるものと解釈されます。このうち、最大の落差が認められた地点1では、一枚の水田に約195 cmの南側上がりの落差が認められ(図5)、さらに変形は南への傾動として長さ150 m以上にわたって南に続いている様子が、水田の傾きや水が溜まっている様子からわかります(図6)。


図1 能登半島の地形と調査位置図
図2の範囲(珠洲市若山町)を赤枠で示す。左下の赤×印は志賀町北部の調査位置。基図は地理院地図(陰影起伏図)を用いた。


図2 珠洲市若山町の地表変状出現地点位置図


図5 水田に生じた南側上がりの落差(地点1)
南東に向かって撮影。人物の身長は約180 cm。(若山町中)

 内灘町の液状化については神奈川新聞(2024/01/07)の記事(約3分の動画あり) 「噴き出す泥水、傾いた家 石川・内灘町で液状化深刻 住み続けられるのか」 がある。以下に記事の冒頭部を示す。

 能登半島地震で、液状化現象が原因とみられる深刻な被害に見舞われた地域がある。金沢市の隣に位置し、日本海に面した石川県内灘町だ。泥水が噴き上げた地面はゆがみ、道路は隆起し、住宅は傾いた。「もう住めない」。住民は体調不良を訴え、途方に暮れている。
KEY_WORD:石渡明氏_講演_:NOTOHANTO-2024_: