[2023_02_08_06]第71回原子力規制委員会(2023年02月08日)「石渡明氏原発60年超運転に反対」の紹介(坂上武_FACEBOOK2023年2月8日)
 
参照元
第71回原子力規制委員会(2023年02月08日)「石渡明氏原発60年超運転に反対」の紹介

第71回原子力規制委員会(2023年02月08日)
 阪上武 さん Facebookより 2023年2月8日
 会合は、最後の決定の段階で、石渡委反対意見を朗々と述べ、本日の決定はなくなりました。

 本日の原子力規制委員会で、原発の運転期間制限(40年ルール)を原子炉等規制法(炉規法)から撤廃して電気事業法に移すことを前提とした「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要案」についての議論がありました。
https://www.nra.go.jp/disclosure/committee/kisei/010000794.html

関係資料

動画
(引用者注:2:03:48秒当たりから石渡明委員の反対説明)

 最初にパブコメに対する回答について説明がありました。

 40年ルールを炉規法から撤廃して電気事業法に移すのはおかしい、移すべきではない、原子力規制委員会こそ40年ルールを厳格に守りなさいという意見は多く寄せられたようです。
 これまでは、令和2年の見解に「発電用原子炉施設の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない」とある、というのを繰返すだけでしたが、今回の回答は違っていました。
 こちらから、そもそも40年ルールは利用政策判断ではなく、安全規制として定められたというのが事実だとし、国会審議の議事録はじめ証拠をつきつけてきたこともあってか、回答は「現行法の運転期間延長認可制度が導入された際の国会審議(平成24年第180回国会)では、科学的技術的見地だけではなく、幅広い観点から議論が行われた上で、立法されたものと認識しています。」となっています。科学的技術的見地ではない観点(利用政策と言いたいようです)でも議論されたという理屈です。
 これまでは 「そもそもA(安全規制)ではなくてB(利用政策判断)なんだ、だからA(炉規法)からB(電気事業法)に移すんだ」という理屈でしたが、それが、「そもそもA(安全規制)だけではなくB(利用政策判断)もあったんだ」という言い方に変わったことになります。しかしそうなると、A(炉規法)をなくす根拠が失われます。
 論理が破綻したことになります。それでも炉規法から撤廃したいのであれば、安全規制の観点から運転期間制限を撤廃してもよいのか否かの検討が必要ですが、こうした観点での検討を全くやっていません。ここが原子力規制委員会の最大の弱点だと思います。
 会合は、最後の決定の段階で、石渡委員が反対意見を朗々と述べ、本日の決定はなくなりました。
 石渡委員の意見は、
1.今回の変更は新たな知見などに基づくものではなく運転制限が炉規法からなくなるという意味では安全規制の後退だ、
2.(電気事業法に移っても)40年60年の枠組みは変えないとあるがそれでは炉規法を改正する必要はないではないか、
3.審査が長引いている間も高経年化は進行しており審査は難しくなるのにこの間はカウントしないというのは矛盾ではないか、といったものです。
 他の委員が説得を試みましたが意見を変えず、今日の決定は見送りになりました。来週また議論がありますが、非常に真っ当な反対意見で、会場は拍手で包まれました。
                  阪上武(原子力規制を監視する市民の会)
KEY_WORD:石渡明氏原発60年超運転に反対_:原発_運転期間_延長_: