[2012_01_08_01]浜岡原発沖と千葉の津波頻発地 海底地形に共通点 東大地震研准教授が分析(東奥日報2012年1月8日)
 「南海トラフ」沿いの地震による巨大津波が懸念される中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)付近の海底地形が、東日本大震災で津波被害を受けた千葉県旭市近くの海底とよく似ていることが7日、東京大地震研究所の都司嘉宣准教授の分析で分かった。

 千葉県旭市は東日本大震災の津波で十数人の死者・行方不明者が出たほか、1960年や2010年のチリ地震でも津波が到達するなど繰り返し被害を受けた。海底地形により津波被害を受けやすくなっている可能性があり、浜岡原発の津波対策をめぐって論議を呼びそうだ。
 都司准教授によると、浜岡原発近くの海底地形は岬付近の海底だけが遠浅で、沖に突き出す形になっており、その周縁は急激に深くなっている。海底の浅い部分が突き出ていることで、特定の場所に波が集中し、津波の高さが急激に増すことが考えられるという。
 旭市の飯岡地区は、東日本大震災で7・6b前後の津波が来たとみられる。海底地図を比較した結果、浜岡原発近くと同様に海底の浅い部分が突き出した形になっていたほか、付近の海岸線が直線的であるなどの共通点があった。
 都司准教授は「いずれの地形も津波のエネルギーが集まり、波が高くなりやすい」と話す。浜岡原発は津波想定で1854年の安政東海地震を参考にしているが、都司准教授は、1498年の明応東海地震では安政東海地震の3倍の高さの津波が押し寄せた可能性があると指摘している。
 郡司准教授は国内の他の原発所在地も調査。東京電力福島第1原発のある福島県沖や、東北電力東通原発(東通村)近辺沖の海底地形にもやや似た傾向があったといい、詳しい分析を続けている。

浜岡原発

 静岡県御前崎市にある中部電力の原発。1〜4号機は沸騰水型、5号機は改良型沸騰水型で、1976年以降に順次運転を始めたが、1、2号機は2009年に運転を終了した。残る3基の総出力は約360万キロワット。東日本大震災時に3号機は定期検査中、4、5号機は運転中だったが、政府の要請で昨年5月中旬に全面停止した。中部電力は現在、高さ10bの防潮堤の設置工事を進めている。住民らが1〜4号機の運転差し止めを求めた訴訟が東京高裁で係争中。廃炉を求める訴訟も静岡地裁に起こされた。
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