【記事14727】2000年鳥取県西部地震の地震断層調査_伏島祐一郎_吉岡敏和_水野清秀_宍倉正展_井村隆介_小松原琢_佐々木俊法_活断層・古地震研究報告_No.1,p.1-26,2001(活断層・古地震研究報告2001年9月27日)
 
参照元
2000年鳥取県西部地震の地震断層調査_伏島祐一郎_吉岡敏和_水野清秀_宍倉正展_井村隆介_小松原琢_佐々木俊法_活断層・古地震研究報告_No.1,p.1-26,2001

(前略)
(4)活断層地形
 今回の地震の余震域には,活断層の存在が確認されていない.余震域周辺には,活断層研究会(1991),山内・岡田(1997),および200万分の1活断層図編纂ワーキンググループ(2000)によって推定活断層が示されているが,その付近には,地表面の断裂や人工構造物の破壊・変形は確認されなかった.これらの点から,今回の地震を,「活断層でおこらなかった地震」または「未知の活断層で発生した地震」(島崎,2001)とする見解もある.一方,井上ほか(2001)は,地震後に震源域とその周辺地域の空中写真判読を行い,不明瞭ながらも活断層を見出すことは可能であったとしている.いずれにせよ,Mj=7.3の地震を起こす活断層として期待されるような,明瞭な活断層地形が震源域に存在しているとは言い難い.ひるがえって,今回の地震で生じた地震断層に沿って,今回と同程度の変位が繰り返し生じた場合,明瞭な活断層地形が形成されるであろうか.たとえ短い再来間隔を考えたとしても,そのような可能性は低いと思われる.即ち,断層変位が数本の断層線に分散し,個々の断層線での変位量が数10cm程度以下となる場合,断層活動の繰り返しによっても明瞭な断層変位地形を作ることは難しいのではないだろうか.
(後略)

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