【記事26410】遺跡からの警告 地震考古学 第3部 2 縄文ムラに90メートルの地割れ 双葉断層北側動く?(東奥日報2011年10月25日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 掘っても掘っても、底が見えない溝。「まるで地面に開いた大きな口。自分は一体何を発掘しているんだろう?」。1990年秋、福島県相馬市の段ノ原B遺跡を調査していた同県文化振興事業団の吉田秀享副主幹は、連日頭を悩ませていた。
 宮城県境に近い丘陵上に広がる縄文時代前期の大集落跡。最も栄えた約6千年前は、約4万7千平方メートルの範囲に約100棟の竪穴住居があった。
 ジグザグに延びる奇妙な溝が現れたのば、丘陵の肩に近いムラ東端。長さ約90メートル、幅4〜5メートル、深さ2メートル以上もあり、底から大量の土器や木を燃やした跡が見つかった。
 「地割れですよ」。謎を解いたのは、石材の調査に訪れた地質学者。周囲には、地滑りで左右が食い違った地層もあった。「地震考古学という言葉も知らなかった。驚きました」。溝の中にあった土器から、地震はムラの最盛期と考えられた。
 双葉断層は、政府の地震調査委員会が「東日本大震災の影響で地震発生確率が高まった可能性がある」と発表した五つの活断層の一つ。2005年の長期評価では「今後30年以内に地震が発生する確率はばぼゼロ」とされたが、震災後は周辺で誘発地震が続いている。(後略)

KEY_WORD:HANSHIN_:福島県相馬市の段の原B遺跡:福島県文化振興事業団の吉田秀享副主幹:産業技術総合研究所の寒川旭招聘研究員:阪神大震災:政府の地震調査委員会:長期評価:地震予知連絡会の島崎邦彦会長: