[2023_04_05_07]敦賀原発2号機の安全審査を再中断 規制委、資料不備で(日経新聞2023年4月5日)
 
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敦賀原発2号機の安全審査を再中断 規制委、資料不備で

 2023年4月5日 10:49
 原子力規制委員会は5日の定例会合で、日本原子力発電の敦賀原子力発電所2号機(福井県)の安全審査を中断し、資料の一部を修正して出し直すよう行政指導する方針を決めた。同社は必要な資料の記載ミスを繰り返している。過去にもデータの無断書き換えなどの不祥事で審査を止めており、今回は再中断となる。
 日本原電は2015年11月に敦賀原発2号機の安全審査を規制委に申請した。原子炉建屋の直下の断層が活断層かどうかが焦点となった。疑いがあれば電力会社が「活断層ではない」と証明する必要がある。審査が再び止まることで、再稼働の前提となる安全審査の合格は見通せなくなった。
 日本原電が提出した資料に関し、19年に1000カ所以上の記載不備が見つかった。20年には敷地内の掘削調査による地質の観測記録の一部で書き換えが判明した。活断層かどうかの評価に関わるとして規制委は20年2月に審査を中断した。
 書き換え前の元のデータが追跡できると分かったことなどから、22年12月に審査が再開した。ただ、過去に提出していた資料で新たな誤りが明らかになった。規制委の委員からは審査打ち切りを示唆する発言が出ていた。
 5日の規制委会合では、原子力規制庁が審査を事実上打ち切り改めて申請を求める案と、23年8月末を期限に資料の補正を求める中断案の2つを示した。中断の方針を決めたことを踏まえ、近く日本原電の意思を確認する会議を開く。
 規制委の石渡明委員は「資料がまともにつくれないのは本当に困る状況だ。無理な期限を要求しているとは思っていない」と述べた。
 政府は2月に原発の長期活用などを盛り込んだ基本方針を閣議決定した。22年8月には、再稼働する原発を23年夏以降に最大17基へ増やす方向性を示した。敦賀原発2号機は審査に合格していないため17基には含まれていない。
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