[2023_11_30_02]<マンスリー原子力施設>工事不備で東海村議会聴取(東京新聞2023年11月30日)
 
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<マンスリー原子力施設>工事不備で東海村議会聴取

 11時13分
 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働に向けた安全対策の防潮堤工事で不備が見つかった問題で、東海村議会は8日、原電の担当者を呼び、経緯などを聴取した。不備発覚から4カ月後に公表した理由を、原電側は「原因や対策がまとまった段階での公表を考えた」とし、隠蔽(いんぺい)の意図を否定した。議会側は「信頼関係に関わる。今後は何かあったら地元議会にはすぐに報告を」と要望した。
 議会は同日、原子力問題調査特別委も開き、今回の不備を受けて提出者が再審議を求めていた、再稼働に反対する請願1件への対応を協議した。この請願を「採択するべきだ」とした議員らはやり直しを主張したが、一事不再議(1度議決した案件は同一会期中に再審議しない)の原則に基づき、見送りが決まった。
 東海第2では10月末から11月上旬に、小規模な火災が3件相次いだ。いずれも放射性物質の漏えいや作業員の被ばくなどはなかった。
 原電によると、10月31日、原子炉建屋2階の天井の蛍光灯の部品に焦げ跡を発見。1977年に取り付けられ、近年は点灯しておらず、焦げ跡がついた時期は不明。11月7日には非管理区域内のモルタルを作る建屋で、作業員が空気圧縮機の電源を入れた際、煙と焦げるにおいが出た。圧縮機内部のコードの一部が焼け、内壁に黒いすすがあった。9日には屋外の照明を点灯させるブレーカーから火花が発生し、保護用アクリルが溶けた。
 東海第2では昨年度3件、本年度はこれまで4件の火災が発生し、相次ぐ火災を受け、東海村と県は原電に文書で厳重注意した。山田修村長は「防火に対する組織風土に問題がある」と指摘した。
 県は、県内の原子炉施設で保管されている使用済み核燃料を、来年度から新たに課税対象とする方針を決めた。これまで再処理事業者のみに課税していた。原電と日本原子力研究開発機構が対象で、保管する使用済み核燃料の重さに応じて課税する。(加賀大介)
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