[2023_01_22_01]「片方の監督が審判に」 東海第二原発の控訴審、裁判長は過去の原発訴訟で国の代理人だった(東京新聞2023年1月22日)
 
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「片方の監督が審判に」 東海第二原発の控訴審、裁判長は過去の原発訴訟で国の代理人だった

 日本原子力発電(原電)東海第二原発(茨城県東海村)の運転差し止めを11都府県の住民らが求めた訴訟で、東京高裁の控訴審の裁判長が過去の原発関連訴訟で国側代理人を務めていたとして、原告団は22日、裁判長に自発的な辞退を求めていることを明らかにした。

 ◆原告団が辞退を要求

 東京都内で開いた決起集会で報告した。原告団によると、裁判長は、昨年9月に東京高裁部総括判事に就任した永谷典雄氏。人事交流で法務省のポストを長く務め、国が当事者となった裁判で国側の立証活動などを担っていた。要求の回答は26日を期限に定め、対応がなければ31日の第1回口頭弁論の冒頭で永谷氏を担当から外すよう申し立てる「忌避」の手続きを取る。
 永谷氏は日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵施設(青森県六ケ所村)の事業許可取り消し訴訟など、四つの原発関連訴訟で国の代理人を務めたほか、東海第二の運転差し止め訴訟でも、原電とともに国が被告だった2012年7月〜14年3月、国側の立証活動に管理職として関わっていた。
 原告団は昨年12月末、「中立性・公平性に疑念を抱かせる」として永谷氏に審理を辞退するよう申し入れたが、永谷氏は回答を保留しているという。原告団の大石光伸共同代表は「片方の監督が審判になるようなものだ」と批判する。
 一審の水戸地裁判決(2021年3月)は、東海第二の重大事故に備えて立地・周辺自治体が策定する広域避難計画の実効性などに不備があるとして、原電に運転差し止めを命じた。(宮尾幹成)
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