[2022_12_07_02]東海第二原発「老朽化」の別の側面 T(タービン)とG(ジェネレータ=発電機)のいずれかにトラブルがあれば原子炉も緊急停止しなければならない 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕(たんぽぽ2022年12月7日)
 
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東海第二原発「老朽化」の別の側面 T(タービン)とG(ジェネレータ=発電機)のいずれかにトラブルがあれば原子炉も緊急停止しなければならない 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕

 
◎ 東海第二原発の老朽化に関しては、主に圧力容器の「脆性破壊」の危険性が指摘されている。(11/26TMM:No4638・山崎氏記事その他参照)加えて別の側面も指摘したい。
 火力では「BTG」という用語がある。
 これはボイラー・タービン・ジェネレータ(発電機)のシステムのことである。
 この三つが協調して動くことにより発電が可能となる。原発はBすなわち熱を発生させる部分を原子炉に置き換えただけで、それ以降のTとGは火力発電と同じである。

◎ 原子炉も複雑なシステムだがT(タービン)とG(ジェネレータ)も複雑であり、それらの本体とともに多くの周辺装置が正常に機能しないと発電できない。
 12月5日の日経紙に「電力網に老朽火力リスク 停止頻発 逼迫解消に懸念も」という記事があった。火力でも40年以上経過した系列が多くトラブルによる停止が多発するという指摘である。
 この記事は原発再稼働を推進する意図かもしれないが、TとGの部分が原発と共通である以上は老朽原発の危険性を指摘しているのと同じだ。
 TとGのいずれかにトラブルがあれば原子炉も緊急停止しなければならないからである。

◎ 実際に過去の原発停止の事例では、原子炉本体ではなく周辺装置のトラブルによる停止が多い。
 東海第二に関して「10年間停めていた車で高速を走る」というたとえが聞かれるが、これはむしろTとGの側の問題かもしれない。
 緊急炉心冷却装置(ECCS)ほどではないにしても停止するたびに温度・圧力の急激な変化をもたらすため、「脆性破壊」を促進する影響がある。
 火力のトラブル停止よりもはるかに危険性が高い。そもそも事故にならないまでも発電できなければ存在しないのと同じだ。
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