[2023_06_21_04]東海第二 運転差し止め訴訟 並行して仮処分申請も 7月からの控訴審向け原告団(東京新聞2023年6月21日)
 
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東海第二 運転差し止め訴訟 並行して仮処分申請も 7月からの控訴審向け原告団

 日本原子力発電(原電)が再稼働を目指す東海第二原発(茨城県東海村)の運転差し止めを住民らが原電に求めた訴訟で、控訴審の第一回口頭弁論が東京高裁で七月十一日に開かれるのを前に、原告団の代表者が二十日、水戸市で記者会見した。控訴審の間に再稼働が進むのを阻止するため、訴訟と並行して運転差し止めの仮処分を同高裁に申し立てる方針を明らかにした。(竹島勇)
 水戸地裁は二〇二一年三月、広域避難計画に不備があるなどとして運転差し止めを命じた。原電と、訴えを退けられた東海第二から半径三十キロ圏外の原告住民が、それぞれ控訴した。
 原告団の大石光伸共同代表は「一審判決を維持してほしい」とした上で、一審で退けられた論点として「原発は憲法違反であること、地震に対する安全確保が不十分であること、プラントに対する安全確保が不十分であることなど九項目を主張する」と述べた。
 東海第二では、新規制基準に基づく防潮堤などの事故対策工事が来年九月に完成予定。大石氏は「控訴審の途中で動かされては元も子もない。裁判の途中でも運転差し止めの仮処分を申請する」と説明した。
 控訴審では、当初審理を担当する予定だった永谷典雄裁判長に、原発関連の行政訴訟で国側代理人を務めていた経歴が判明し、原告側が反発。今年一月に永谷氏が担当を外れたため、同月三十一日に決まっていた第一回口頭弁論は延期となっていた。
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