[2022_05_24_06]「東海第二原発」を再稼働してはいけない 5つの問題 (その1) 1.40年超の老朽原発=不測の事態が起こりやすい 2.実行可能な避難計画はない 3.地震と津波の想定が過小 4.日本原電に「経理的基礎」がない 5.地元との同意は極めて難しい(5回の連載) 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ舎2022年5月24日) |
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現在再稼働の準備を行っている茨城県東海村の東海第二原発は、東京から110km北に位置する。 昨年末閣議決定された「第6次エネルギー計画」では、この原発を含めて27基の原発の再稼働が電源に組み込まれる想定がされている。 当初、今年の秋に再稼働可能になると見られていたが、3月になり再稼働の条件となる安全対策工事の完工時期を2024年9月とした。 この計画変更で、約1年半ほど後ろ送りになった。 では、東海第二原発にはどのような問題があるのだろうか。 5つの問題にまとめてみた。 問題1:40年超の老朽原発であり不測の事態が起こりやすいこと 問題2:背景にある巨大な人口に防災計画は無理であること 問題3:地震と津波の想定が問題にならないほど過小であること 問題4:日本原子力発電に「経理的基礎」がないこと 問題5:地元との同意は極めて難しいこと 問題1:40年超の老朽原発であり不測の事態が起こりやすいこと (1)3/11震災時に被災、補修されたが損傷が残っている恐れあり 東海第二原発は、2011年の東日本大震災で地震と津波に遭遇している。このときはなんとか冷温停止することはできたが、大きな揺れにより、各所に損傷が残っているかも知れない。 特に地盤については一部液状化もしたであろうし、新たに建設している防潮堤は土壌改良を行わなければならないほど、地盤が悪い。 このようなところに重量構造物を沢山作ったら、事故を準備するようなもの。 (2)現在は使えない可燃性ケーブルを使っていること 福島第一原発3号機の爆発は、水素だけの爆発では説明がつかないことが分かっている。おそらく大量の可燃性の炭化水素系ガスが発生し、それに引火したのではないかと考えられている。 ケーブル類が蒸し焼き状態になったことから発生したのではないだろうか。 東海第二原発でも古い可燃性ケーブルが大量に使われており、難燃シートで包まれているが、火災の熱は遮蔽できない。同じような爆発が起きる可能性があると思われる。 (3)耐震性が限界に近く地震で損傷する恐れが大きいこと 想定される地震動で施設・設備の耐震評価を行うと、ほとんどのところがギリギリ、中には破断限界まで1.03倍という場所さえ存在する。 (4)地震・津波想定が過小評価であること 現在の地震評価も過小評価の可能性は否定できない。 実際に、柏崎刈羽原発では想定が600ガルのところ、中越沖地震では3倍近い1700ガルに達していた。 (その2)に続く (初出:月刊たんぽぽ舎ニュース5月号) |
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