[2023_07_15_02]「期限ない時限爆弾」 原告、改めて廃炉要求 泊原発訴訟控訴審(毎日新聞2023年7月15日)
 
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「期限ない時限爆弾」 原告、改めて廃炉要求 泊原発訴訟控訴審

 北海道電力の泊原発(泊村)の安全性に問題があるとして、道内外の約1200人が北電に1〜3号機全ての運転差し止めや廃炉などを求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が14日、札幌高裁(佐久間健吉裁判長)であった。1審・札幌地裁判決は運転差し止めを命じたが、廃炉などの要求が認められず、原告側、北電側の双方が控訴した。
 原告側は勝訴部分についても「泊原発から半径30キロ以内に居住する原告にのみに被害が発生すると断定するのは間違いだ」などと主張。北電側も敗訴部分の取り消しと控訴棄却を求めた。
 2022年5月31日の札幌地裁判決は、北電側が津波対策の安全性を立証できていないとして「津波による事故で原発から半径30キロの範囲内に住む44人について生命や身体といった人格権を侵害するおそれがある」と指摘した。
 この日の口頭弁論で原告の増田健治さん=札幌市清田区=が意見陳述。増田さんは「専門家が安全だとして福島の原発事故が起きたことを考えると、核を絶対に安全に管理することは不可能。私たちは期限ない時限爆弾を抱えている。一刻も早く廃炉にすることが私たちの使命だ」と訴えた。
 北電の担当者は「審査と並行して、最新の知見で証明できるものは主張していく」と話した。【金将来】
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