[2023_05_20_03]MOX初の海外再処理 電事連、仏で実証研究へ(東奥日報2023年5月20日)
 
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MOX初の海外再処理 電事連、仏で実証研究へ

 電気事業連合会の池辺和弘会長は19日、東京都内で記者会見し、原発で燃やした後のMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料をさらに再利用するための実証研究に乗り出すと発表した。商業用工場で再処理の実績があるフランスで燃料を処理し、実用化に向けて必要な知見を得る。使用済みMOX燃料を海外で再処理するのは初めて。
 実証研究は、原発を有する大手電力9社と、大間原発(大間町)を建設中の電源開発、日本原子力発電が実施。使用済みウラン燃料の再処理工場を運営する日本原燃(六ヶ所村)、経済産業省の認可法人「使用済燃料再処理機構」(青森市)などとも連携する。
 使用済みMOX燃料は、ウラン燃料に比べてプルトニウムが多く含まれ、薬品に溶けにくいなどの特性がある。実証研究では、燃料を仏オラノ社に輸送、プルトニウムを粉末に加工するまでの工程を行い、燃料の性状や設備に与える影響などを調べる。
 池辺会長は、2024年度早期の完工を目指す原燃・再処理工場の操業と並行して、使用済みMOX燃料の研究を積み重ねていくとし「フランスで実証できれば、日本に技術を導入することは可能だ」と説明した。
 使用済みMOX燃料の再処理を巡っては、今月3日に西村康稔(やすとし)経済産業相と仏パニエリュナシェ・エネルギー移行相が技術協力で合意した。国は第6次エネルギー基本計画で30年代後半をめどに技術を確立させる方針を掲げており、電事連の実証研究はその一環となる。ただ、現時点で施設建設の具体的な計画はない。
 MOX燃料を使った発電は関西電力高浜3、4号機など計4基で実施している。 (加藤景子)
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