[2023_02_06_02]超危険な老朽原発 美浜3号機を止めろ!(金曜日2023年2月6日)
 
参照元
超危険な老朽原発 美浜3号機を止めろ!

 ◆美浜原子力発電所の運転差し止めの仮処分を福井地裁に申し立て

 福井県の住民ら10人が1月13日(金)、国内初の40年超運転の関西電力美浜原子力発電所3号機(1976年12月1日運転開始)の運転差し止めの仮処分を福井地裁に申し立てた。
 2011年3月の福島第一原発事故後、人々の生活を奪う甚大で深刻な被害をもたらす原発事故を二度と起こしてはならないという教訓が、40年を超えた原発は原則運転させないという法改正であった。
 40年を経過する前に運転期間延長認可等を受けられなければ、廃炉になることになった。美浜原発3号機は運転期間延長認可の期限内に審査を完了させるということを最優先に審査が行なわれ、審査においては、スケジュールが優先され、安全性が犠牲にされた。
 2021年6月21日に大阪地裁に起こした同じ美浜原発の運転差止仮処分申請は昨年12月20日に大阪地裁第1民事部(井上直哉裁判長)が却下し、本年1月4日に大阪高裁へ即時抗告申立てがなされている。
 申立後、代理人の笠原一浩弁護士、申立人本人の記者会見が開かれ、オンラインで共同代表の井戸謙一弁護士、同じく共同代表の河合弘之弁護士、藤川誠二弁護士、大河陽子弁護士らが出席した。
 大阪の決定は、新しい原発はともかく、40年を超えた原発を裁判所は止めるだろうと思っていた福井の地元の住民にはショックであり、こんな酷い決定が出るなら自分たちも申し立てたいという方が続々と出てきた。
 大阪高裁に即時抗告した裁判には参加できないため、新たな申し立てが必要となる。管轄のある裁判所は関電の本店所在地である大阪地裁か、被害者(申立人)の住所地のいずれか。前の仮処分の申立人は福井、京都、滋賀だったので、全員が大阪地裁に申し立てたが、今回は申立人全員が福井県の住民だったので、福井地裁に申し立てた。
 事故が起きれば被害者にもなる福井の裁判官は、大阪とは違う判断をしてくれるのではないかと期待。美浜原発は今動いているので、一刻も早く止めたいと、年末年始で新しい申立書を準備し、本日の申立てとなった。
 急いで早い時期での決定を貰うために、前の大阪地裁の申し立ての争点をさらに絞った。主な争点は、地震は@基準地震動993ガルが低すぎる、Aバラツキを考慮していない、B震源近傍の考慮をしていない、そして、C避難計画──の4点である。
 申立人らは、美浜から11キロから56キロに居住。この地域は原発が密集しており、高浜原発や大飯原発の方向への避難ルートとなる。巨大地震により、放射性物質を放出する複合災害を考慮した避難計画にはなっていない。
 裁判所に早期の判断を求めて、直接的には老朽化の問題を具体的な争点としては取り上げていないが、地震や機器の故障等の確率など、不測の事態を飛躍的に高めるのが老朽化の問題であり、裁判所はより安全側に考慮して判断すべきであるという前提に位置付けている。
 申立人の南康人さんは、「裁判所が司法の良心、正義といえる決定を必ず下してくれると思う」と訴えた。
 申立書等は、「福井から原発を止める裁判の会」のサイトで読むことができる。また、この裁判の支援も呼びかけている。

脱原発弁護団全国連絡会
KEY_WORD:MIHAMA_:FUKU1_:OOI_:TAKAHAMA_:原発_運転期間_延長_:廃炉_: