[2022_09_28_02]関西電力は老朽原発・美浜3号機の再稼働を強行 いずれもあきれ返る稚拙なミス 美浜3号、高浜1、2号の廃炉を勝ち取ろう 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)(たんぽぽ2022年9月28日)
 
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関西電力は老朽原発・美浜3号機の再稼働を強行 いずれもあきれ返る稚拙なミス 美浜3号、高浜1、2号の廃炉を勝ち取ろう 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)

 ◎人の貴賤を国家の視点で決定し、差別を強要する安倍元首相の国葬が行われました。
 安倍元首相は、原発事故を未然に防ぐ方策を故意に怠り、福島第一原発事故を招き、その後も原発の推進と核兵器の導入に奔走しました。
 ◎ さて、関西電力は老朽原発・美浜3号機の再稼働を10月から8月12日に前倒しするとしていましたが、再稼働を目前にした8月1日、放射性物質を含む水7トンが漏洩していることが発覚し、再稼働は延期されました。
 また、次の再稼働を目論んだ23日の直前・21日に、「1次冷却水の圧力が低下した際に、原子炉の暴走を防ぐために1次冷却系に注入するほう酸水を蓄えている蓄圧タンク(アキュムレータ)」の圧力が低下していることが確認され、再稼働はさらに延期されました。
 関西電力は、昨年来、美浜原発3号機で発生したたび重なるトラブルの原因について公表していますが(詳細割愛)、いずれもあきれ返る稚拙なミスです。
 このようなミスは、技術者がしっかりしていれば、簡単に気がつくものです。
 しかし、現在は、下請け任せの上に、責任感と科学的常識のない、関電および下請けの技術者、作業者、監督者、点検者などが原発を動かそうとしています。
 原発を動かそうとする体制自体が腐敗しているのです。
 この事態は、一旦、体制全てを解体して、総点検しなければ、改善されません。
 ただし、体制を根本的に刷新して判断すれば、原発運転は、無理だという結論に至るでしょう。
 それでも、関西電力は、8月29日午後3時過ぎ、美浜3号機を30日に再稼働させると発表しました。このように直前の再稼働予定の発表は、極めて異例のことです。
 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は「老朽原発完全廃炉を勝ち取るまで粘り強く、何度でも何度でも決起する」の決意の下に、8月29日午後、可能な全ての手段を駆使して、美浜原発前および関電原子力事業本部前緊急抗議行動を呼びかけました。
 再稼働当日の30日11時過ぎ、美浜原発前には、緊急の呼びかけにもかかわらず、京都、大阪、滋賀、兵庫などの関西、福井市方面、若狭各地、美浜町内から約35人が、自家用車などで結集しました。
 参加者は、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙してトラブル続きの老朽原発・美浜3号機の再稼動を企む関電に、満腔の怒りのシュプレヒコール、抗議の声を叩きつけました。
 しかし、関電は、13時に再稼働を強行したため、参加者は、関電原子力事業本部に移動して、さらに抗議行動を続行した後、「老朽原発の完全廃炉を勝ち取り、それを突破口に、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現する」ことを確認し合い、この日の行動を終えました。
 ご参加、ご支援いただきました皆様、ありがとうございました。

 ◎ ところで、岸田首相は、昨年10月に決定した「エネルギー基本計画」の中で「原発の新増設やリプレースは想定しない」としていましたが、決定から1年もたたない8月24日、この基本計画まで無視し、また、原発の運転期間は最大60年とした法律をないがしろにして、唐突に、
1.次世代原発の建設検討、
2.原発運転期間の60年超への延長、
3.すでに新規制基準審査に合格している原発17基のうち最大9基を今冬に、残る8基を来年以降の早期に稼働させる意向
 を示しました。
 福島第一原発事故の犠牲と教訓を軽んじ、科学的な説明や議論もなく、さらなる原発推進を打ち出したのです。
 今まで俎上に上った原子力にかかわる全ての懸案事項を、科学的・技術的にはほとんど進歩がないにもかからず、経済的利益のみのために「決断と実行」(自民党ポスター)しようとしているのです。
 人の命と尊厳を蹂躙するものです。
 粘り強い闘いを展開し、美浜3号機、高浜1、2号機の廃炉を勝ち
取り、それを突破口に、原発のない社会を実現しましょう!
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