[2021_05_08_01]老朽原発うごかすな! −闘いの概要と闘いで学んだこと−  (その2)(5回の連載) 関電は原発を安全に運転する資質と体制を有していない 新規制基準は極めて不完全、規制委の審査はいい加減 木原荘林(若狭の原発を考える会) ※(その1)は4/26【TMM:No4185】に掲載(たんぽぽ舎2021年5月8日)
 
参照元
老朽原発うごかすな! −闘いの概要と闘いで学んだこと−  (その2)(5回の連載) 関電は原発を安全に運転する資質と体制を有していない 新規制基準は極めて不完全、規制委の審査はいい加減 木原荘林(若狭の原発を考える会) ※(その1)は4/26【TMM:No4185】に掲載

老朽原発再稼働をめぐる動き

◎ 福島第一原発事故は、原発が重大事故を起こせば、職場を奪い、農地を奪い、漁場を奪い、学校を奪い、生活の基盤を根底から奪い去ることを、大きな犠牲の上に教えました。その原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。それでも関西電力と政府は、運転開始後40年をはるかに超えた老朽原発・高浜1・2号機、美浜3号機の再稼働を画策し、全国の原発の60年運転を先導しようとしています。
 関西電力は2020年9月18日、美浜3号機、高浜1号機の安全対策工事が完了したと発表し、これらの原発の2021年1月、3月稼働を狙っています。
 また、高浜町議会は11月25日、高浜1号機の再稼働に同意し、美浜町議会も12月15日、美浜3号機の再稼働に同意しています。

◎ ところで、原子力規制委員会(規制委)が、老朽原発の40年超え運転を認可したのは2016年ですが、この認可以降に、関電の原発に関して、蒸気発生器配管の減肉・損傷、原発再稼働準備工事中の死亡を含む人身事故、原発関連工事費の不正環流など、トラブル、事故、不祥事が頻発しています。
 運転認可時には想定されなかったことばかりです。
 原発の40年超え運転が理不尽であること、関電が原発を安全に運転する資質と体制を有していないこと、また、新規制基準が極めて不完全で、規制委の審査がいい加減であることを示しています。

◎ 一方、関電は、使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を2018年内に決定すると明言していましたが、約束を反故にしたまま今に至っています。それでも、関電は、使用済み核燃料を増やし続ける原発の運転を継続し、老朽原発の運転まで進めようとしています。
 また、その関電を援護する電気事業連合会(電事連)は、12月17日、むつ市の中間貯蔵施設は、東京電力と日本原電の使用済み核燃料の貯蔵を前提に設立されたにもかかわらず、原発を保有する電力会社の共用にすることを検討すると発表しました。人々の安全や安心を顧みない身勝手極まりない関電や電事連の姿勢の現れです。許されるものではありません。宮下むつ市長は、共同利用に不快感を示し、受け入れを拒否しています。

◎ このような関電の老朽原発再稼働の野望を粉砕するために、9月6日、「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか(「9・6大集会」と略)」が、新型コロナウイルス(以下、コロナと略)、超大型台風、酷暑を乗り越えて開催され、引き続く「老朽原発うごかすな!キャンペーン期間」「老朽原発うごかすな!大阪→美浜リレーデモ」「老朽原発うごかすな!美浜大集会」などの行動を通して、「老朽原発うごかすな!」の強い決意が示されました。

 また、私たちは、これらの行動の準備・実行の過程で、市民運動、大衆運動、抵抗運動とは何かについて、多くのことを学習しました。
 以下、(その3)(その4)に、上記行動の概要とその準備・実行過程で私たちが学んだことを紹介します。 (その3)につづく        (「進歩と改革」2021年2月号より転載)
KEY_WORD:40年超原発再稼働_:MUTSU_RECYCLE_:MIHAMA_:TAKAHAMA_:FUKU1_: