[2023_08_19_07]中国電と関電 思惑一致 山口・上関中間貯蔵調査容認(東奥日報2023年8月19日)
 
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中国電と関電 思惑一致 山口・上関中間貯蔵調査容認

 原発の使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設の確保を巡り、中国電力が関西電力に働きかける形で共同建設に向けた調査が動き出す。カルテル問題で巨額の課徴金を課されて費用負担に悩む中国電と、好決算の裏で使用済み燃料の搬出先確保が急務だった関電の罪惑が一致した。将来の原発の安定稼働に向け、両社はようやく一歩前進したと言えそうだ。
 2月ごろ、中国電が山口県上関町に中間貯蔵施設の建設を水面下で提案してすぐ「施設を共同で建設したい」との意向が関電に伝えられた。関電首脳は「社内の議論で目立った反対意見は出なかった」と明かし、両社の利害がぴたりとはまったことをうかがわせた。
 中国電は当時、財務状況が悪化していた。関電と結んだ電力販売力ルテルによる課徴金約707億円が直撃し、2023年3月期連結純損益が過去最大の1553億円の赤字に。島根原発(松江市)が24年以降に再稼働を控える中、関係者は「中間貯蔵施設そのものは巨大な倉庫のような感じだが、道路などの周辺整備も必要となるため、それなりのお金と時間がかかる」とこぼす。
 一方の関電は福井県内で稼働する原発が収益を支え、23年3月期も176億円の黒字を確保した。ただ、原発内の使用済み燃料プールは今後5〜7年で満杯になる見込みで、搬出先の選定を急いでいた。ある関電幹部は上関町で建設が実現した場合、中国電との費用負担の割合は未定とした上で、実際の貯蔵容量で関電が中国電を上回る可能性に言及した。
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