[2023_07_28_10]高浜原発1号機は最初の「60年超」になるのか 関西電力、再稼働原発はすべて30年超(東京新聞2023年7月28日)
 
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高浜原発1号機は最初の「60年超」になるのか 関西電力、再稼働原発はすべて30年超

 原発の最大限の活用を掲げる岸田政権下で、国内で最も古い関西電力高浜1号機(福井県)が28日、新たに再稼働した。世界最悪レベルの東京電力福島第一原発事故後、新規制基準の審査をクリアした原発の再稼働は11基に。うち原子力規制委員会が老朽化対策を求める運転開始から30年超は8基を占め、40年超も2基。事故リスクの高い老朽原発頼りが鮮明な状況にある。
 再稼働済みの原発は西日本に集中。関電はいずれも福井県の高浜、美浜、大飯の6基が運転し、全てが運転開始30年を超える。高浜3、4号機はいずれも運転開始から38年が過ぎ、規制委に40年超の運転延長を申請中。九州電力川内原発(鹿児島県)も1号機が39年、2号機が37年で運転延長を申請している。今後数年で4基が新たに40年超を迎える。
 今年5月、福島事故後に導入された「原則40年、最長60年」とする原発の運転期間について、再稼働審査などでの停止期間分を追加延長することで60年超運転を可能にする改正電気事業法が成立。高浜1号機は「60年超」が最初に適用される可能性がある。
 複雑で膨大な数の部品や機器からなる原発では、劣化の見落としによるトラブルも。高浜4号機は今年1月、運転中に制御棒1本が原子炉内に挿入されて自動停止。制御棒を動かす電気ケーブルの施工不良が原因で、運転開始から40年近く不適切な状態に気づかず、ケーブルの接触不良が起きた。老朽化は想定外のトラブルの可能性を高める。(小野沢健太)
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