[2020_08_08_04]研磨作業が不十分 シート誤用も判明 原燃、火災原因公表(東奥日報2020年8月8日)
 
 日本原燃は7日、六ヶ所村の同社敷地内で発生した溶接作業中のビニールシートへの引火について原因を公表した。溶接部材のさび止めを削り落とす作業が不十分だったために溶けた金属が落下、さらに本来は燃えにくいシートで機器を覆うべきところを可燃性のポリエチレンシートを使っていたことが判明した。
 火災は今年3月、緊急時対策所の建設現場で発生した。作業員4人が足場の上で溶接作業を行っていたところ、溶けた金属が足元の難燃シートを貫通し、約1メートル下にあった養生シートに引火した。養生シートは充電器盤を覆っていた。
 原燃によると、足元は不燃シートやブリキ板などの不燃材で養生することとなっていたが、現場では難燃性のものを2枚重ねて使っていた。また、作業員が充電器盤を誤ってポリエチレンシートで覆っていた。原燃の現場確認もおろそかだったという。
 火災など重大事象の発生時には速やかに県や村へ連絡する必要があるが、目安の時間からおよそ1時間遅れた。現場が地下にあり携帯電話の電波が届かなかったためで、原燃は建設現場で通信設備の運用を前倒しして始め、通話ができるようにした。また、連絡通報のルールを見直した。
 6月にウラン濃縮工場で発生した排風機1台の故障は、絶縁塗料の経年劣化によりモーターのコイルがショートしたことが原因だと推定した。 (加藤景子)
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