[1984_01_05_02]核燃料サイクル基地構想 知事、柔軟姿勢示す 「申し入れあれば対応」(東奥日報1984年1月5日)
 
 北村知事は四日、年頭の記者会見を行い、むつ小川原地区が核燃料サイクル基地の候補に挙がっていることについて、正式打診はまだないことを強調しながらも「私や県だけで対応を決めるのは無理である。仮に何らかのを諮ったと同様に、県議会をはじめ各界の意向を聴いたうえで方向を見定めたい」と、柔軟な姿勢を示した。
 むつ小川原開発地域が使用済み核燃料の貯蔵施設を抱き合わせで再処理工場、ウラン濃縮施設の三点セット″の建設候補地に挙がっているとの報道は各方面に波紋を広げている。
 核燃料サイクル基地について知事は「安全性の面から不安だ、悪かろうという意見もあれば、地元にとってメリットがあるという意味で良かろうとの意見もあろう。県としてはそれぞれの意見をよく聴く必要がある」と語り、県民世論の盛り上がりを見極めて方針を立てる考えを明かかにした。
 同時に(要請の話が)どこから来るかによって違う。政府か電力会社か、経団連か、またはむつ小川原開発会社かで私の受け止め方は重みが異なる。政府からまともに持ち込まれた場合、それなりに対応する」と答え、通産省や科学技術庁など政府レベルで申し入れがあった時は、話し合いに応ずるとの姿勢を示した。
 一方、自民党県連の工藤省三幹事長は同日「行政レベルで話し合いにくいこともあろうから、県連として近く上京し関係方面の意向を確かめたい」と語った。これは、県当局が公式には動けないことを配慮のうえ、党主導で電力業界や関係省庁の動向をみながら、前向きに環境づくりを図ろうとする狙いがあるものとみられる。
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