[2023_02_16_08]むつ市に大型弾薬庫 トマホークなど長射程ミサイル保管か 防衛省、2025年度まず2棟(東奥日報2023年2月16日)
 
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むつ市に大型弾薬庫 トマホークなど長射程ミサイル保管か 防衛省、2025年度まず2棟

 他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)。その柱となる長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」などを保管する大型弾薬庫が、青森県むつ市の海上自衛隊大湊弾薬整備補給所に新設されることが15日までに分かった。防衛省が2023年度に着手する弾薬庫整備計画の一環で25年度までに2棟整備する予定。スタンド・オフ・ミサイルは政府が23年度の一括購入を決めた米国製巡航ミサイル「トマホーク」(最大射程約1600キロ)が中心になるとみられる。
 この新設される大型弾薬庫2棟は海自全体への供給を前提とした「弾薬センター」的な役割を果たす可能性が高く、軍事専門家は「大湊にとどまらず海自全体の弾薬庫と捉えるべき。トマホークの整備・管理はもちろん通常の弾薬も保管することになるだろう」と話す。
 東北防衛局によると、海自大湊弾薬整備補給所では大型弾薬庫2棟の新設のほか、今後さらに4棟を新設するための調査を行う。23年度の事業費は合わせて約7億円。4棟の具体的な建設時期は現在検討中という。
 大型弾薬庫は、ミサイルを前線に送り出す拠点になる。こうした整備計画の背景には政府が国家安全保障戦略で優先課題とする「弾薬の確保」と「継戦能力強化」がある。
 政府は反撃能力の手段として、トマホークのほか国産の12式地対艦誘導弾の改良型を部隊配備する計画。ほかにも島しょ防衛用の新型ミサイル「高速滑空弾」の能力向上型などを開発する。これら長射程ミサイルは従来のものより大型となるため、保管する弾薬庫も大型化する必要があった。
 トマホーク取得費として政府は23年度予算案に2113億円を計上。今月14日には同年度に一括購入する契約を米国と結ぶ方針を明らかにした。関係者によると海自イージス艦から発射可能で、米海軍も導入する最新型を取得する予定だ。

 防衛省はトマホークの部隊配備を26年度からと想定しているが、前倒しできないか米側との協議を視野に入れている。具体的な取得数に関して公表していないが最大で500発程度とみられる。トマホークは主に海自の艦艇、航空機用に導入されるが「基本的に大湊に新設される大型弾薬庫で保管・整備する方向で進むだろう」(軍事研究家の文谷数重=もんたに・すうちょう=さん)という。
 このほか大型弾薬庫は23年度、陸上自衛隊大分分屯地(大分市)にも2棟整備されるが、こちらでは陸自用の12式地対艦誘導弾改良型などが保管される可能性が高い。
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