[2022_11_22_02]核燃再処理工場、耐震計算結果を転記ミス 日本原燃の審査申請書 規制委で「危機感ない」批判相次ぐ(東京新聞2022年11月22日)
 
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核燃再処理工場、耐震計算結果を転記ミス 日本原燃の審査申請書 規制委で「危機感ない」批判相次ぐ

 原発から出る使用済み核燃料の再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働に必要な審査で、日本原燃が原子力規制委員会に提出した申請書の耐震計算結果に、複数の誤りがあることが分かった。規制委側からの指摘で判明した。申請から約2年がたっても、原燃は能力不足を露呈し続け、審査が終わる見通しは立たない。
 誤りがあったのは、原燃が11月8日に申請書を補正する形で提出した冷却塔の火災感知器についての耐震計算結果。原燃によると、耐震計算の結果を申請書に転記する際、数カ所で誤った数値を記入した。提出前に書類のチェックはしたものの、誤りに気づかなかった。原因は「調査中」として明らかにしていない。今後、補正内容を修正して提出し直す。
 規制委事務局によると、計算結果の誤りは、専門的な知識を持つ人が見れば、一目で分かるほど単純なものだったという。
 15日にあった審査会合で、規制委事務局の担当者からは「設備設計の審査で、数値を間違えることは決定的に重大な問題」「初歩中の初歩。なぜ気づかないのか。危機感がまったくない」などと批判が相次いだ。審査対応を統括する原燃の須藤礼専務執行役員は「本当にあってはならないこと。重く受けとめる」と述べるだけだった。
 再処理工場は、国の核燃料サイクル政策の中核施設。2020年7月に基本的な事故対策が新規制基準に適合し、原燃が同12月に設備の詳しい設計や工事計画の審査を申請した。しかし、原燃の説明が不十分で、申請段階から目立った進展はない。
 審査の難航を受けて原燃は今年9月、26回目の完成延期を表明。次の完成目標時期を年内に示す予定だが、数値の誤りが見つかったことで、審査はさらに難航することが必至だ。(小野沢健太)

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