[2022_11_09_04]茨城県で震度5強 津波なし 気象庁「今後1週間程度 地震注意」 (NHK2022年11月9日)
 
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茨城県で震度5強 津波なし 気象庁「今後1週間程度 地震注意」

 9日午後5時40分ごろ、茨城県南部を震源とする地震があり、茨城県で震度5強の強い揺れを観測したほか、関東甲信越や東北などの広い範囲で震度4から1の揺れを観測しました。この地震による津波はありませんでした。
 気象庁によりますと、9日午後5時40分ごろ、茨城県南部を震源とするマグニチュード4.9の地震がありました。
 この地震で震度5強の揺れを茨城県城里町で観測しました。
 また震度4の揺れを
▽福島県の白河市
▽茨城県の笠間市、常陸大宮市、筑西市、坂東市
▽栃木県の宇都宮市、栃木市、鹿沼市、小山市、益子町、壬生町、高根沢町
▽群馬県の邑楽町で観測しました。
 このほか、震度3から1の揺れを関東甲信越と東北南部、それに静岡県の広い範囲で観測しました。
 この地震の震源の深さは51キロでした。
 茨城県で震度5強の揺れを観測したのは、2016年12月28日に起きた茨城県北部を震源とする、マグニチュード6.3の地震以来です。
 気象庁は「揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどの危険性が高まっていて、今後の地震活動や雨の状況に十分注意してほしい。揺れの強かった地域では今後1週間程度、最大で震度5強程度の揺れを起こす地震に注意が必要だ」と呼びかけました。

 気象庁「今後1週間程度 地震に注意を」

 茨城県で震度5強の揺れを観測した地震について、気象庁の鎌谷紀子地震津波監視課長はさきほど午後6時40分から開いた記者会見で、「揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどの危険性が高まっている。今後の地震活動や雨の状況に十分注意してほしい。揺れの強かった地域では今後1週間程度、最大で震度5強程度の揺れを起こす地震に注意してほしい」と呼びかけました。

 原子力規制庁 各地の原発や関連施設 異常なし

 原子力規制庁によりますと、震度3の揺れを観測した茨城県東海村にある日本原子力発電の運転を停止している東海第二原子力発電所や日本原子力研究開発機構の使用済み核燃料再処理工場などの原子力関連施設のほか、震度2の揺れを観測した茨城県大洗町にある高速実験炉「常陽」などの原子力施設では、今回の地震による異常はないということです。
 周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの値にも変化はないということです。
 このほか、震度2や1の揺れを観測した福島県大熊町と双葉町にある東京電力福島第一原発と、楢葉町と富岡町にある福島第二原発でも異常はないということです。

 気象庁 茨城県城里町の大雨警報などの基準引き下げ

 震度5強の揺れを観測した茨城県城里町について、気象庁は強い揺れで地盤が緩み雨による土砂災害の危険性がふだんより高くなっているとして「大雨警報」と「大雨注意報」、それに茨城県と気象台が共同で発表する「土砂災害警戒情報」の基準を通常の8割に引き下げました。
 気象庁は当分の間、この基準で運用することにしていて、揺れが強かった地域では雨の降り方に十分注意し、大雨警報や土砂災害警戒情報が発表された場合には早めの避難など安全の確保を心がけてほしいとしています。

 震度5強 茨城県城里町 被害などなし(19:30現在)

 震度5強と震度4の揺れを観測した、自治体を管轄する警察署と消防によりますと、午後7時半現在、これまでに、被害の情報は入っていないということです。
 引き続き情報収集を進めていくとしています。

 千葉 柏 飲食店で天井のタイル落下 女性客けが

 千葉県や消防によりますと、震度3を観測した千葉県柏市の飲食店で、天井のタイルが落ち、20歳の女性客にあたって頭を切るけがをしたということです。
 女性は市内の病院に搬送されましたがけがの程度は軽いということで、県などが詳しい状況を調べています。

 政府 官邸連絡室を設置(17:42)

 今回の地震を受けて、政府は、午後5時42分、総理大臣官邸の危機管理センターに、官邸連絡室を設置し、情報の収集と警戒にあたっています。

 東電 現在のところ停電なし

 東京電力によりますと、現在のところ停電の発生は確認されていないということです。
 また、発電所に被害が出ていないか、現在確認を進めているということです。

 水戸市の数件で一時ガス止まるも復旧 東部ガス

 水戸市や土浦市などにガスを供給している東部ガスによりますと水戸市内でガスメーターの安全装置が作動し一時ガスの供給が止まった世帯が数件ありましたが、午後8時現在、復旧したということです。

 震度5強 城里町では

 震度5強の揺れを観測した茨城県城里町役場の職員によりますと、下から突き上げるような揺れを数秒感じたということです。庁舎内で書類が散乱したり、棚が倒れたりするなどの被害はなかったということです。町は災害警戒本部を設置して被害情報の収集にあたるとしています。
 城里町の常北公民館の副館長の男性は、「地震発生時は地鳴りのような音のあと、下から突き上げるような大きな揺れを感じたが、棚から物が落ちるようなことはありませんでした。周りは住宅街ですが電灯もついていて、公民館からは異常は見当たりません。地震発生時は職員3人が館内にいましたが、全員けがはありませんでした」と話していました。
 県城里町の福祉施設の職員は「下から突き上げるような大きな揺れを数秒感じました。これほどの揺れは久しぶりなので、驚きました。棚や机などから物が落ちるようなことはありませんでした。施設の利用者もびっくりしたようでしたが、けがをしたり、具合が悪くなったりした人はおらず、今は落ち着いています」と話していました。
 城里町にあるクリニックによりますと、ドンと突き上げるような揺れがありましたが、棚や机から物が落ちることはなかったということです。クリニックには当時、患者が10人ほどいましたが、いずれもけがはなく、医療機器に不具合も起きていないということです。
 城里町にあるホテルの代表は、「食事の調理をしていたときにぐらぐらとした揺れが10秒ほど続きました。立っていられないほどではありませんでしたが、びっくりしました。客でけがをした人はおらず、廊下などを見渡しましたがひび割れなどの被害も今のところも見られません」と話していました。
 城里町にあるスーパーマーケットの店長は「地鳴りのような音がしたあと、ぐらぐらと地震がはじまり突き上げるように揺れました。さほど大きな揺れとは感じませんでした」と話していて、棚から商品が落ちることはなかったということです。客や店員にけがもなく、店は通常通りの営業を続けているということです。
 城里町の酒店の店主の男性は「ドンと突き上げるようなけっこう大きな揺れがあって、それから少しの間、揺れが続きましたが、そう長くは感じませんでした。驚きましたし、親せきからも心配する電話がありましたが、幸い、店に客もおらず、商品の酒が倒れることもなく、無事でよかったです」と話していました。
 城里町にいたNHKの職員は、「下からドスンと突き上げるような強い揺れがあったが、10秒から15秒くらいで収まった。揺れのあとすぐ近くのコンビニの様子を確認しに行ったが、店内の棚から商品が落ちるようなことはなく店も落ち着いた様子だった。コンビニに向かうまでの道路でも信号が消えているところはなかった」と話していました。職員が話を聞いた城里町のコンビニエンスストアの店員は「いつもよりも少し強い揺れだと感じた」と話していました。
 茨城県で震度5強は2016年12月以来

 気象庁によりますと、茨城県で震度5強の揺れを観測したのは6年前の2016年12月28日に起きた茨城県北部を震源とするマグニチュード6.3の地震以来です。
 このときは
▽茨城県高萩市で震度6弱の激しい揺れを、
▽日立市で震度5強の強い揺れを観測しました。
 また、茨城県内の各地で震度5弱を観測したほか、茨城県と栃木県、埼玉県、千葉県、福島県、それに宮城県で震度4を、東北から東海にかけての広い範囲で震度3から1の揺れを観測しました。

 防衛省 ヘリコプターで被害情報収集へ

 防衛省は被害の状況について情報収集を行うため、揺れが大きかった地域の上空で陸上自衛隊のヘリコプターを飛行させる準備を進めています。

 専門家「今後1週間程度は注意を」

 茨城県で震度5強の揺れを観測した地震について、国の地震調査委員会の委員長で東京大学の平田直名誉教授は、「震源の深さから陸側のプレートに沈み込む海側のフィリピン海プレートとの境界付近で起きた地震とみられる。茨城県南部はこれまでもたびたび大きな揺れを伴う地震が起きている。強い揺れを感じた地域の方は今後1週間程度は同程度の地震があると思って揺れに注意してほしい。棚から物が落ちるおそれがある場所では安全な場所に移動する必要がある」と話していました。
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