[2016_05_25_04]規制勧告に対する四電の回答と聴聞_第1回議事録(四国電力_原子力民間規制委員会2016年5月25日) |
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規制勧告に対する四電の回答と聴聞 第1回議事録 日 時 2016年5月25日(水)11:00〜12:30 場 所 四国電力(株)原子力本部会議室 出席者 主催者:原子力民間規制委員会・いかた 向井正次郎、堀内美鈴、谷口博徳、藤原丸子、中須賀文彦 原子力民間規制委員会・東京 坂東喜久恵、中村泰子 回答者:四国電力鰹シ山支店総務部次長兼広報課長 村上良太 四国電力褐エ子力本部エネルギー広報グループグループリーダー 木村亨 四国電力褐エ子力保安研修所運転訓練グループグループリーダー 合田英規 議 題 規制勧告【19】についての回答と聴聞 規制勧告【1】〜【18】についての回答と聴聞 アンダーラインは回答者の発言 議事録(要旨) 向井:こちらは名簿を提出したので、そちらの名簿も出して下さい。所属、役職、氏名、電話番号を今書いてこちらに渡して下さい。(→四電回答者3名の名簿受ける) 木村:こういうことは初めてです。 向井:これが当たり前です。 中村:1月に手交した規制勧告【1】〜【18】および5月6日付けで送付した追加の規制勧告【19】への回答を受けます。文書回答を求めたが「文書回答はできない」とのことなので、やむをえず口頭回答を録音し、こちらで文書化することにしました。科学技術の議論ですので、文書回答するのが当然なのに、そちらが文書回答をしないことで、余計な手間ひまがかかりました。この点について抗議します。 各項目ごとに、@この規制勧告の効果を認めるか否か、およびその理由、Aこの規制勧告を受け入れるか否か、およびその理由について、5月6日付けで送付した想定問答集を参考に回答を求めます。まず、緊急性の高い規制勧告【19】から、回答を求めます。 木村:【19】からとの要望なので、まず【19】に答えます。【1】〜【18】は個々にやると時間がかなりかかるので、まとめて回答します。 向井:12時までというなら、残りは日を改めて回答して頂きます。中途半端な回答でうやむやな形にしてほしくありません。 木村:われわれもうやむやな回答をするつもりはありません。 【19】熊本・大分地震と再稼働 勧告 大災害をもたらした熊本・大分地震は中央構造線断層帯を震源とする群発地震と考えられる。これは熊本市付近で発生し、その加速度は1,500ガルを超えた。そして地震は阿蘇山を越えて別府市付近に東進した。この延長線としての海底断層は、伊方原発から5〜8kmのところを通っている。このような場所に原発を設置したことはそもそも間違いであった。伊方原発を再稼働してはならない。 回答 伊方発電所の基準地震動650ガルは、解放基盤表面の固い岩盤上での値です。一方、今回の地震の1580ガルについては、益城町の観測地点の柔らかい地盤での記録です。同地点の地中の固い岩盤上での記録は200〜300ガル程度でした。このように、今回の熊本地震で1580ガルを観測したからといって、伊方発電所で想定している地震動より大規模な地震が発生したことは決してなく、伊方発電所の基準地震動の評価が過小評価というものではありません。伊方発電所では、国の新規制基準に適合した重大事故等(対策)を実施するとともに耐震性の強化や外部電源の多様化など当社独自の安全対策も講じており、万一大きな地震や津波が来襲したとしても深刻な事故に至らないよう安全対策を実施しています。 聴聞 中村:現に1580ガルの地震が起こり、中央構造線断層帯が間近にあり、地震が現在進行形である中で、地震の影響はないといい切り再稼働を強行しようというのはどうかと思います。 向井:実際、岩盤が固いので1/5程度の揺れしか発生しないということを確かめたのですか?それを証明するデータはあるのですか? 木村:実験したわけではありません。過去の地震があったときに、どのくらい発電所が揺れたかのデータはあります。伊予灘地震(2014.3.14)では、九町で141ガル、湊浦で約230ガル計測しましたが、伊方発電所では56ガルでした。伊方発電所で観測した一番大きな揺れは、芸与地震(2001.3.24)で伊方町(九町)108ガルに対し、伊方発電所では64ガルでした。 谷口:それは水平動ですか。 木村:そのとおり。水平動と上下動で計測しているが、どちらか高いほうの値を出しています。 中村:過去の値がそうだから、大丈夫とは言えません。中央構造線のそばにあるのだから。1000ガル程度までの耐震性があるとのことですが、1000ガル以上の揺れがきたら、どこがどう壊れるか、どこが弱いかなどは、わかっていますか。 木村:中央構造線が発電所に一番影響を与えるという評価がされていて、保守的にみて、別府-万年山断層から中央構造線紀伊半島まで480kmの断層が持っているエネルギーを一気に解放した場合に最も大きな地震が来ると想定し、安全側の係数を使って評価したのが650ガルという計算値です。さらに、愛媛県知事から1000ガル対応という要請があり、安全上重要な機器に関しては1000ガルに実力的に耐えうる構造物になっていることを確認しています。 向井:すべて想定内で、想定外という言葉を使うことはないということですか? 木村:自然相手なので、今ある知見に対し検討した結果であり、今のところこれで大丈夫であろうということで、新たな知見が得られれば、当然、その知見を検討して伊方発電所に反映すべきところは反映させ、リスクを少しでも低減させるため、さらなる安全対策が必要なら実施します。 中村:1000ガル以上の力が加わった場合どうなるか検討すべきで、どこが弱いかを示してください。 向井:最悪の場合、福島事故と同じように、配管破断でガス漏れ、水素爆発で延々100キロに及び放射能が放出されることになります。 木村:福島の場合は、地震が原因であのようになったのではないとわれわれは考えています。 向井:地震が原因です。 木村:福島第二発電所も女川発電所も地震できちんと止まりました。原子力規制委員会の調査結果でもそうなっています。 向井:それは、そういう風にしたほうが都合がいいからそうしているのではないですか。 木村:非常用ディーゼル発電機が起動し、冷却も成功していたが、津波により非常用ディーゼル発電機が水没し、ポンプの電源がなくなったことによって大きな事故になったという調査結果が出ています。 谷口:650ガルを算定した際の断層の長さは何kmか確認したいです。 木村:480kmです。 坂東:650ガルは机上の値でしかありません。建屋も原子炉格納容器も設計当初から基本的に変わっていません。 木村:格納容器とかは当然650ガルに耐えます。 坂東:浜岡原発は東海地震の震源域ということで、最初から600〜700ガルで設計しています。浜岡原発の建屋や格納容器はどのくらい頑丈に作っているか、見たことはありますか?半端ではありません。 木村:浜岡には行ったことがありません。当然、岩盤で650ガルなので、建屋はもっと揺れることになりますが。 坂東:伊方原発は650ガルに引き上げましたが、どのくらいの補強をしたかというと、浜岡に比べると何もやっていないに等しい。 木村:いや、当社は耐震補強をこれだけやりましたとプレス発表しています。浜岡とか各発電所では地域特性、岩盤特性等が違うので、それも踏まえて、原子力規制委員会が審査し、承認を得ました。 中村:福島第一事故において震度6強の地震により、1号機の配管が破断して放射能と水素が建屋に放出されました。地震から3時間後には、放射能高で1号機建屋への入室が不能となりました。また同時に、この破断口から建屋に放出された水素により、翌日水素爆発がありました。実際に福島でそういうことが起きたのだから、地震による配管破断の危険性を放置できません。伊方原発で配管破断について、どのような計測結果があるか示してください。 木村:何をもって福島第一1号機の配管破断があったと主張されるのか承知していませんが、われわれはそれが原因とは考えていません。規制庁の報告でもそのような記載になっていません。どこからの情報ですか? 向井:配管破断はあり得ないということですか? 木村:福島事故ではあり得ません。 向井:伊方では? 木村:伊方では、安全上重要機器については1000ガルまで十分耐えられることを確認しています。 中村:1000ガルまで耐えられると確認したデータを次回示してください。どの部分がどの程度弱いのかということを示してください。 木村:審査会合の資料を準備します。そちらで調べてもらってもよい、規制員会HPに掲載されています。 谷口:大きい地震のとき配管は流体が通っているのでかなり揺れるので、サポート台で補強するなどで1000ガルに耐えられるよう補強したという意味ですか。 木村:サポートを大きな部材に変えたりサポートを追加したり、現場に応じて補強しています。 中村:配管破断などの危険性の高い部分のデータを出してください。 木村:何ガルで配管破断するかを示せという質問趣旨ですか?そういう評価はしていません。 向井:1000ガルまでは大丈夫という検証結果があるということでいいですか。また、想定範囲外のことが起こったらその都度対処するということでいいですか。 木村:想定外ではなく、研究開発等で新しい知見が出たら対応するということです。 向井:研究開発も含めていいです。今1000ガルで大丈夫としているが、実際は1500ガルでも危ないということになったら、それに対応できるのですか?天変地異は実際想定外のことが起こりえます。熊本でも震度7が来ておさまると想定していたらもう一度起こりました。伊方で震度7が起こった場合は1回目は大丈夫ですか? 木村:650ガル、1000ガル対応で大丈夫です。 向井:もう一度起こったら? 木村:中央構造線480kmが持っているエネルギーが一気に出されたら、もう一度同じエネルギーの地震が来るとは考えにくい。 向井:考えにくくても、想定外のことが起こることは熊本・大分地震で証明されました。これを新しい知見として電力会社として認識されましたか? 木村:伊方発電所の前には中央構造線があり、それが動いて、次を誘発して、南海トラフ地震が来たとしても、伊方に及ぼす地震は181ガル程度なので、伊方発電所が壊れるようなことはないと考えています。 向井:中央構造線うんぬんではなく、想定外の2回目が来たらどうなるのですか? 木村:安全上重要機器は弾性特性を持っているので、1回地震が来ても、もとの形に戻ります。塑性変形しません。塑性変形してしまうと2回目が来たらドンと行きますが。もう1回来ても十分耐えうると判断しています。 谷口:四電は、4月14日、地表面で上下動1399ガルを記録した益城町でも、固い地中では上下動127ガルだったと説明しましたが、上下動のほうが水平動より上回ることはあるのですか。水平動と上下動の関係はどうなっているのですか。 木村:震源との位置関係によってちがいます。 谷口:伊方の場合は固い地盤の上で上下動377ガルが最大としていますが、それで大丈夫ですか? 木村:中央構造線は横ずれ断層で、断層の向き、いろいろな割れ方のケース検討をしたうえで出した数値なので大丈夫です。 坂東:中央構造線は一度に割れるのではなく、これまで、ひずみがたまったところが動いて次を刺激して、という動きをしてきました。一度に動いた記録はないが、中央構造線に近いところの地震は多く、なぜこんなところに伊方原発を作ったのかと地震学者は言っています。480kmが一気に割れるのではなく、連鎖的に割れると考えられます。 木村:申請時は前面海底の一番近い54kmの断層が動いたと想定して570ガルという数値でした。その後、64kmとか480kmとか規制庁に言われて、ケース検討し、保守的な数値として一番高い650ガルを設定しました。連動して動いた場合、距離が遠くなるほど発電所への影響度は下がっていくと考えています。 向井:配管の接続面が地震で破断したということは福島第一事故のデータから示されるという報告書も出ているが、入手していますか? 木村:何かで読んだ記憶はあります。 合田:そういう可能性があるという報告はあります。 向井:伊方も同じことが起こりうるのではないですか? 中村:規制勧告【19】は、福島第一で起こった地震による細管破断等の再発防止であり、対策がとられないなら再稼働は中止という趣旨です。大丈夫というなら、1000ガル以上の場合、どのような破損の危険性があるかを、1000ガル対応の検証結果等からデータとともに次回示してください。 木村:何ガルになったら破断するというデータはありません。基盤上650ガルとして、建屋の応答振動、固有振動をとってきて、その部位がどのくらい実際に揺れるのかを出し、弱い部位はこういう補強をすればよいというのは検討しています。 谷口:評価のとき破断点は予想されているのでは?普通設計時には破断点を考慮して設計します。 木村:配管の厚み、材質、径の太さ、建屋床の応答等から計算し、1000ガルに十分耐えうると確認しています。機械材料の中でこの材質は疲労破壊とか、脆性破壊とかの破断面はわかっているので、そういう値にならないように補強します。 谷口:知事の要望の1000ガルの根拠はどこにあるのですか?1000ガルは水平動なのか、上下動なのですか? 木村:愛媛県知事が当初570ガルを出していたので、約2倍ということを言われました。1000ガルは、水平動、上下動両方です。 谷口:上下動が水平動を上回ることはあるのですか? 木村:どの場所がどういう揺れ方をするかのデータを今持ち合わせていないので答えられません。 中村:1000ガル対応の検証結果から、どの部分が弱いかを10カ所くらい挙げてください。 木村:それを社外的に出せるかどうかは、私の一存では答えられないので、社内で検討させてください。 中村:後日、正式に照会という形で送るようにします。堀内:今回中央構造線480kmのエネルギーが一気に来た時というということで650ガルが考えられているという理解でよいですか。 木村:それが一番厳しい条件として設定したものです。 向井:そうとは限らないです。 木村:規制庁からもそう言われています。堀内:熊本地震は気象庁も今後も警戒が必要と言っています。この480kmの中央構造線がまだわかっていない新しい断層によって今後延びて行って、また、基準地震動の変更が必要になるという可能性についてはどうですか? 木村:伊方発電所の場合も震源地を特定する地震と、特定しない地震の二つを検討しています。震源地を特定しない地震(基準地震動Ss-2)は、伊方発電所の地盤とよく似たところとして、北海道留萌支庁南部地震と同じような地層の上に乗っている鳥取県西部地震を選定し、その地震が伊方発電所の岩盤上で発生したときどうなるかも検討しました。 堀内:震源を特定しない地震、直下型地震の可能性については、実際にどのくらいエネルギーがたまっているか、いつ、どこでそれが発するかはわからない部分が多いといわれています。まだまだ未知な点が多い中で、新しくわかってきたことがあれば四国電力の基準地震動に検討を加えて行くことはあるのですか? 木村:今まで断層がなく特定されていないところで新たな地震が起きたというような場合、伊方原発の地盤との類似性などを検討し、基準地震動を見直す必要があるならば、当然それを反映させます。そういう新しい知見を取り込んで、リスクを下げて行く努力をします。地震関係も毎年いろいろな文献を調べ、伊方発電所に反映させる事項はないかサーベイしています。堀内:今までも、基準地震動は設計当初のものから何度も変更されてきました。それなら、熊本地震で想定を超える地震も出てきているので、今後知見が確立されてから反映させるのでは、すでに遅いのではないかとの危惧があります。地震による事故の再発防止の観点から慎重な検討をお願いします。 木村:基準地震動算定の際には、数値をかなり安全側に保守的にとった結果が650ガルなので、十分対応できると考えています。堀内:そう見ない立場、不十分であるという立場に立てば、別の慎重さが必要になってくるのではないかと思います。 木村:地震だけでなく、すべてにおいて新知見は当然それを発電所に反映するべきかどうか検討し、必要なら反映させることには変わりはありません。 向井:東日本大震災以来、日本全国いたる所で、ある地点を境に東西に地盤が動く現象がみられ、大分あたりの動きがはなはだ大きいということが予知されていて、今回地震が起こった。地面のゆがみのデータは地震の可能性のデータとしては活用されているのですか?今相当動いているというデータがあり、危険性を検討する上で活用すべきと思うがどうですか。 村上:そのデータを活用しているかどうかは、われわれは把握していません。そういう情報が公表されているものであれば、当然把握していると思います。 坂東:九州は南北に引っ張られています。東日本大震災で関東から北は相当東側に最大5mくらいずれました。GPSでみれば、日本列島全体の基盤が動き始めています。一番平穏な時期に作られた原発は、もう一度根本的に考え直す時期に来ています。昔は、中央構造線はたぶん大丈夫と思われていただろうが、今は地盤の動きが活発化しているので原発は考え直すべきではないですか。 木村:基準地震動を設定する際に、今わかっている範囲の知見を入れて検討しています。 坂東:設計の地震動は今のほぼ半分で作られています。 木村:何に対して半分ですか? 坂東:今の基準地震動650ガルに対し設計地震動は400ガル台で、その後建て直したわけではないので、ただ余裕度を食っているだけです。 木村:補強しています。 坂東:補強した程度で、実際は余裕度がない状態では、大きな地震には対応できません。知事が1000ガルと言ったので、基準地震動650ガルのところをすぐに1000ガルに対応すると言えるところが、そもそもおかしい。 木村:実力的に1000ガルに耐えます。650ガルは設計ベースの試算の話です。1000ガルで持たないところは耐震補強工事をしています。何もせずに、400ガル台のときのままの設備で放置しているわけではありません。 向井:650ガルから1000ガルまで引き上げたときも補強工事を実施したのですか? 木村:実施し、プレス発表しています。 谷口:熊本地震は震度5〜6が複数回起こっています。住宅地等は複数の地震によってつぶれました。伊方の場合は1回来ることを想定650ガル、1000ガル対応としているのですか?複数回来る場合も想定すべきではないですか? 木村:1回大きいのが来ても、弾性変形でもとの形に戻ります。家屋の場合、倒れかかるなど塑性変形が起きていた、または地盤が弱くて次に来た時につぶれたと聞いています。そういう条件と発電所の条件は違います。大きな地震が2回来たときに耐えられるかというご質問に対しては、耐えられるとお答えしたいと思います。 藤原:熊本地震では道路がダメになりました。伊方でそうなったら、ただでさえ辺鄙なところが多いので、避難は大丈夫ですか? 木村:地震が来て、地震によって放射性物質が外部に出て避難せざるを得ない事象というのは、まずあまり考えられません。地震が来ても、十分耐震性があるので、設備的には大丈夫。発電所は破損しないので、避難する必要性はありません。万が一何かあったときに、住民のかたに避難していただくために避難計画とか訓練とかをしていただいていますが、地震で原発事故が起こり住民避難というような事象になる可能性はほとんどありません。配管破損の指摘もありましたが、われわれは破損しないと考えます。 中村:福島第一で現に破損しているのに、破損しないと言い切るのですか。 木村:たとえばテロとか、ロケット衝突とかの不測の事態が万が一起きた場合に住民の方々に避難してもらうということで、避難計画を作っていただき、避難訓練をしていただいています。起因が地震ではありません。 向井:固い地盤だから大丈夫だということだが、どのくらい固定のためにくい打ち等をしているのですか?藤原:岩盤は固いのですか?緑色片岩は地震に弱いと聞いていますが? 木村:佐田岬のビジターズハウスへ行って実際の岩盤を見てもらえばわかりますが、非常に固い。 向井:どのくらい固定されているのですか? 木村:岩盤を掘って、そこにコンクリートに太径の配筋をして岩着させています。 向井:岩盤は固いかもしれないが、建屋全体がずれることはないのですか? 木村:それはないです。 向井:ないという根拠を示して下さい。全体がずれるとそれに絡む配管等は当然壊れますよね。 合田:ズレに対して応力を計算して、そのときの応力で配管は650ガルに対してもつという設計計算はしています。 谷口:建屋自体がずれることはあり得ないということですか? 合田:それも加味した応力がかかった場合の計算はしています。想定している地震に関しては、横応力を計算しています。 向井:650ガルの横揺れがきても破断しないということですか?ちなみに配管はどれくらいあるのですか?最低でも何十かはあるのではないですか? 木村:カウントしたことはないです。 向井:配管のすべてについて、検証したのですか? 合田:規制基準で求められている規制値に対し、それぞれ配管について見合うようになっているかどうか、すべて確認しています。 向井:そのデータはこちらに提示してもらえるのですか? 木村:規制委員会のHPに審査会合の資料は一式載っています。 向井:配管の破断についてのデータは、それを見ればすべてわかるのですか? 坂東:その資料は白抜きだらけです。 木村:白抜き部分はPP上公にできないものです。 堀内:新規制基準で定められている配管以外のところについては、確認はしていないということですか? 合田:要求の度合いが違うだけで、すべて何らかの規制はあります。 堀内:要求の度合いのランク付けはどういうものですか? 合田:新規制基準でランク付けされています。それに合うような形で評価をしています。 堀内:どこか1カ所が裂けても甚大な被害になると思うので、そのランク付けの違いが、実際の事故防止にとっては不十分なものとなるのではないですか。その辺、次回に再度質問したいです。 向井:計装関係の配管はCランクと聞いたことがあるが、破断したらそこから放射能が漏れることになります。 木村:放射能漏れにつながる計装配管がCかどうかは把握していないが、そういう配管はCではないと思います。Cランクは放射性物質を含んでいない二次系の配管、発電に寄与するような設備だと思います。 向井:それについては次回、回答して下さい。 藤原:ところで、原子力本部へ申し入れの人は駐車してはいけないと言われました。われわれは四電の電気を使うお客なのに、そういう体質は姑息で肝が小さいと思います。 木村:原子力本部の駐車場はありません。松山支店の駐車場は、ルール上、台数も限られているので、電気料金支払いの方向けの駐車場として用意しています。 向井:そういうことなら、次からはこちらが会場を指定するので、そちらに来て下さい。 木村:当社の基本の対応として、原子力本部で対応することになっているので、それはできません。駐車については、申入れの人に限らず、原子力本部に来る人すべて、業者についても駐車はご遠慮願っています。 中村:本日は規制勧告【19】のみで時間切れとなったので、次回の日程を決めたいです。こちらの希望の6月10日(金)はいかがですか? 木村:これから再稼働へ向けて多忙で、その日は訪問対話活動の最終日なので、伊方町とか大洲市とかへ出ているので、対応不可能です。 向井:そちらの都合で忙しいということなら、かまいませんので文書で回答して下さい。 木村:そういうご要望があったということについては、社内で検討します。 中村:空いている日はいつですか? 木村:今スケジュール表がないのでわからないが、ともかく再稼働までは、訪問対話の報告書作成等で忙しいです。 堀内:訪問対話で各戸を回られるのですか? 木村:この金土日も回ります。なので、6月、7月は難しいです。 坂東:今日用意されていたその文書を送ってもらえば済むことです。 木村:それは文書では回答しないという当社の基本姿勢があるため、できません。 中村:あまりにももったいぶっていませんか? 木村:もったいぶっていません。だから今日お受けしました。その辺はご理解願います。民間規制委に対してだけでなく、すべての申し入れの人たちにも同じ対応をしています。 村上:高松本店でも同じです。 谷口:私たちは、再稼働は危険と指摘しているわけですから、なおさら再稼働の前に、真摯に答えるべきです。 木村:真摯に答えています。答えるのも仕事だし、3号機をきちんと再稼働させるのもわれわれの仕事です。答えることは答えるが、再稼働も重要で業務多忙のため、後ろに回してもらいたいです。 向井:今日の午後、会議があるなら、その後再開してはどうですか? 村上:午後は全く詰まっています。藤原:対応者はこの3人だけしかいないのですか? 木村:対応の主幹はこの3人です。スケジュールについては、後日電話で候補日を出してもらい、日程調整したいです。 中村:では、6月10日以降の候補日を相談して連絡します。村上:正直な話、再稼働に向けたスケジュールが詰まっていて、マスコミ対応もあり、燃料装荷から一定期間は申し入れの受け付けは停止することになっています。 向井:8月以降ということですか? 木村:スケジュールを見て、日程調整し、真摯に対応したいです。 向井:ISOは取得されているのですか? 木村:ISO9000に代わるJEAG4101で保安検査を受けている。 向井:ISO上は現場審査の指摘に対する審査員への回答は基本的に文書でなされます。われわれにはそうしないのはなぜですか。品質保証マニュアルの顧客対応等で、口頭対応するということは明記されているのですか? 木村:記憶にないが、たぶんそういう記載はないと思います。 向井:もし明文化されているなら、次回見せて下さい。 木村:国への対応については書いてあるが、申し入れ者への対応等は書いていません。 谷口:再稼働によって核のゴミが出るが、核燃料サイクルは止まっています。核のゴミはどうするのですか? 木村:使用済み燃料は、3号機使用済み燃料ピットに余裕あり、10年くらいは受け入れ可能な状況です。その後どこにどう一時保管するかを、先行プラントとかいろいろな所見を見て、敷地内外を両方考慮して、今検討中です。 谷口:核燃料サイクルは動くという想定で置いているのですか? 木村:もんじゅはともかく、六ヶ所再処理施設は動くと想定しています。 谷口:サイト内保管の場合、乾式保管という方法はとられるのですか? 木村:それも含め現在検討中です。 谷口:それも決まっていないのに再稼働なのですか? 木村:まだ10年間あるので。その10年というのも2号機と3号機が一緒に動いての場合なので、もし3号機だけならもっと余裕はあります。 向井:3号機のほうがMOX燃料なので危ない。 村上:プルトニウムはもともと使用済み燃料に入っています。 木村:もうこの辺で。 中村:本日録音した回答を文書化して送るので、確認済みの日付、役職、署名を付けて返送してください。 木村:そういうことはしたことがないので、それも含めて検討させてください。 以上 |
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