[2020_04_22_05]県内原子力施設 事業者想定超えず(東奥日報2020年4月22日)
 内閣府の有識者会議は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による原子力関連施設の立地地点の津波データを公表しなかったが、県内の各施設から最も近い地点の最大波で事業者の想定を超えるものはなかった。
 東北電力・東通原発(東通村)付近で想定される最大波は9・3メートル。同社はこれまで、十勝沖・根室沖から三陸沖北部にかけての連動型地震が同原発に大きな影響を与えると想定し、敷地前面の最大津波高を11・7メートルと評価している。
 同原発は海抜約13メートルの敷地にあり、3メートルをかさ上げして海抜10メートルとなる防潮提を建設した。このほか、取水路や放水路の開口部に防潮壁を設置するなど複数の津波対策を講じている。有識者会議の検討結果を受け、同社青森支店の担当者は取材に「現時点で安全性に影響を与えるものではないと考えているが、内容を確認し、必要に応じて適切に対応する」と答えた。
 電源開発・大間原発(大間町)付近の最大波は3・5メートル。同原発は海抜約12メートルの敷地に建設中で、今後、同15メートルとなる防潮壁を建設する計画。現時点では最大津波高を7・1メートルと評価、安全審査で審議している。
 同社青森事務所の担当者は「有識者会議の内容を確認し発電所への影響を検討した上で、今後の審査に適切に対応する」と述べた。
 日本原燃・六ヶ所再処理工場(六ケ所村)に最も近い地点の最大波は8・4メートル。原燃によると、同工場は標高50〜55メートル、海岸から約5キロ離れた場所にある。担当者は「津波の高さは最大でも40メートルには到達しないと評価しており、これまでの津波評価への影響はない」としている。
     (加藤景子)
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