[2023_07_31_02]東北電4〜6月期決算 燃料価格低下で赤字から一転過去791億円の黒字 通期も最高益予想(河北新報2023年7月31日)
 
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東北電4〜6月期決算 燃料価格低下で赤字から一転過去791億円の黒字 通期も最高益予想

 東北電力は31日、2024年3月期第1四半期(23年4〜6月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比13・5%増の6335億円。経常損益は286億円の赤字から1130億円の黒字、純損益は312億円の赤字から過去最高の791億円の黒字に転換した。前年は上昇基調だった燃料価格が下落に転じたのが収支改善に大きく影響し、通期業績も過去最高益と予想した。配当も再開する。
 連結対象子会社は56社。販売電力量は春先の暖房需要の減少などで前年同期比9・7%減少した。売上高の増加には昨年11月に実施した高圧以上の企業の電気料金引き上げや、燃料価格の上下動を反映する燃料費調整制度に基づく調整額の増加が貢献した。
 調整額は反映の時期が後ろにずれるため、燃料価格が下落を続けた今期は560億円程度の差益が発生し、純利益は四半期連結決算を始めた2004年3月期以降で過去最高を計上した。
 通期業績予想も公表し、純利益は連結決算を開始した1995年3月期以降で過去最高の1400億円を見込む。昨年11月の値上げや今年6月に実施した家庭と商店向け電気料金の引き上げは計1772億円の収支改善効果となる。前年は無配だった年間配当は再開し、中間5円、期末10円と予想する。
 記者会見した樋口康二郎社長は通期業績予想について「過去2年連続の赤字決算で財務状況が悪化しており、危機的状況は続いている」と述べた。来年2月の再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)については追加工事が発生したとして「若干の遅れがあるが、11月の工事完了を見据えている」と説明した。
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