[2023_06_28_01]東北電力の株主総会 社長「今年度の黒字化を目指す」(NHK2023年6月28日)
 
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東北電力の株主総会 社長「今年度の黒字化を目指す」

 東北電力は28日、株主総会を開き、樋口康二郎社長は燃料価格の高騰で経営が悪化していることを説明し、今月から家庭向けの電気料金を値上げすることなどによって今年度の黒字化を目指す考えを示しました。
 東北電力の株主総会は28日、仙台市青葉区の本店で開かれ会場にはおよそ180人の株主が出席しました。
 このなかで樋口社長はロシアによるウクライナ侵攻などの影響で火力発電に使う燃料価格が高止まりし、昨年度のグループ全体の最終的な損益は1200億円余りの赤字と、過去2番目の大きさになったことを説明しました。
 このため、今月から家庭向け電気料金のうち、契約者が多い「規制料金」と呼ばれる主要プランについて、平均で25.47%値上げするとともに、来年2月に計画している女川原子力発電所2号機の再稼働などによって収益を改善し、今年度の黒字化を目指す考えを示しました。
 このあと、一部の株主から再稼働に向けた安全対策工事などの費用が経営に負担をかけていることや再稼働が電気料金の値下げにつながる根拠が明らかではないとして原発からの撤退が提案されましたが、採決の結果、賛成少数で否決されました。
 出席した株主の1人は「本当に原発を再稼働させて大丈夫なのかということを確認するために出席した。株主提案はすべて否決されて残念だが、問題提起はしっかりできたと思う」と話していました。
 また、別の株主は今月から値上がりする電気料金について「電力会社が存続できなくなる可能性もあるので、いまの状況ではやむをえないと思うが引き続き経営努力は行っていくべきだ」と話していました。
 株主総会のあと、樋口康二郎社長は定例の記者会見で「厳しい財務状況について経営責任を問う声もあった。今後はいただいた貴重な意見を事業に生かしながら、経営の改善に取り組んでいきたい」と述べました。
 その上で、今月からの電気料金の値上げについて「さまざまな物価が上がっているなかでさらなるご負担をおかけしている。お客様に対してはより安くなるプランの提案など真摯に対応していきたい」と改めて理解を求めました。
 また、女川原発2号機の再稼働について「ことし11月の工事完了に向けてしっかりと現場を指導していきたい。地域の理解を得ながら早期の再稼働を目指していく」と述べ、再稼働に向けて安全対策を最優先に取り組む考えを示しました。
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