[2021_11_09_10]女川原発再稼働差止め活動の現況 住民は2021年9月に東北電力を被告として再稼働差止めを求める訴訟を仙台地裁に提起 上岡直見〔環境経済研究所代表(技術士事務所)〕(たんぽぽ舎2021年11月9日)
 
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女川原発再稼働差止め活動の現況 住民は2021年9月に東北電力を被告として再稼働差止めを求める訴訟を仙台地裁に提起 上岡直見〔環境経済研究所代表(技術士事務所)〕

 ◎女川原発2号機は、2020年2月に規制委員会が設置変更許可(いわゆる「合格」)を出したのに続き、同年11月に宮城県が再稼働同意を表明している。
 これより以前、住民は2019年11月に宮城県と石巻市に対して「再稼働の同意の差止め」を求める仮処分を仙台地裁に申請したが、地裁は2020年7月にこれを却下し、さらに高裁に即時抗告を申し立てたが同年10月に棄却された。

◎再稼働に関する訴訟のほとんどは電力事業者を被告としており、女川のように県・市を相手に「同意の差止め」を求める裁判は全国でも女川だけで珍しい事例だったが、残念ながら住民側の敗訴となっている。
 続いて住民は2021年9月に東北電力を被告として再稼働差止めを求める訴訟を仙台地裁に提起した。
 これは県・市は被告になっていない。その第1回口頭弁論が2021年11月8日に開かれた。

◎主な争点は、
(1)女川原発2号機に住民に被害を及ぼすような重大事故が発生する具体的危険性があるか、
(2)避難計画に多くの不備があるため実効性があるか、という点である。
 宮城県の住民団体は避難に関して県・市に対して質問活動を続けてきた。
 長時間にわたる移動でトイレはどうする、食料や水はどうする、といった避難者視点での詳細な質問とそれに対する回答が裁判の背景になっている。
 他地域でも利用できる貴重な情報なので、改めて整理して紹介したい。
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