[2021_04_19_09]東北電力が東通原発完工3年延期(東奥日報2021年4月19日)
 
参照元
東北電力が東通原発完工3年延期

 東北電力が東通原発1号機(青森県東通村、出力110万キロワット)の審査合格後に行う安全対策工事の完了時期を、2021年度から3年延期し24年度とする方向で最終調整していることが18日、複数の関係者への取材で分かった。原子力規制委員会による安全審査が長期化していることが主な理由とみられる。耐震をはじめとした安全対策工事の実施には、工事の認可申請や新たな審査などが必要で、さらに3年程度を要すると判断したもよう。
 東京電力福島第1原発事故を機に、新たな規制基準の適合性審査が国内の原発に課されて以降、東北電は工事完了時期を4回、延期している。3年の延期幅は最長で、再稼働はさらに先送りされる見通しとなった。
 東北電は14年6月、再稼働に向け審査を申請した。ただ、敷地内や周辺の断層評価に時間を要し、一定のめどがついたのが20年夏。現在も地震・津波分野の審議が続いており、設備分野の審査にはほぼ着手できていない状態だ。
 岩渕伸一・執行役員青森支店長は3月末の会見で、工事完了時期を「現段階で見直す予定はない」としつつ「厳しくなってきているとは認識している」と述べていた。
 東北電は東奥日報取材に「当社として、工事完了時期の見直しを決定した事実はない」と答えた。
 東通1号機は05年12月に営業運転を開始。11年2月に定期検査のために停止した後、同3月に発生した東日本大震災、福島原発事故の影響により10年以上にわたって停止している。
 一方、東北電の女川原発2号機(宮城県)は20年2月に審査合格。再稼働に向けた地元同意を得ており、安全対策工事が完了する22年度以降の再稼働を目指す。
KEY_WORD:HIGASHI_TOUHOKU_:ONAGAWA_:HIGASHINIHON_:FUKU1_: