[2023_07_28_03]「高浜原発1号機うごかすな」 再稼働中止を求め市民団体が抗議(毎日新聞2023年7月28日)
 
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「高浜原発1号機うごかすな」 再稼働中止を求め市民団体が抗議

 運転開始から48年たち、廃炉が決まっていない原発としては国内最古の関西電力高浜原発1号機(福井県高浜町)が再稼働した28日、全国の市民団体・個人による集会「最古の老朽原発・高浜1号うごかすな!高浜緊急行動」(事務局・木原壮林 京都工芸繊維大名誉教授)が現地であり、即時に廃炉にするよう関電に申し入れた。60年を超える原発の運転が可能となる法律が成立しており、高浜1号機が国内初の60年超えとなる可能性がある。
 約100人の参加者は同原発北門近くの展望台に集合。木原さんは「(格納容器の金属疲労などのリスクが指摘されており)世界でも40年を超えて運転する原発はそんなにない。日本は地震が多く、火山国でもあり、危険極まりない。福島原発事故の教訓を忘れるのか」と声を上げ、北門前までデモ行進。北門前で参加者は次々とマイクを握り抗議した。
 福井県小浜市民として原発反対運動を長年続けている明通寺住職、中嶌哲演さんは「最悪の行為だ。50年間、国策民営の原発が推し進められ、関電は詭弁(きべん)を弄(ろう)し、約束違反を繰り返してきた」と声を震わせた。使用済み核燃料の中間貯蔵候補地について「関電は2023年末までに福井県外と明言した。守られない場合、高浜1、2、美浜3号機は停止すると約束した」と指摘。「老朽原発の再稼働を実現するために使用済み燃料をフランスに持ち出すと言い始めたが、詭弁だ」と批判した。さらに「福島原発事故の犠牲者に心を寄せ、子どもたちの未来に思いをはせるため一食断食運動に協力してほしい」と呼びかけた。
 地元住民でつくる「ふるさとを守る高浜・おおいの会」代表、東山幸弘さんは「高浜町でも老朽原発を心配する人は多い。しかし、原発で働く人が多く、なかなか声を上げられないのが実態だ」と語った。【塩田敏夫】
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