[2023_06_14_06]【緊急声明】関西電力の小手先の詭弁を許すな! わずか6%の使用済み核燃料のフランスへの持ち出しは、中間貯蔵地を探したことにならない! 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)(たんぽぽ2023年6月14日)
 
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【緊急声明】関西電力の小手先の詭弁を許すな! わずか6%の使用済み核燃料のフランスへの持ち出しは、中間貯蔵地を探したことにならない! 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)

 
◎ 関西電力の森社長は、昨日(6月12日)、杉本福井県知事と面談し、高浜原発で保管する使用済みウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の一部を2020年代後半にフランスに搬出する計画を示し、「これは、使用済み核燃料が県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義があり、県との約束はひとまず果たされた」との認識を示しています。

◎ とんでもない「小手先」を弄した詭弁です。

 関西電力は2017年以来、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言したにもかかわらず、その約束をたびたび反故にしています。
 関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰り返してきたのです。
 2021年2月にも、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を停止する」としていますが、未だに候補地を見出すことはできていません。

◎ 関電は、苦肉の策として、昨日(6月12日)、使用済みMOX燃料の一部を、電気事業連合会が行うMOX燃料再処理実証試験(注1)に供するために、フランスに持ち出すから「約束は果たした」としたのです。
 しかし、搬出量は、福井県内の原発で保管する使用済み核燃料のわずか6%以下に過ぎず、また、搬出予定も今すぐでなく、2020年代の後半です(ただし、発熱量や放射線量の下がりにくい使用済みMOX燃料の搬出は相当困難と考えられます)。

(注1):使用済みMOX燃料の再処理は、使用済みウラン燃料のそれに比べて、格段に困難です。その理由の一つは、溶解の難しさです。

◎ なお、再処理を進めれば、現在でも46トン以上がたまり、国際的にも削減が迫られているプルトニウムがさらに蓄積します。
 そのために、危険極まりないプルサーマル運転をさらに推進することになりかねません。
 さらに、フランスでの再処理で発生したプルトニウムや高レベル廃棄物は福井県に変換されます。何の解決にもなっていません。
 一方、今回の関電社長の発言は「日本の使用済み核燃料の中間貯蔵地をフランスにする」と言っているようなものですから、国際的な非難も受けるでしょう。

◎ 関電は、トラブル、不祥事、約束違反を多発させています。
 現在の科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、トラブルが頻発し、人々を欺かなければならなくなるのです。

◎ 関電や政府が、いかに願望し、詭弁を弄しようとも、法律をどう変えようとも、経済的利益や政治的思惑で原発の老朽化を防ぐ技術、安全性を高める技術、使用済み核燃料の処理・処分技術が急に向上することはありません。
 老朽原発完全廃炉を実現し、それを突破口に原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しましょう!
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