[2023_03_08_02]柏崎刈羽原発の運転禁止「解除難しい」 規制委員長が発言、早期の再稼働は困難に(東京新聞2023年3月8日)
 
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柏崎刈羽原発の運転禁止「解除難しい」 規制委員長が発言、早期の再稼働は困難に

 原子力規制委員会の山中伸介委員長は8日の記者会見で、テロ対策の不備で事実上の運転禁止命令を出している東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について、東電の再発防止策が不十分として「命令解除はかなり難しい」と述べた。東電への検査の最終報告がまとまる5月以降も命令を継続する方針を示し、政府や東電が目指す早期再稼働は困難になった。

 ◆「改善できる状態ではない」

 この日の定例会合で、規制委事務局が検査の状況を報告。「新たに導入した侵入検知器が正常に作動しない」「風雪などを誤って侵入者と判断する誤警報が目標件数まで減っていない」「現場職員の問題意識が管理職に共有されていない」など、6項目の課題が残るとした。5月をめどに、検査の最終報告をまとめることを決めた。
 山中委員長は会合後の記者会見で「最終報告までに課題を改善できる状態ではない」と指摘。5月以降も最低でも1〜2カ月は検査を続けるとの見通しを示し、運転禁止状態がさらに長期化することが確実になった。

 ◆経営計画にも影響か

 東電は10月に7号機を再稼働させる想定で、電気料金の値上げ幅を算定。経営計画への影響も必至だ。
 同原発では2020年3月以降、侵入検知器が多数故障し、代わりの対応も不十分で侵入を検知できない状態が1年近く続いた。規制委は21年4月、原発内の核燃料の移動を禁じる命令を出した。(小野沢健太)
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