[2021_05_19_01]福島第2原発もテロ対策不備 重要施設への扉、施錠せず(毎日新聞2021年5月19日)
 
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福島第2原発もテロ対策不備 重要施設への扉、施錠せず

 原子力規制委員会は19日、既に廃炉が決まった東京電力福島第2原発(福島県)の少なくとも6カ所と四国電力伊方原発(愛媛県)の1カ所で、テロ対策に不備があったと明らかにした。いずれも、規制委が定める核物質防護に関わる4段階の評価のうち、最も軽微なレベル。既に改善されているが、東電柏崎刈羽原発(新潟県)以外でも不十分なテロ対策の実態が浮かんだ。
 規制委の事務局を務める原子力規制庁などによると、福島第2原発4号機の重要施設がある「防護区域」に出入りする扉で3月まで、行き来する人の点検をしておらず、施錠もしていなかった。運転を始めた1987年の前から、こうした状態が続いていた。
 1号機でも今年3月まで同様の不備があり、運転開始の82年より前から続いていた。この2カ所は普段は使われていなかった。
 これとは別に、1〜4号機の防護区域に出入りする所数カ所でも、金属探知機で検査すべきだったのにしていなかった。東電の担当者は「不備があった所を通過するには、別の出入り口で検査を受けないといけないので、問題はないと考えていた」と説明している。福島第2原発では、今も核燃料や使用済み核燃料が計約1万体残っている。これまでに不正侵入された形跡はないという。
 一方、伊方原発では、立ち入りが制限される「周辺防護区域」の内と外をつなぐ地下水路の地面の蓋(ふた)部分が開けられる状態で、人が行き来できるようになっていた。四国電力の担当者は「核セキュリティーの確保に万全を期していく」と話した。
 福島第2原発と伊方原発の今回の不備は、柏崎刈羽原発のテロ対策が不十分だった問題を受け、規制委が実施した各原発への調査で判明した。【塚本恒】
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