[2020_02_19_02]伊方原発3号機の運転差し止め、四国電力が異議申し立て「重大な事実誤認がある」(毎日新聞2020年2月19日)
 
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伊方原発3号機の運転差し止め、四国電力が異議申し立て「重大な事実誤認がある」

 四国電力は19日、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた広島高裁の仮処分決定(1月17日)を不服として、異議と仮処分の執行停止を広島高裁に申し立てた。高松市の本店で記者会見した長井啓介社長は「決定には重大な事実誤認があり、誤った認識が広がりかねない」と述べた。
 決定は、四電の活断層調査が不十分で、約130キロ離れた阿蘇カルデラ(熊本県)の噴火想定も過小だったと指摘。安全審査を合格とした原子力規制委員会の判断を誤りだとした。長井社長は「海上の音波探査で活断層がないことは確かめた」と反論。四電は今後、噴火に関する安全性などについても反論、立証する方針だ。
 伊方原発では決定が出た後、定期検査中の一時電源喪失などのトラブルが相次ぎ、四電は異議申し立てを見送っていた。
 住民側弁護団共同代表の中村覚弁護士は「決定は、地震と火山の両面で具体的な危険性があると明快に指摘した。真摯(しんし)に受け止めるなら異議申し立てはできないはずだ。伊方原発では重大なトラブルが続発し、原因究明すらできていない状況で、こうした手続きをするのは極めて遺憾だ」とのコメントを出した。【山口桂子、松本昌樹】
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